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1章 あらたなる挑戦
第9話 言われた通りに
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事務所に戻り、紗奈と岡薗さんは給湯室に入るとエプロンを付けた。服を汚さない様にと胸当てエプロンだ。
岡薗さんはシンプルなブラウンのH型エプロンだ。昨日買ったばかりの紗奈のエプロンもH型だが、白地にブルーのペンシル・ストライプである。
「よし、作ってこか。天野さん全然料理できひんて言うてたけど、包丁とかはどう?」
「あ、あの、家庭科の授業ぐらいで……」
紗奈はできない自分が恥ずかしくて、言葉尻がすぼんでしまう。だが岡薗さんは「そっかぁ」と特に気にした風でも無かった。
「じゃあざく切りとかそれぐらいやったらできそうやな。まずはしろ菜を洗おうか。こうして外側もやけど、中に噛んだ砂も落としてな」
岡薗さんはシンクで水を出すと、しろ菜を1株洗い始める。白い根の部分に付いていたわずかな土を流し、根元の中側も開いて丁寧に水を通す。葉の部分もささっと洗い上げた。軸はきれいな白色で、葉は青々としている。ぴんとしていて、こういうのが新鮮と言うのだろうか。
「天野さん、できるか?」
「やってみます」
お野菜すらまともに洗えないなんてことになったら、流石に恥ずかしいでは済まない気がする。お料理もまともにできないことが情けなく思う様になっていた。男性である岡薗さんにお買い物までお付き合いしてもらい、お野菜の洗い方を教えてもらっているだなんて。
家には専業主婦の万里子がいるのだから、お料理ぐらい教えてもらえば良かったと後悔してしまう。お手伝いを請われなかったからと、隆史も清花もしないのだからと言って、何もできないことが良いはず無かった。
そんなことを巡らせながらも、紗奈は注意深くしろ菜を洗って行く。今は考えても仕方が無い。岡薗さんが何を作ろうとしているのかは想像もできないが、紗奈ができることをやるだけだ。
その間に、岡薗さんはまな板と包丁を出して、椎茸の袋を開けていた。
「椎茸とかのきのこ類はな、洗ったら香りが飛んで旨味も流れてしまうから、洗わずに使うねん。石づきは落とすし。もし傘の汚れが気になるんやったら、湿らしたキッチンペーパーで拭くとかやな」
「そうなんですか」
食材ひとつ取っても、下ごしらえの方法がこんなにも違うのだ。これからは自分でも学んで行かなくては。今度の休日、本屋さんに初心者用のレシピ本でも探しに行こうか。日曜日はまだ予定が空いている。
「椎茸は俺が切るな」
「あ、ありがとうございます」
紗奈がもたもたとしろ菜を洗っている横で、岡薗さんは手際良く椎茸の石づきを落とし、軸を離して、大振りで分厚い傘は半分の斜め切りにして行った。
「軸ももちろん使うで。もったいないもんな。しゃきしゃきして旨いんやで」
「そうなんですね」
太い軸は縦半分にカットされ、傘と一緒にステンレスのボウルに入れられた。続けて冷蔵庫の野菜室を開けて、人参を1本出した。
「これも使うで。俺が切るから、焦らんとしろ菜洗ってな」
「はい。ありがとうございます」
紗奈が少し場所を譲り、岡薗さんは人参を良く洗う。移動してへたを切り落とすと皮付きのまま、細い部分は輪切りにし、太いところは縦半分に切って、端から薄切りにしていく。そうしてできあがった人参をボウルに入れた。
「しろ菜はどうや?」
「あっ、これ、最後のひとつです」
紗奈は慌ててしろ菜を洗う。だが汚れがちゃんと落ちる様に気を付ける。そして最後の株を洗い終え、紗奈は「ふぅ」と息を吐いた。
「終わりました」
「うん。ほなしろ菜はざく切りな。5センチ幅ぐらいかな。切れるか?」
「や、やります」
細かく切るのなら紗奈には難しいだろう。だが大きく切るのならできそうだ。
しろ菜を1株まな板に載せる。すると岡薗さんが残りのしろ菜からもう一株持ち上げた。
「まとめて何株か一緒に切るねん。その方が早いからな。慣れてへんやろうから2株から行こか。こう、押さえながらな」
岡薗さんがお手本を見せてくれるので、紗奈はその通りに手を添える。
「まずは根っこの部分を落とすで」
「ここですか?」
紗奈がしろ菜を押さえながら白い軸の下の方に包丁を当てる。
「もっと下や。もっと、そうそう、その辺やな」
そこは根っこぎりぎりのところだった。紗奈は注意深く刃を入れた。するとまとまっていたしろ菜がばらりとばらける。広がりそうになるところを慌てて押さえた。
「で、5センチぐらいに切って行こか」
「は、はい」
紗奈はゆっくりと包丁を入れ、ざくっ、ざくっと慎重に切って行く。包丁に恐怖感は無いが、やはり手を切りたくは無いので、注意しながら両手を動かした。
「葉と軸は火通りの時間が違うから、ふたつのボウルに分けて入れてな。で、一番下はまだ砂が付いてるかも知れんから、ざるに入れてな」
「はい」
紗奈は言われた通りにしろ菜を分ける。そしてまた2株をまな板に載せ、根っこを落としてざく切りにして行った。2回目なので少しは慣れたのか、さっきよりはスムーズに行けた様な気がする。
3回目、残りは1株。これもざくざくと切って行く。数が少ないこともあってか、これまでより切りやすかった。
「で、ざるのをしっかり洗って、水分切って、軸のボウルに入れるっと」
それは岡薗さんがやってくれた。軸をほぐしながら指を使って洗い、ざるを上下に振って水分を切る。それを軸のボウルに合流させた。
「しろ菜もやけど小松菜とかほうれん草とか、この手の葉物野菜はどんだけ丁寧に洗っても砂が残ってるもんなんや。ほんまに厄介やで。旨いねんけどな。で、お揚げやな。まず縦半分に切って、重ねて、2センチ幅ぐらいの短冊切りにしてな」
「はい」
岡薗さんが濡れていたまな板をキッチンペーパーでさっと拭き、菜箸でお揚げを出す。紗奈は左手を添えながらゆっくりと切って行く。お揚げの油で手がぬるっとなった。それを用意されたボウルに入れる。
「次は肉やな。切り落としやから、大きいのんが混ざってるねん」
岡薗さんがまたまな板をキッチンペーパーでささっと拭いてくれ、袋に入れられていた豚肉を開け、菜箸で適当に広げる。
「この状態で、これも5センチ幅くらいに切ってやってな」
「はい」
「脂でぬるぬるするから、手ぇ切らん様に気ぃ付けて」
「は、はい」
途端に緊張してしまう。確かに左手で豚肉を押さえながら包丁を当てると、しろ菜やお揚げよりも切りにくいと感じた。だが刃は軽く入って行った。
「包丁はまめに研いどるから、切れやすいと思うで」
「はい」
確かに脂で手がぬるっとして、あまり気持ちの良い感触では無い。だがこれがお料理なのだ。お肉やお魚、お野菜などを下ごしらえして、1品を整えて行く。
万里子だって毎日こうして料理をしてくれているのだ。万里子がどこまで手間を掛けてくれているのか紗奈は知らないが、いつも品数も多いのだから、きっと大変だろう。
それは確かに専業主婦の仕事なのかも知れないが、してもらって当然だと思っていたら駄目なのでは無いか。隆史も清花も何も言わないし、当たり前だと思っているのかも知れないが、紗奈ぐらいは感謝を伝えてみようか。
「お肉、切れました」
「おう。そしたら下味付けるから、ボウルに入れてな」
「はい」
差し出されたボウルに切った豚肉を入れると、岡薗さんはそこにお塩と紙パックの日本酒を振り掛けた。
「手が汚れとるついでや。良く混ぜて揉み込んでな」
「はい。これは何をしてるんですか?」
「下味や。日本酒は肉に甘味を与えて柔らかくしてくれるねん」
「そうなんですね」
紗奈は脂が付いていた左手で、豚肉に調味料を揉み込んで行く。
「全体に行き渡らせてな」
「はい」
言われた通り、紗奈は左手を動かす。すると豚肉が日本酒を吸い込んで行く。
「こんな感じで大丈夫ですか?」
「おう。大丈夫や。ほんなら手を洗ってな。食器用の洗剤使うてな」
「はい」
紗奈が手を洗っている間に、岡薗さんがシンクの下から少し深さのあるフライパンを出す。それをコンロに置いて火を付けて、米油を引いた。
「これで中火や。天野さん、肉炒めてみるか?」
「や、やってみます」
火を使うなんて本当に久しぶりだ。紗奈は緊張しつつも温まったフライパンに豚肉を流し入れた。するとじゅうっと音を上げて、小さく油が跳ねる。幸いにも紗奈には当たらなかった。
「肉を全体に広げてな。このへら使って」
黒いシリコン製の、へらの様な大きなスプーンの様なものを渡される。受け取った紗奈はそれを使って豚肉をフライパン全体に均等に広げて行った。
「そのまま少し置いといてな」
「はい」
その間に、岡薗さんは着々と使い終わったまな板やボウルなどを洗って行く。料理ひとつ作るのに、これだけの洗い物が出るのかと紗奈は驚くばかりである。
岡薗さんはシンプルなブラウンのH型エプロンだ。昨日買ったばかりの紗奈のエプロンもH型だが、白地にブルーのペンシル・ストライプである。
「よし、作ってこか。天野さん全然料理できひんて言うてたけど、包丁とかはどう?」
「あ、あの、家庭科の授業ぐらいで……」
紗奈はできない自分が恥ずかしくて、言葉尻がすぼんでしまう。だが岡薗さんは「そっかぁ」と特に気にした風でも無かった。
「じゃあざく切りとかそれぐらいやったらできそうやな。まずはしろ菜を洗おうか。こうして外側もやけど、中に噛んだ砂も落としてな」
岡薗さんはシンクで水を出すと、しろ菜を1株洗い始める。白い根の部分に付いていたわずかな土を流し、根元の中側も開いて丁寧に水を通す。葉の部分もささっと洗い上げた。軸はきれいな白色で、葉は青々としている。ぴんとしていて、こういうのが新鮮と言うのだろうか。
「天野さん、できるか?」
「やってみます」
お野菜すらまともに洗えないなんてことになったら、流石に恥ずかしいでは済まない気がする。お料理もまともにできないことが情けなく思う様になっていた。男性である岡薗さんにお買い物までお付き合いしてもらい、お野菜の洗い方を教えてもらっているだなんて。
家には専業主婦の万里子がいるのだから、お料理ぐらい教えてもらえば良かったと後悔してしまう。お手伝いを請われなかったからと、隆史も清花もしないのだからと言って、何もできないことが良いはず無かった。
そんなことを巡らせながらも、紗奈は注意深くしろ菜を洗って行く。今は考えても仕方が無い。岡薗さんが何を作ろうとしているのかは想像もできないが、紗奈ができることをやるだけだ。
その間に、岡薗さんはまな板と包丁を出して、椎茸の袋を開けていた。
「椎茸とかのきのこ類はな、洗ったら香りが飛んで旨味も流れてしまうから、洗わずに使うねん。石づきは落とすし。もし傘の汚れが気になるんやったら、湿らしたキッチンペーパーで拭くとかやな」
「そうなんですか」
食材ひとつ取っても、下ごしらえの方法がこんなにも違うのだ。これからは自分でも学んで行かなくては。今度の休日、本屋さんに初心者用のレシピ本でも探しに行こうか。日曜日はまだ予定が空いている。
「椎茸は俺が切るな」
「あ、ありがとうございます」
紗奈がもたもたとしろ菜を洗っている横で、岡薗さんは手際良く椎茸の石づきを落とし、軸を離して、大振りで分厚い傘は半分の斜め切りにして行った。
「軸ももちろん使うで。もったいないもんな。しゃきしゃきして旨いんやで」
「そうなんですね」
太い軸は縦半分にカットされ、傘と一緒にステンレスのボウルに入れられた。続けて冷蔵庫の野菜室を開けて、人参を1本出した。
「これも使うで。俺が切るから、焦らんとしろ菜洗ってな」
「はい。ありがとうございます」
紗奈が少し場所を譲り、岡薗さんは人参を良く洗う。移動してへたを切り落とすと皮付きのまま、細い部分は輪切りにし、太いところは縦半分に切って、端から薄切りにしていく。そうしてできあがった人参をボウルに入れた。
「しろ菜はどうや?」
「あっ、これ、最後のひとつです」
紗奈は慌ててしろ菜を洗う。だが汚れがちゃんと落ちる様に気を付ける。そして最後の株を洗い終え、紗奈は「ふぅ」と息を吐いた。
「終わりました」
「うん。ほなしろ菜はざく切りな。5センチ幅ぐらいかな。切れるか?」
「や、やります」
細かく切るのなら紗奈には難しいだろう。だが大きく切るのならできそうだ。
しろ菜を1株まな板に載せる。すると岡薗さんが残りのしろ菜からもう一株持ち上げた。
「まとめて何株か一緒に切るねん。その方が早いからな。慣れてへんやろうから2株から行こか。こう、押さえながらな」
岡薗さんがお手本を見せてくれるので、紗奈はその通りに手を添える。
「まずは根っこの部分を落とすで」
「ここですか?」
紗奈がしろ菜を押さえながら白い軸の下の方に包丁を当てる。
「もっと下や。もっと、そうそう、その辺やな」
そこは根っこぎりぎりのところだった。紗奈は注意深く刃を入れた。するとまとまっていたしろ菜がばらりとばらける。広がりそうになるところを慌てて押さえた。
「で、5センチぐらいに切って行こか」
「は、はい」
紗奈はゆっくりと包丁を入れ、ざくっ、ざくっと慎重に切って行く。包丁に恐怖感は無いが、やはり手を切りたくは無いので、注意しながら両手を動かした。
「葉と軸は火通りの時間が違うから、ふたつのボウルに分けて入れてな。で、一番下はまだ砂が付いてるかも知れんから、ざるに入れてな」
「はい」
紗奈は言われた通りにしろ菜を分ける。そしてまた2株をまな板に載せ、根っこを落としてざく切りにして行った。2回目なので少しは慣れたのか、さっきよりはスムーズに行けた様な気がする。
3回目、残りは1株。これもざくざくと切って行く。数が少ないこともあってか、これまでより切りやすかった。
「で、ざるのをしっかり洗って、水分切って、軸のボウルに入れるっと」
それは岡薗さんがやってくれた。軸をほぐしながら指を使って洗い、ざるを上下に振って水分を切る。それを軸のボウルに合流させた。
「しろ菜もやけど小松菜とかほうれん草とか、この手の葉物野菜はどんだけ丁寧に洗っても砂が残ってるもんなんや。ほんまに厄介やで。旨いねんけどな。で、お揚げやな。まず縦半分に切って、重ねて、2センチ幅ぐらいの短冊切りにしてな」
「はい」
岡薗さんが濡れていたまな板をキッチンペーパーでさっと拭き、菜箸でお揚げを出す。紗奈は左手を添えながらゆっくりと切って行く。お揚げの油で手がぬるっとなった。それを用意されたボウルに入れる。
「次は肉やな。切り落としやから、大きいのんが混ざってるねん」
岡薗さんがまたまな板をキッチンペーパーでささっと拭いてくれ、袋に入れられていた豚肉を開け、菜箸で適当に広げる。
「この状態で、これも5センチ幅くらいに切ってやってな」
「はい」
「脂でぬるぬるするから、手ぇ切らん様に気ぃ付けて」
「は、はい」
途端に緊張してしまう。確かに左手で豚肉を押さえながら包丁を当てると、しろ菜やお揚げよりも切りにくいと感じた。だが刃は軽く入って行った。
「包丁はまめに研いどるから、切れやすいと思うで」
「はい」
確かに脂で手がぬるっとして、あまり気持ちの良い感触では無い。だがこれがお料理なのだ。お肉やお魚、お野菜などを下ごしらえして、1品を整えて行く。
万里子だって毎日こうして料理をしてくれているのだ。万里子がどこまで手間を掛けてくれているのか紗奈は知らないが、いつも品数も多いのだから、きっと大変だろう。
それは確かに専業主婦の仕事なのかも知れないが、してもらって当然だと思っていたら駄目なのでは無いか。隆史も清花も何も言わないし、当たり前だと思っているのかも知れないが、紗奈ぐらいは感謝を伝えてみようか。
「お肉、切れました」
「おう。そしたら下味付けるから、ボウルに入れてな」
「はい」
差し出されたボウルに切った豚肉を入れると、岡薗さんはそこにお塩と紙パックの日本酒を振り掛けた。
「手が汚れとるついでや。良く混ぜて揉み込んでな」
「はい。これは何をしてるんですか?」
「下味や。日本酒は肉に甘味を与えて柔らかくしてくれるねん」
「そうなんですね」
紗奈は脂が付いていた左手で、豚肉に調味料を揉み込んで行く。
「全体に行き渡らせてな」
「はい」
言われた通り、紗奈は左手を動かす。すると豚肉が日本酒を吸い込んで行く。
「こんな感じで大丈夫ですか?」
「おう。大丈夫や。ほんなら手を洗ってな。食器用の洗剤使うてな」
「はい」
紗奈が手を洗っている間に、岡薗さんがシンクの下から少し深さのあるフライパンを出す。それをコンロに置いて火を付けて、米油を引いた。
「これで中火や。天野さん、肉炒めてみるか?」
「や、やってみます」
火を使うなんて本当に久しぶりだ。紗奈は緊張しつつも温まったフライパンに豚肉を流し入れた。するとじゅうっと音を上げて、小さく油が跳ねる。幸いにも紗奈には当たらなかった。
「肉を全体に広げてな。このへら使って」
黒いシリコン製の、へらの様な大きなスプーンの様なものを渡される。受け取った紗奈はそれを使って豚肉をフライパン全体に均等に広げて行った。
「そのまま少し置いといてな」
「はい」
その間に、岡薗さんは着々と使い終わったまな板やボウルなどを洗って行く。料理ひとつ作るのに、これだけの洗い物が出るのかと紗奈は驚くばかりである。
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