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epilogue

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※ 女の子の日の表現+ほんのりRがあるので苦手な方はご注意ください。
 5人の旦那様と前向きに暮らすことにしました、というお話です。






******


「今日は私1人の日!」

 流石に生理中は一人にしてねって言ったんだけどセスが食いついてきて、体内から出る前に貪られた。
 だいぶ抵抗があったけど。

「せっかく遠慮なく血液が味わえるんだから」

 さすがに身体をつなげることもなかったし、丸2日お腹に手を当てて優しく抱きしめていてくれた。
 ちょっと、直接口をつけてすすられるのは、ね。
 正直引いたし全然慣れなかったけど!
 その間、食事を運びながら様子を見にきたのがソロ。
 セスとベッドで横になっているのを見て、我慢できなくなったのかベッドに潜り込んできた。

「ぼくも~。僕のリィの具合が良くなるまでここにいる!」
「アタシがいるから、あんた出ていきなさいよ!」
「…………」
「僕の方が体温高いからいいと思うよ?」

 ソロの上目遣いにきゅんとする。

「まったく、このインキュバス崩れが」

 ん?

「違うもんっ。おじいちゃんはそうだったらしいけど、両親は人間だし!」

 んん?

「そっちこそ、リオナにはりついていないで食事とってきなよ! 半分人間なんでしょ!」
「……今はリオナがいれば食べ物は足りている」

 私が寝てる間に食事摂りに行ってるって聞いたけど……?

「えーと、二人とも仲良いのね。で、ソロはインキュバスの血が流れてるの?」

 ちょっと焦ったようにソロが言う。

「おじいちゃんだし、僕は人間の両親から産まれたから! だから……ね。普通の人間だよ?」

 かわいい顔して見せるけど、うーん。
 インキュバスの血が流れてるのか……。
 ファンタジーだね!
 ちょっとのことじゃ驚かなくなった。

「セスはリオナといる間一度も人間のご飯食べてないから、食事してきなよ」
「……セス、今は大丈夫だから、食べてきて」

 渋々ベッドから降りたセスが私の耳元でささやく。

「あの子、キスする時魔力流してくるから気をつけてよ。まだエロい気分になれないでしょ」

 マジか。
 どうりで、とも思うけど。

「僕がリィのこと温めてあげるね」
「……ありがとう、でもキスはだめ」
「…………わかった」

 ちょっと残念そうな顔をした後、あいつ本当邪魔って呟いた気がしてまじまじとソロの顔を見る。

「どうしたの、リィ。少しお昼寝しよ?」

 ソロが私の胸の間に顔を寄せる。
 これで協調性のある旦那達なの、かな……?
 女神様のメガネといい、なんだか最初の話と違うじゃないかと思う。
 殺傷沙汰にならないからいいのかな? 
 そういうこと?
 そういうレベルなのか!
 ……なるほど。
 お腹も痛いし、とりあえずソロを抱きしめてまどろんだ。







 目が覚めるとソロはいなくなっていて、ベッド脇のテーブルにカードと食事が置いてあった。

「サミュエルから? ゆっくり休めって。確かにセスとソロは騒がしかった」

 ただちょっと眠りすぎて目が醒めちゃったな。
 夕食の時間はとっくに過ぎていて、ハムとチーズを挟んだパンの包みと、蓋つきの陶器にスープが入っていた。
 まだ温かいから届けてくれたばかりなのか、それとも魔法でもかかっているのかも?
  
 このところずっと誰かといたから、念願の一人なのに、食事は一人って寂しい気がする。
 自分でも面倒くさい奴だと思う。

 そんな時にカチャリとドアが開いた。

「起きてたの? 体調大丈夫?」
「シーヴァー」

 静かに入ってきた彼に笑いかけた。
 いいタイミングで嬉しい。

「よかった。目が醒めちゃったから、食べる間つきあってくれない? シーヴァーは何か飲む?」

 私がベッドから降りようとしたら、シーヴァーがそのままでいるように言う。
 
「僕がやるからいいよ」

 手際良く私の分までお茶を淹れてくれた。

「よく眠れるお茶だよ。食事にも合うから」

 さっぱりした薬草茶で身体がぽかぽかする。

「シーヴァー、このスープが温かいのってどうして?」
「保温の魔法がかかってるからだよ」

 やっぱりそうなんだ。

「しかもそれ、父の手作りスープ。僕も小さい頃、具合が悪くなるとよく作ってもらっていた」

 ちょっと得意げに言うのがかわいい。

「じゃあ、あとでお礼言わないとね」

 シーヴァーが小さく頷いてお茶を飲む。
 基本的には仲のいい親子なんだろうな。

「シーヴァー、このまま朝まで一緒にいてくれない? しばらく眠れそうにないの」
「……具合は大丈夫なの?」
「ちょっとお腹痛いけど、一人は寂しい」
「うん、いいよ。……僕嬉しいな」

 一人で大丈夫って何度も確認されながらそれぞれシャワーを浴びて一緒にベッドにもぐった。
 
「シーヴァー、いてくれてありがとう」
「どういたしまして」

 ぎゅっと抱きしめてもらいながら私たちはおしゃべりをして夜を明かした。








 シーヴァーと一緒に朝食室へ向かうと、サミュエルがいたのでスープのお礼を伝えた。

「頬の赤みも戻っているね。よかった。まだ無理をしてはいけないからね?」
「はい、あのスープのおかげですね。本当においしかったです。ありがとうございました」

 スペンサーは朝早くに仕事に向かったらしく、セスは夜遅くまで仕事でまだ寝ているらしい。
 ソロは学校に通うことになったからもう家を出たと聞いた。
 ゆくゆくは伯爵家で仕事ができるように育てるんだそう。
 知識が偏っていそうだしね。

 朝食を食べながら、私は何かしたほうがいいのか聞いたけど、この世界では女性は大切だから単独で表に出さないそう。
 特に伯爵夫人としての仕事もないし、お披露目パーティとかお茶会とかもやらないらしくてほっとした。
 
「やりたいことができたら相談して。できることは協力するから」

 サミュエルがそういうなら、まずは旦那様5人との生活に慣れるのが一番先かな。
 とりあえず、今夜はスペンサーのところに避難しようと思う。
 その後は、きっと順番に過ごすことになるだろうから。


 女神様、総攻めは無理でしたよ?
 せめてあのメガネをかけると、ドS女子になる仕様にしないとダメだと思う。(けど、今さらいらないかな)
 


 





               終
            
 








******

 お読みいただきありがとうございました。
 全然攻められませんでした。(反省)

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