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第1話 予感
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私は、エミリア・ベルリオース。
あと、半年程で幼馴染のアンドレ・オルシアンと結婚する予定です。
オルシアン公爵家は、このアイミール公国でも屈指の大貴族、かたやベルリオース家は伯爵家ではありますが、これといった特色のないのどかな田園風景が広がる、アイミール公国の穀倉地帯といったところでしょうか。
アンドレ様が小さい頃から、避暑で領地にいらっしゃると、一緒に過ごしておりましたが、15才になり王都の学園に通うようになって、アンドレ様の人気にびっくりするぐらい、社交界でもあまり目立つことなく過ごしておりました。
でも、学園に入ってからは、アンドレ様がいろいろと声をかけて下さったこともあり、お友達もたくさん増え、今日は、そんな学園で仲良くなった三人が遊びにきてくれるので、朝から何度もお茶やデザートの準備を確認して、侍女のアンネと執事のセバスチャンに、苦笑されているのです。
「お嬢様、準備は私どもが致しますので、どうぞお部屋でごゆっくりお待ち下さいませ 」
「お招きしたお時間まで、あと一時間程です、ご到着されましたら、私がご案内いたしますから、ご安心下さいませ 」
二人にそう言われては、ここにいるのも邪魔なのかと思い、仕方なく部屋に戻りそわそわとしながら、待っている。
だって、久しぶりなんですもの、四人揃ってのお茶会なんて、他の方のお茶会に呼ばれたり、舞踊パーティで顔を合わせたりはしてたけど、もちろん、周りにはたくさんの方がいらっしゃるし、その場に身分の高い方がいらっしゃれば、話を合わせなくてはいけませんし、なかなかゆっくりとおしゃべりするなんて、出来ませんわ。
でも、今日は同い年のお友達だけなんですもの、楽しみです。
しばらく待っていると、屋敷に前に一台の馬車が見えました、あれは、シェリルね、カルダナック家の紋章が見えますもの。
ノックの音がして、セバスチャンが入ってきました。
「お嬢様、シェリル・カルダナック様がお見えになられました、どうぞサロンルームへお越し下さい 」
「わかったわ、ありがとう、セバスチャン 」
丁寧に一礼してセバスチャンが下がると、私はいそいでサロンルームに向かい、扉を開ける。
「いらっしゃい、シェリル、待っていたわ 」
「お招きありがとう、私が一番乗りかしら? 」
挨拶をしている途中で残りの二人、アマンダとマリエールも入ってきて、侍女たちが手際良くお茶の用意をしてくれ、あっという間にあれやこれやといろんな話題で盛り上がります、その中でも、私の結婚の話題はやっぱり皆、興味津々のようです。
私のドレスやいただいた宝石の話になると、アマンダの熱の入り方が違います。
この四人の中で一番、華やかで、男性からの人気も高いのですが、私達の中で一人だけ、まだ婚約されてないのです。
「私にふさわしい相手がいないのだからしょうがないのよ アンドレ様ぐらいの方がいれば私だってその気になるんだけどな、あーあ、幼馴染なんてエミリアは上手くやったわよね 」
と、このセリフ何回ぐらいきいたでしょう、始めのうちは笑って聞いてましたけど、最近はなんだか少し不安に思うようになってきたのです。
あと、半年程で幼馴染のアンドレ・オルシアンと結婚する予定です。
オルシアン公爵家は、このアイミール公国でも屈指の大貴族、かたやベルリオース家は伯爵家ではありますが、これといった特色のないのどかな田園風景が広がる、アイミール公国の穀倉地帯といったところでしょうか。
アンドレ様が小さい頃から、避暑で領地にいらっしゃると、一緒に過ごしておりましたが、15才になり王都の学園に通うようになって、アンドレ様の人気にびっくりするぐらい、社交界でもあまり目立つことなく過ごしておりました。
でも、学園に入ってからは、アンドレ様がいろいろと声をかけて下さったこともあり、お友達もたくさん増え、今日は、そんな学園で仲良くなった三人が遊びにきてくれるので、朝から何度もお茶やデザートの準備を確認して、侍女のアンネと執事のセバスチャンに、苦笑されているのです。
「お嬢様、準備は私どもが致しますので、どうぞお部屋でごゆっくりお待ち下さいませ 」
「お招きしたお時間まで、あと一時間程です、ご到着されましたら、私がご案内いたしますから、ご安心下さいませ 」
二人にそう言われては、ここにいるのも邪魔なのかと思い、仕方なく部屋に戻りそわそわとしながら、待っている。
だって、久しぶりなんですもの、四人揃ってのお茶会なんて、他の方のお茶会に呼ばれたり、舞踊パーティで顔を合わせたりはしてたけど、もちろん、周りにはたくさんの方がいらっしゃるし、その場に身分の高い方がいらっしゃれば、話を合わせなくてはいけませんし、なかなかゆっくりとおしゃべりするなんて、出来ませんわ。
でも、今日は同い年のお友達だけなんですもの、楽しみです。
しばらく待っていると、屋敷に前に一台の馬車が見えました、あれは、シェリルね、カルダナック家の紋章が見えますもの。
ノックの音がして、セバスチャンが入ってきました。
「お嬢様、シェリル・カルダナック様がお見えになられました、どうぞサロンルームへお越し下さい 」
「わかったわ、ありがとう、セバスチャン 」
丁寧に一礼してセバスチャンが下がると、私はいそいでサロンルームに向かい、扉を開ける。
「いらっしゃい、シェリル、待っていたわ 」
「お招きありがとう、私が一番乗りかしら? 」
挨拶をしている途中で残りの二人、アマンダとマリエールも入ってきて、侍女たちが手際良くお茶の用意をしてくれ、あっという間にあれやこれやといろんな話題で盛り上がります、その中でも、私の結婚の話題はやっぱり皆、興味津々のようです。
私のドレスやいただいた宝石の話になると、アマンダの熱の入り方が違います。
この四人の中で一番、華やかで、男性からの人気も高いのですが、私達の中で一人だけ、まだ婚約されてないのです。
「私にふさわしい相手がいないのだからしょうがないのよ アンドレ様ぐらいの方がいれば私だってその気になるんだけどな、あーあ、幼馴染なんてエミリアは上手くやったわよね 」
と、このセリフ何回ぐらいきいたでしょう、始めのうちは笑って聞いてましたけど、最近はなんだか少し不安に思うようになってきたのです。
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