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6 終※
しおりを挟むシロくんの首に腕を回し、自分から舌を絡めた。
一瞬彼が震えた気がしたけど、細い指が私の身体をなぞり出す。
肌着の下に滑り込み、そっと胸を包み込まれて鼻から声が抜けた。
自分の声に驚いていると胸の先端にそっと触れられて、ビクンと身体が跳ねる。
「脱がせるね」
もぞもぞと布団の中で裸になるとぴったりと抱き合う。
「気持ちいいね……これだけで満たされるかも……んっ」
私の言葉に背中を撫でていたシロくんがぎゅっと強く抱きしめる。
「足りないです……」
お腹に硬くて暖かい棒状のものを感じて、シロくんを見上げる。
これって……アレかな……?
困ったような顔のシロくんに私は言う。
「続き、して? ひとつになりたい」
ますます困ったような顔をする。
私だって知識はある。
本も読んだことあるし、隣の部屋で恋人と交わるママに気づいていたから。
私はシロくんのアレに手を伸ばす。
だけど触れる前に腕を掴まれた。
「今は……だめ」
そう言うと私の身体中に甘噛みしながらキスをする。
どんどん熱くなって身体が勝手にびくびくと動いてしまう。
「シロ、くんっ……熱いっ」
「マミのここ、ほぐさないと……」
私の脚の間でシロくんが言う。
濡れているのはわかってる。
ありえない音が聞こえるから。
「本当に、こんな狭いところに……入るのかな……」
そう呟くシロくんの指が、私の身体の中で優しく動く。
細い指でも違和感がある。
痛いわけじゃない。
変な感じ。
だけど、指を入れたままコリコリする場所を指で撫でられるとどんどん熱が溜まっていく。
「シロくん……なんか……へんっ……」
頭がぼうっとして身体が自分じゃないみたい。
「指……三本入るようになったけど……痛くない? 中が動いて僕の指に吸いついてくるみたい……」
「ん、大丈夫……。シロくん……もぅ、きて」
私はシロくんの腕を引っ張る。
シロくんは私にキスしてから脚を大きく開いた。
恥ずかしいはずなのに、かまっていられない。
早く満たされたいと気持ちが焦る。
「シロくんでいっぱいになりたい」
ごくりと唾を飲む音が聞こえた。
脚の間にアレがこすりつけられ、先端がぐっと押し入った。
痛みより圧迫感がすごい。
「あっ……ふぅ、……」
何度も浅く息を吐いた。
「すごい……あったかい……」
そう呟きながら小刻みに腰を進めていたシロくんが、苦しそうな顔をして止まった。
「マミ、痛くない?」
「うん……意外と、平気みたい……」
「すごくきついのに、挿れたくてたまらないんだ……ごめんね」
「いいよ……痛くてもいいから。シロくんになら……何されても、いいよ……だから全部ちょうだい」
「……マミ……ごめんね」
私に口づけてから、しっかりと腰を押さえて一気に貫いた。
「んあっ……!」
「……くっ……」
いきなり押し寄せた痛みに目の前が赤くなる。
シロくんも苦しそうに聞いてくる。
「痛い……?」
じわりと涙が浮かぶ。
初めて感じる痛みと熱さと、シロくんの愛情と、幸せだと思う自分の心に感情が揺り動かされる。
だから口をついて出た言葉は痛い、ではなくて。
「……初めてがシロくんで……嬉しい」
「僕も……愛してる」
私のこぼした涙をぺろぺろと舐める。
くすぐったいと笑うと、シロくんが息を詰めた。
身体の中に温かいものが広がる。
あれ、と思っていると食べられるように口づけられて、胸を撫でられた。
そうするうちに、私の身体の中でシロくんが主張する。
「動いていい?」
「……うん」
これは……気づかなかったフリがいいの、かな……?
鈍い痛みがあるけど、我慢できないわけじゃない。
多分、シロくんの出したもののおかげでスムーズに出し入れされてるからかも。
それに痛みだけじゃない、痺れるような熱くなる感覚も拾う。
シロくんに二人が繋がる場所を触れられて、また熱が溜まっていった。
熱くて何も考えられなくて声が抑えられない。
「シロ、くんっ」
「マミ」
名前を呼ばれて頭が真っ白になった。
身体ががくがく震えて力が抜ける。
シロくんが苦しそうな顔をして動きを緩めた。
お腹の中にじんわりと温かいものが広がって、そのままガックリと私の上に落ちる。
細身だけど、うすく筋肉のあるシロくんが全体重をかけるから私は重いと呟いた。
すると、ごめんと呟いて抱きしめたままくるりと身体を回転させて私を上にのせる。
「重くない?」
「重くない。ちょうどいい」
お互いの鼓動が落ち着くまでそのままでいる。
こんな生々しい行為はシロくん以外絶対無理。
私の頬に唇を寄せる。
「もう一回したい」
その存在感に気づいては、いたのだけど。
「一晩に何回もするものなの?」
「…………うん」
間があった。
ちゅっ、ちゅと唇を啄まれる。
「そのまま身体を起こしてみて?」
言われるままに身体を起こすと、私の中のシロくんが存在感を増す。
「ひぁっ……」
ぐりっと中で動いて思わず声を漏らした。
下からぎこちなく腰を動かされるたび、胸が揺れ、驚いて声をあげてしまう。
「シロくん、ん……これ、恥ずかしいっ」
すると、また二人の繋がりに手を伸ばす。
「僕、こんなに気持ちいいこと初めてで……マミにも同じくらいよくなってもらいたいんだ」
「んっ……そこ、触られると、だめっ……」
くったりとシロくんに身を預ける。
頭を撫でられて顔を上げると唇を塞がれた。
口内を嬲られ、繋がりに触れられながらシロくんも入っているこの状況に頭もぼんやりしてくる。
下からずんっと打たれて声が漏れた。
痛みも完全に消えたわけじゃないけど、溜まっていく熱に意識が奪われる。
「ずっと……こうしていたい……永遠に……」
「むりっ」
「うん……今晩だけ……このあとお風呂入ろうね」
「……うん」
シロくんが私を抱きしめて、くるりと回った。
あっという間に私の背中がシーツにつく。
「こっちの方が動きやすい」
この顔はきっと私にしか見せない顔。
欲情したシロくんの顔に私は触れる。
心と身体がきゅんとした。
このシロくんも私のもの。
「マミ、締めないで……」
「そんな器用なことできないよ……」
泣きそうになりながら答える。
シロくんのものをきつく包み込んで、私は震える。
何度か唇を啄まれて、ようやく力を抜くことができた。
私の身体はもうシロくんだけのもの。
シロくんしか一生触れることはない。
私から漏れる恥ずかしい声はシロくんの口内に吸い込まれ、それから大きく揺さぶられて、わけがわからなくなる。
シロくんの熱っぽい表情を捉えた後、私の意識が遠のいた。
***
シロくんに髪を梳かれて、濃厚な甘い匂いの中ゆっくりと目覚める。
「いい匂い……」
おはようと言う前に呟いてしまい、頭の上でシロくんが笑う。
「おはようございます……マミさんのほうが甘くていい香りです」
「おはよ……シロくんのほうが……どこから匂うんだろう?」
すんすん嗅ぎ回ったらくすぐったそうに身をすくめる。
「マミさんは一日中ベッドでもいいですか? そういうことされると僕……」
「ごめん、そういうつもりなくてっ……」
慌てる私をぎゅっと抱きしめる。
「何もしなくていいのでしばらくこのままでいさせてもらえませんか?」
「……うん。ヴァニラクリーム、シロくん」
「ヴァニラクリーム、マミさん」
お互い見つめあって、時々唇を重ねて笑い合う。
それだけで満たされる。
私の居場所はここだ。
甘く優しい世界で私はかけがえのない番と幸せを手に入れた。
終
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