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しおりを挟むおやすみのあいさつをしたら、いつもはセシルが足早に自分の部屋へと戻って行くのに。
「結婚式まで待てない」
抱き上げられて部屋の奥、寝室へと大股で向かう。
え?
急展開すぎない?
「セシル、でも」
「俺のことが好きなんだろ? 結婚式は予定通り行うし、それまでには寝室から出す」
不穏。監禁予告?
でも2人一緒ならラブラブおこもり生活ってこと?
「……いやか?」
強気な口調だったのに、なぜか最後に懇願するように聞くから。
「いやじゃない。……いいよ」
「よかった」
柔らかいベッドに落とされ、上から押しつけるように唇が重なった。
逃すつもりなんてない、っていうように私をシーツに縫い止める。
「シンシア」
唇の上で名前をささやかれ、吐息がふれた。
優しい響きに胸がキュンとする。
私たちの初めてのキス。
キスが甘い、なんてあるんだ。
なんだか急に恥ずかしくなってきた。
セシルの見たことがない色気と、求められているっていう視線に体温が上がる。
「もう限界だ」
王妃様に言われたことを忠実に守っていただけで、あおったつもりはなかった。
けど、今日は念入りにやりすぎたんだ!
毎日毎日同じことを言っていたから愛の言葉を言うハードルが下がっていて、本当にあいさつみたいに簡単に口から飛び出しちゃってた。
落ち着こう、私たち!
「セシル……ッ、んう」
名前を読んだ次の瞬間、深く唇が重なった。
セシルの舌が遠慮なく私の口内をくすぐり、驚いて緩んだすきに縮こまった舌を見つけ出して絡める。
純情なのかな、って思ったのに。
奥手で紳士だと思ったのに。
全然違う。
初々しさなんて1ミリもなくて、なんで?
最初は私がリードするって思っていたのに。
「可愛い。全部触らせろ」
「……!」
キスを深めたまま、セシルの手によってガウンが脱がされた。その下には、
「色気のない寝間着」
「だって! 今夜はそんなつもりなかったから……ちゃんと初夜には素敵なのを用意しているよ!」
恥ずかしい。
毎日肌の手入れをしてもらっているし、侍女たちがすけすけのベビードールを着るように毎回用意してくれるんだけど、まくれて寝心地悪そうだし、落ち着いて眠れないと思っていつも断っていた。
もしかしてみなさん、こういうシチュエーションを想定していたとか⁉︎
「それも楽しみにしている。正直、この寝間着でも俺は止まれない」
飾り気のない男性用のパジャマは作務衣に似た作りでパンツもついているから気に入っているけど、2人の最初の夜にこれは恥ずかしい。
思いがけず揃っていないブラとデカパンツ履いている日に誘われちゃったみたいな気分になっているんだけど!
もうちょっとロマンティックに夜を迎えたい。
「やっぱり、別の日にしない? もっと可愛いの着るから」
セシルが小さく笑った。
なんで今日はこんなに色っぽいんだろう。
ドキドキして心臓が痛い。
女の子だって、ちゃんと準備を整えたら、ちょっとは自信がつくし!
もう少し余裕のある態度を取れると思うのに。
「いやだ。……それに、この寝間着は俺のだから、これはこれで……」
「え……」
そう言いながら紐をほどく。
侍女さんたち、そこまで考えていたの⁇
恥ずかしくなって顔が熱い。
「いやじゃないんだろ? 諦めろ」
素肌にセシルの大きな手がふれた。
かさついてはいないけど、少し皮膚が厚いのか、指先は硬い。
ゆっくり意味のない動きをしているようで、意味のある動きにもどかしさがたまる。
「セシル」
「どうした?」
「……私は初めてなのに、セシルは違うみたい」
「そんなはずあるか。シンシアを不快にさせないように、ある程度学んだだけだ」
ギロッとにらまれて言葉に詰まる。
代わりに胸の先端に触れられて吐息と一緒に声が出た。
「あ……っ!」
「とりあえず声出しておけ。嫌かいいかそれで判断するから」
え? やだ。
首を横に大きく振ると、大きな手で顔をつかまれて正面に固定される。
「嫌なことされたくないだろ?」
変顔になってない、これ?
「……うん」
セシルはニヤリと笑って深くて甘いキスをした。
甘かったり強引だったり頭は混乱しているのに、とけちゃいそうになっている。
再び胸にふれるから、吐息ごとキスに飲み込まれた。
「優しくする」
今まで見た中で一番優しい顔で私を見下ろす。
「セシル、好き」
自然とこぼれた言葉にセシルの顔に笑みが浮かんだ。
「知ってる。俺も好きだ」
その後のセシルはもどかしくなるくらい、とても優しかった。
オラオラ強気に攻めてくるものだと思ったのに、私の反応をしっかり見ているし、触れた場所全部にキスをする。
ついでにキスマークもつけるものだからチクッとした。
キスマークなんて好きじゃなかったけど、セシルにつけられるのは嫌じゃない。
「んっ……セシル」
しばらく顔以外全部覆うくらいのドレスしか着ることができないかも。
脚の内側に吸いつかれて、恥ずかしさに逃れたくなるのにがっちりつかまえられてベッドに沈んだ。
「シンシア」
セシルの指が脚のつけ根に触れる。
恥ずかしいくらい濡れていて、脚を閉じたいのにセシルが邪魔をした。
ゆっくり探るようにすべらせたセシルの指が、突起を見つけてイタズラに刺激する。
「ひぁっ、んっ」
指だけじゃなくて、脚のつけ根にキスもしてくるから体が快楽を拾って一気に体が熱くなった。
これ以上体温が上がったら、正気を保てない。
「セシル……ッ、あ、」
目の前が白んで、ぼやけていく。
「シンシアは甘いな」
突起に這わされたセシルの舌が下から上へと舐め上げた。
ビリビリと甘く疼いて声もなく達した。
「――――っ‼︎」
苦しくて、気持ちよくて、でもやめてくれなくて。
狭い隘路に指が差し込まれる。かすかに違和感はあったけど、すぐに気にならなくなった。
少しずつ指を増やされて、自分のだなんて信じられないくらいの水音が聞こえてくる。
「セシル、もう……っ」
どのくらい触れられているかもわからないけど、ずっとずっと気持ちいい。
何も考えられなくて、勝手に涙が流れる。
体中から水分がなくなりそう。
「痛がるシンシアを見たくない」
「だいじょう、ぶ……だから、おねがい」
このまま続けられたら、私は――。
ふいにセシルの指が腹側をゆっくり擦った。
「――ンあァ……!」
がくがくと体が震え、そうして何度もイかされる。
まだなの?
どこを触れられても気持ちいい、けど体に力が入らない。
そうなるのを待っていたかのようにセシルが言った。
「シンシア、息を吐け」
膝の裏に手をかけて大きく持ち上げ、セシルは一息に腰を進めた。
「あ、あ、あ――⁉︎」
熱くて硬くて、圧迫感のある異物に押し拡げられてじんじんする。
お腹の奥まで存在しているようで、思わず自分の下腹に触れて撫でた。
表面からはわからないけど、この中にあると思うとキュンとする。
セシルが低くうめくのが聞こえて、顔を上げた。
私のすることをじっと見ていたのかな。
「シンシア」
体を倒して私をがっちり抱きしめキスをした。酸欠の私は空気を求めて口を開く。
セシルは私が誘っていると思ったのか、舌を絡める激しいキスに変わった。
そうじゃないんだけど、もう考えられない。
「んんっ……ふ、ぁ」
視界も体の中も心もセシルでいっぱいで、すがるように背中に腕を回す。
すると私の中でセシルの分身がピクッと動いた。
「あッ、セシル……」
「……動いてもいいか?」
「うん」
すぐに唇が触れそうな距離で交わされる会話。
「多分、もたない」
「いいよ」
あまり痛くないけど、もうクタクタだから。
ゆっくり腰を引いたセシルが、すぐに中へと打ちつける。
数回のぎこちない動きの後、悔しそうに私を抱きしめた。
中に温かいものが広がるのを感じて、セシルも気持ちよくなっちゃったんだってわかった。背中をぽんぽん撫でていると、
「もう一度……このままじゃ終われない」
「うん、いいよ」
セシルが小声で、こんなに気持ちいいのかよ、ってもらさなかったら私は頷けなかったと思う。いろんな理由をつけて断ったはず。
セシル、本当に初めてだったんだ。
「つらくないか?」
「大丈夫。セシルが優しくしてくれたから」
「そうか」
私ばかりずっと気持ちよかったし、痛くなかった。
「セシルが満足するまでつき合うよ」
「……愛してる、もう離さない」
彼の尽きない体力と独占欲に、私は卒業式の直前まで部屋にこもることになるなんて本当に思わなくて、その言葉を後悔することになるのだった。
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┏┳━━━━━┳┓
┃┃・ ▼ ・┃┃
┃┃〃┗┻┛〃┃┃
┗┫┏┓ ┏┓┣┛コンバンワン💕
あら、甘々で微笑ましい。
やる気みなぎるベビードールもまあまあ恥ずかしいものですが、これじゃない!ってのもありますよねー。
使用人の皆さまには、フライングは想定の範囲内( *´艸`)
可愛いお話ありがとうございました。
完結₍₍٩(*ˊᵕˋ*)۶Ⴛ̅̀⊃かれㄜま٩(*ˊᵕˋ*)۶⁾⁾
ベビードールで恥ずかしいお話も好きですが、今回はこれじゃないのほうです♪
こっちも恥ずかしいですね。
( ੭ु 。>﹏<。)੭ु⁾
転生ヒロインがツッコミつつ、
ヒーローのギャップを狙ったらあら不思議……なことになりました〜
(ノ≧︎ڡ≦︎)エヘヘ♡
鍋さま、コメントありがとうございました🤗
>思いかけず揃っていないブラとでかパンツはいてる日に誘われちゃったみたいな気分になっているんだけど
わかる(๑´∀`๑)
その気持ちーー
>卒業式の直前まで部屋にこもることになるなんて
どんだけ~((☝))(๑´∀`)
凄い絶倫
(۶•̀ᴗ•́)۶ ㊗️🎉
完結おめでとうございます
面白かったぁーーです🥰🎶
けっこうあるあるですよね〜
乙女心的にNGなやつ。
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長いですよね(๑˃▿︎˂๑)))
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生まれたての小鹿状態になりそうです!
青空さま、コメントありがとうございました🤗
\ /
(_O|・|O)
( ・ω・)ちわ~
~~(==O┬O
ε=◎-ヽJ┴◎キコキコ⁾⁾
すっごいラブラブ✨
毎日、愛してるとか、大好きとか言うのかぁーー(*゚0゚*)スッゴッイ!
(๑´ω`๑).。oO( 微笑ましいですよねぇ💕 )
こんにちはー(。◕︎‿◕︎。)╱︎✿︎・゚:✲︎:
本編後はなぜかこんな感じに!
好きとかそういう言葉って何度も言っていると挨拶並みに慣れてくるかなーと思います♪
減る言葉でもないので∗︎˚(* ˃̤൬˂̤ *)˚∗︎
青空さま、コメントありがとうございました🤗