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義兄の結婚編
5 アンジーの誕生日
しおりを挟む義兄夫婦の結婚式が終わり、僕達もひとまず領地へ帰ることにした。
「お義兄さん、お義姉さん、落ち着いたらうちに遊びに来てください」
「ああ、ありがとう。色々と助かったよ」
新婚夫婦の邪魔はしちゃいけないからね。
アンジーも二人にお別れの挨拶をして、馬車に乗った。
ちょうど、アンジーの誕生日を数日後に控えていたから、頑張った妻を労りつつ一週間ほど観光予定。
そして評判の宿に泊まって二人きりでお祝いをする計画をこっそり立てている。
結婚してから初めてのアンジーの誕生日。
思い出に残る一日にしたい。
だから素敵な景色の見えるところへ行って、アンジーが見たものを片っ端から買って、美味しいものを食べた。
従者や侍女も一緒だから、二人きりではないけれど、とても幸せな時間を過ごして、誕生日の夜は父様お勧めの宿屋に泊まる。
これから先は二人きり。
今夜はアンジーを思いっきり甘やかすんだ。
僕は先に風呂に入り、灯りを調節して部屋を整える。
内緒で買ったお揃いのネックレス。
アンジーが雑貨屋でじっくり見ていたから、その時だけ別行動をとったんだ。
プレゼントはベッドで渡すつもりで、枕の下に隠した。
よし、準備万端だ。
喜んでくれるといいな。
そわそわしながら、アンジーを待つ。
「……ヴァル、お待たせ」
僕は左胸をぎゅっと抑えた。
今生きてる?
ここは天国なのかな?
「アンジー……きれいだ。……美しすぎる」
アンジーの肌が透けて見えるほど薄いガウンは太ももが半分ほど隠れる丈で。
その下に下着は身につけておらず、首からゆったり胸元覆うように結ばれた大きなリボンは、先端が長く垂れ下がって脚の間までうまい具合に隠している。
いつの間に?
僕がネックレスを買いに行っている間?
アンジーが一人で準備したの?
それともアメリアの助言なの⁉︎
そんなことどうでもいい。
目の前にアンジーがいること、それがすべてだから‼︎
ろうそくに照らされて、僕には丸見えなんだよ!
きっとアンジーはガウンで隠れていると思っているんだね。
そうじゃなきゃ、こんな格好してくれないと思う!
「あの、今日は一日ありがとう……私からヴァルと同じようには返せないから……私を、もらってくれる……?」
夢みたい。
あ、僕ちょっと泣きそう。
「……ヴァル、あの、このままは、恥ずかしい」
そう言って僕に抱きつく。
やわらかい。
かわいい。
「うん、すごく嬉しい。アンジーの誕生日なのに、僕までプレゼントもらって、最高に幸せ。僕からも、アンジーへ」
予定とは違うけど、枕の下からプレゼントをとって渡し、さっそく開けてもらった。
「私、今日はもう十分もらっているのに……」
「僕も全く同じものにしたんだ。アンジーの誕生日と旅の記念に」
「ありがとう、すごく嬉しい。大切にする」
さっそくアンジーの首にかける。
僕の大切な妻。
「僕も……アンジーを、もらっていいかな?」
「……うん」
恥ずかしそうに頷くから、僕は。
僕は、そうっとガウンを脱がせた後、その姿をしばし目に焼きつけ、ゆっくりリボンを引いて、アンジーを堪能した‼︎
僕の最愛の妻、最高!
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