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家族認定した相手となんて結婚できません! ※R15匂わせ
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* 義兄ヒーローがお好きな方はバックしてくださいね! コメディ、エロはほんのりです。
******
「お前が好きだ」
トラブルに巻き込まれて、やっと屋敷に戻ってきたのに。
兄が部屋にやってきて壁ドン。
血はつながっていないけど、私にとって兄は家族で異性として見ることなんてできない。
なにこれ、ここ地獄?
「お兄様、どいてください」
私が5歳の時に母が再婚して、7歳の兄と10歳の姉ができた。
姉は私と母を嫌い、兄が私をかばってくれて大好きだと思ったし仲良くなった。
でもそれは家族として。
家族として優しい兄のことが大好きだったわけだけど。
「日に日に女らしくなるお前をみていると、落ち着かないし、不安だし、どうしようも無く焦る。腕の中に閉じ込めてしまいたい」
イヤーッ!
少女漫画のヒーローみたいなセリフなのに、相手が兄だとまっったく嬉しくない!
ぞわぞわする。
「お兄様は婚約者が決まったばかりじゃないですか。私は彼女と友だちなんです」
社交界での数少ない友だちと姉妹になれるってはしゃいでいたのに、なんでなの⁉︎
家族間にドロドロの人間関係はいらないのよー。
前世でとんでも愛憎劇を楽しんだ罪がここに⁉︎
はりあいのない平々凡々とした日常を過ごしたから、ドラマチックな展開は憧れたよ?
だけどフィクションと現実は別々だってわかっているし、こんなのってない!
「彼女がお前の友だちだから、婚約者に選んだんだ。だが、やはりお前の身代わりにすぎない」
サイテー!
最低の男だ!
「私の友だちを大事にできないお兄様なんて大っ嫌いです!」
「……え」
フリーズしたところを抜けて、私は部屋を飛び出した。
「待て! まだ話は終わってない……き、嫌いなんて嘘だろう?」
「お兄様のこと、私、男として……今日大っ嫌いになりました!」
むりむり無理!
「友だちにも別の方を紹介しますから、お兄様なんて振られればいいんです!」
後ろで兄が騒いでいるのが聞こえたけど、振り返らなかった。
追いかけられても困るしね。
同じ伯爵家でも友だちのほうが由緒ある伯爵家だから、兄なんてあっさり捨てられるはず。
私だってもう18歳で成人だし、母に味方になってもらおう。兄に変な性癖があるってことにしよう。
「あんた、やってくれたわね!」
グイッと腕を引っ張られて、目の前にはんにゃ顔の姉。
逃げるのと理由考えるのに忙しくて、姉の存在に気づかなかった。
今日1度目のハイライトは、姉の夫……義兄に言い寄られたこと。
『私はあなたと結婚したかった。あれは気が強すぎて少しも気が休まらない。離縁するから私の元へ来てもらえないだろうか? 家同士も問題ないだろう』
あれはもちろん、姉のこと。ものすごい美人だけどワガママで金遣いが荒い。
男はかしずいて当然と思っている女王様気質だけど、15歳年上の伯爵はおおらかに受け止めているのだと思っていた。
でもロリコンだったのか――!
私とは20歳差があって、初めて顔を合わせた時の私はたったの10歳。
優しそうなおじさん……大きいお兄さん枠にぎりぎり入れたけども!
私をそういう目で見ていたなんてゾッとする。
『お義兄様はお姉様の大切な旦那様だと今も思っています。私にとっても兄以上の気持ちにはなれません。今の言葉は聞かなかったことにさせてください』
『初めて見た時からあなたが欲しかった』
あ~~、義兄に言われたいセリフじゃないのよ。
TLものなら胸キュンかもしれないけど、無理なんだって!
年の差ー! 年の差ー!
『ごめんなさい、私はこれ以上家庭を壊すつもりはありません!』
姉がワガママ&お金遣いたい放題で崩壊寸前なのかもしれんけど!
そう言って逃げてきたのは、よく考えたら誤解されるような言葉だった?
使用人が大げさに伝えたとか?
二人の不仲は私のせいじゃないぞ。
「この泥棒猫!」
この世界でも泥棒猫って言葉あるんだ。
笑っちゃいそう……だけど顔を引き締める。
「お姉さま、誤解です。私との間にはなにもありません! 今まで通り私のことは気にせずに暮らしてください!」
「あんたね、いまだに婚約者がいなくて男に相手にされないからって身近な男に手を出すんじゃないわよ! 釣り書が届かないんでしょ? 地味で平凡だものね!」
うわぁ。
前世の記憶なくて、地味で平凡なの気にしてたらショック受けるよ、それ。
姉から見たら地味で平凡かもしれないけど、十分可愛いぞ、この顔?
それに兄が釣り書をすべて捨てて勝手に断っているのが本当の理由。
政略結婚なんていやだし、私は困らなかったから、渋い顔の伯爵をなだめていたくらい。
だって私は――。
「お義姉さん、僕の大切な婚約者を離してくれませんか?」
物腰柔らかな侯爵家の次男、サラッとした金髪を後ろでまとめた姿さえカッコいい。
最近近衛騎士に任命されて注目されている彼が、私を助け出してくれた。
「大丈夫? 腕が赤くなっているね。早く手当をしなくては」
彼はとても私に甘い。
武道会で知り合って。
(そう、舞踏会じゃないの)
こっそり親交を深めていたのだけど、母以外には内緒にしていた。
彼が義父に直接結婚を申し込んでいて、明日にも発表するつもりだったのだけど。
「侯爵家と言っても次男だものね。よくても一代限りの準男爵ってとこでしょう。フフン……お幸せに!」
お姉様の小馬鹿にするような態度に、私の婚約者は動じずにっこり笑う。
「ありがとうございます。すでに父から伯爵位を譲り受けていますから、生活が立ち行かなくなることはないでしょう。ご心配にはおよびません」
「……フンッ、心配なんてしていないわよ! 好きにすればいいじゃない! 贅沢できないでしょうけど!」
子爵夫人のお姉様は、そっぽを向く。
近衛騎士の給料はいいし、伯爵位と祖母からの財産を譲り受けているそうだから何も心配していない。今言うつもりはないけど。
「彼女には侯爵家にて花嫁修業を受けてもらうため、このまま連れていくつもりでいます」
彼に伝書鳩で緊急信号を送ってよかった!
こんなところにいて2人の義兄たちに悩まされるのはイヤ。
「そんなの許さない!」
涙目の兄と、
「……それは正式な婚約なのですか?」
正装して薔薇の花束を片手に現れたお姉様の旦那様である子爵様。
困り者の義兄たちがそろった!
えー?
こんなことってある?
「私たちはすでに正式な婚約関係を結んでいます。来月にも結婚しますから時間がありません。結婚の前に食事会を開きますから、招待状を送りますね」
「来月なんて早すぎる!」
「まさかお腹に子どもがいるの?」
「……そんな」
好き勝手にわめき出してうるさい。
「静かにしなさい。王太子殿下の外遊の護衛のため王都を離れるから、不便じゃないように結婚を早めたのだ」
両親が顔を出した。
義兄たちの顔が緩んだのが気持ち悪い!
もしかして彼だけ外遊について行って残った私になにかするつもり⁉︎
「私も彼について行きます! 王都には残りませんし、私は王太子妃の侍女になるんです!」
2人で出世するぞー!
私、この世界で上を目指す。
子どもが生まれたら王太子妃の乳母になる!
そのためには私たちも早く励まないといけないかも。
「今夜から一緒の寝室ですよね?」
「毎晩君を抱きしめて眠ることができるなんて、僕は幸せです」
どこからか唸るような変な音が聞こえたけども。
「おめでとう、私たちは2人の幸せを願っているわ」
「お母様……!」
はかなげな母がそう言ったら、義父も全面的に味方。
「侯爵家を待たせてはいけないね。早く支度をすませなさい。……さて、残った私たちはみんなでお茶にするとしよう」
にっこり笑った義父がちょっと怖かった。
手をつないで私の部屋へ2人で入る。
メイドがまとめておいてくれた荷物を横目に彼に抱きしめられてキスを交わした。
「ん……ッ、待っ……」
「いやです」
彼の手が私の体を忙しなく這う。
ドレスの下で私をかき立てるような動きに息がはずんだ。
キス以上の行為もすませた仲だけど、ここは私の部屋で、家族もいる。
いけないことをしたってバレたくない。
でも離れたくなくて。
私からもすり寄ってしまう。
好きな人と触れ合うのは幸せだって思った。
「自分がこんなに独占欲が強いって思わなかったです。彼らの視線が気に入りません。身内になるなんて……結婚しても1人で帰って欲しくありません」
「うん。もちろん、帰りません……んんッ」
好きな人のヤキモチは嬉しい。
首の後ろに噛みつくのは本当はダメだと思うけど。
その痛みさえ嬉しい。
結婚が決まって浮かれているのかな。
ここが私の部屋じゃなければよかったのに。
そしたらそのままもっと彼の近くで、彼をもっと感じることができる。
私と同じように彼も思ってくれているはず。
「早く2人だけになりたいです。ここじゃイヤ」
熱くなった彼が私をきつく抱きしめてから、大きく息を吐いた。
耳に息がかかってくすぐったいのに、ホールドされていて動けない。
それに抱きしめられて硬いものが当たる。
「そうしましょう……ですが、すぐに動けそうにありません」
困ったような彼の笑顔に胸が熱くなる。
「お慰めしても?」
私たちが王太子夫妻の外遊について行く頃、兄は婚約解消、姉夫妻は婚姻続行することに決めたものの、別居らしい。
両親は気分転換に船旅に出るというし、屋敷には兄姉がいてわがまま放題だというから、もう戻らない。
「楽しみですね」
「外遊中に交代で休みがあるからデートしましょう」
「嬉しい……島国にも行くんですよね」
日本みたいなところだったらいいなぁ!
外遊は半年ほどで、戻ったら新婚休暇をもらって甘々の新婚生活突入予定。
この先楽しいことばかりかも!
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「お前が好きだ」
トラブルに巻き込まれて、やっと屋敷に戻ってきたのに。
兄が部屋にやってきて壁ドン。
血はつながっていないけど、私にとって兄は家族で異性として見ることなんてできない。
なにこれ、ここ地獄?
「お兄様、どいてください」
私が5歳の時に母が再婚して、7歳の兄と10歳の姉ができた。
姉は私と母を嫌い、兄が私をかばってくれて大好きだと思ったし仲良くなった。
でもそれは家族として。
家族として優しい兄のことが大好きだったわけだけど。
「日に日に女らしくなるお前をみていると、落ち着かないし、不安だし、どうしようも無く焦る。腕の中に閉じ込めてしまいたい」
イヤーッ!
少女漫画のヒーローみたいなセリフなのに、相手が兄だとまっったく嬉しくない!
ぞわぞわする。
「お兄様は婚約者が決まったばかりじゃないですか。私は彼女と友だちなんです」
社交界での数少ない友だちと姉妹になれるってはしゃいでいたのに、なんでなの⁉︎
家族間にドロドロの人間関係はいらないのよー。
前世でとんでも愛憎劇を楽しんだ罪がここに⁉︎
はりあいのない平々凡々とした日常を過ごしたから、ドラマチックな展開は憧れたよ?
だけどフィクションと現実は別々だってわかっているし、こんなのってない!
「彼女がお前の友だちだから、婚約者に選んだんだ。だが、やはりお前の身代わりにすぎない」
サイテー!
最低の男だ!
「私の友だちを大事にできないお兄様なんて大っ嫌いです!」
「……え」
フリーズしたところを抜けて、私は部屋を飛び出した。
「待て! まだ話は終わってない……き、嫌いなんて嘘だろう?」
「お兄様のこと、私、男として……今日大っ嫌いになりました!」
むりむり無理!
「友だちにも別の方を紹介しますから、お兄様なんて振られればいいんです!」
後ろで兄が騒いでいるのが聞こえたけど、振り返らなかった。
追いかけられても困るしね。
同じ伯爵家でも友だちのほうが由緒ある伯爵家だから、兄なんてあっさり捨てられるはず。
私だってもう18歳で成人だし、母に味方になってもらおう。兄に変な性癖があるってことにしよう。
「あんた、やってくれたわね!」
グイッと腕を引っ張られて、目の前にはんにゃ顔の姉。
逃げるのと理由考えるのに忙しくて、姉の存在に気づかなかった。
今日1度目のハイライトは、姉の夫……義兄に言い寄られたこと。
『私はあなたと結婚したかった。あれは気が強すぎて少しも気が休まらない。離縁するから私の元へ来てもらえないだろうか? 家同士も問題ないだろう』
あれはもちろん、姉のこと。ものすごい美人だけどワガママで金遣いが荒い。
男はかしずいて当然と思っている女王様気質だけど、15歳年上の伯爵はおおらかに受け止めているのだと思っていた。
でもロリコンだったのか――!
私とは20歳差があって、初めて顔を合わせた時の私はたったの10歳。
優しそうなおじさん……大きいお兄さん枠にぎりぎり入れたけども!
私をそういう目で見ていたなんてゾッとする。
『お義兄様はお姉様の大切な旦那様だと今も思っています。私にとっても兄以上の気持ちにはなれません。今の言葉は聞かなかったことにさせてください』
『初めて見た時からあなたが欲しかった』
あ~~、義兄に言われたいセリフじゃないのよ。
TLものなら胸キュンかもしれないけど、無理なんだって!
年の差ー! 年の差ー!
『ごめんなさい、私はこれ以上家庭を壊すつもりはありません!』
姉がワガママ&お金遣いたい放題で崩壊寸前なのかもしれんけど!
そう言って逃げてきたのは、よく考えたら誤解されるような言葉だった?
使用人が大げさに伝えたとか?
二人の不仲は私のせいじゃないぞ。
「この泥棒猫!」
この世界でも泥棒猫って言葉あるんだ。
笑っちゃいそう……だけど顔を引き締める。
「お姉さま、誤解です。私との間にはなにもありません! 今まで通り私のことは気にせずに暮らしてください!」
「あんたね、いまだに婚約者がいなくて男に相手にされないからって身近な男に手を出すんじゃないわよ! 釣り書が届かないんでしょ? 地味で平凡だものね!」
うわぁ。
前世の記憶なくて、地味で平凡なの気にしてたらショック受けるよ、それ。
姉から見たら地味で平凡かもしれないけど、十分可愛いぞ、この顔?
それに兄が釣り書をすべて捨てて勝手に断っているのが本当の理由。
政略結婚なんていやだし、私は困らなかったから、渋い顔の伯爵をなだめていたくらい。
だって私は――。
「お義姉さん、僕の大切な婚約者を離してくれませんか?」
物腰柔らかな侯爵家の次男、サラッとした金髪を後ろでまとめた姿さえカッコいい。
最近近衛騎士に任命されて注目されている彼が、私を助け出してくれた。
「大丈夫? 腕が赤くなっているね。早く手当をしなくては」
彼はとても私に甘い。
武道会で知り合って。
(そう、舞踏会じゃないの)
こっそり親交を深めていたのだけど、母以外には内緒にしていた。
彼が義父に直接結婚を申し込んでいて、明日にも発表するつもりだったのだけど。
「侯爵家と言っても次男だものね。よくても一代限りの準男爵ってとこでしょう。フフン……お幸せに!」
お姉様の小馬鹿にするような態度に、私の婚約者は動じずにっこり笑う。
「ありがとうございます。すでに父から伯爵位を譲り受けていますから、生活が立ち行かなくなることはないでしょう。ご心配にはおよびません」
「……フンッ、心配なんてしていないわよ! 好きにすればいいじゃない! 贅沢できないでしょうけど!」
子爵夫人のお姉様は、そっぽを向く。
近衛騎士の給料はいいし、伯爵位と祖母からの財産を譲り受けているそうだから何も心配していない。今言うつもりはないけど。
「彼女には侯爵家にて花嫁修業を受けてもらうため、このまま連れていくつもりでいます」
彼に伝書鳩で緊急信号を送ってよかった!
こんなところにいて2人の義兄たちに悩まされるのはイヤ。
「そんなの許さない!」
涙目の兄と、
「……それは正式な婚約なのですか?」
正装して薔薇の花束を片手に現れたお姉様の旦那様である子爵様。
困り者の義兄たちがそろった!
えー?
こんなことってある?
「私たちはすでに正式な婚約関係を結んでいます。来月にも結婚しますから時間がありません。結婚の前に食事会を開きますから、招待状を送りますね」
「来月なんて早すぎる!」
「まさかお腹に子どもがいるの?」
「……そんな」
好き勝手にわめき出してうるさい。
「静かにしなさい。王太子殿下の外遊の護衛のため王都を離れるから、不便じゃないように結婚を早めたのだ」
両親が顔を出した。
義兄たちの顔が緩んだのが気持ち悪い!
もしかして彼だけ外遊について行って残った私になにかするつもり⁉︎
「私も彼について行きます! 王都には残りませんし、私は王太子妃の侍女になるんです!」
2人で出世するぞー!
私、この世界で上を目指す。
子どもが生まれたら王太子妃の乳母になる!
そのためには私たちも早く励まないといけないかも。
「今夜から一緒の寝室ですよね?」
「毎晩君を抱きしめて眠ることができるなんて、僕は幸せです」
どこからか唸るような変な音が聞こえたけども。
「おめでとう、私たちは2人の幸せを願っているわ」
「お母様……!」
はかなげな母がそう言ったら、義父も全面的に味方。
「侯爵家を待たせてはいけないね。早く支度をすませなさい。……さて、残った私たちはみんなでお茶にするとしよう」
にっこり笑った義父がちょっと怖かった。
手をつないで私の部屋へ2人で入る。
メイドがまとめておいてくれた荷物を横目に彼に抱きしめられてキスを交わした。
「ん……ッ、待っ……」
「いやです」
彼の手が私の体を忙しなく這う。
ドレスの下で私をかき立てるような動きに息がはずんだ。
キス以上の行為もすませた仲だけど、ここは私の部屋で、家族もいる。
いけないことをしたってバレたくない。
でも離れたくなくて。
私からもすり寄ってしまう。
好きな人と触れ合うのは幸せだって思った。
「自分がこんなに独占欲が強いって思わなかったです。彼らの視線が気に入りません。身内になるなんて……結婚しても1人で帰って欲しくありません」
「うん。もちろん、帰りません……んんッ」
好きな人のヤキモチは嬉しい。
首の後ろに噛みつくのは本当はダメだと思うけど。
その痛みさえ嬉しい。
結婚が決まって浮かれているのかな。
ここが私の部屋じゃなければよかったのに。
そしたらそのままもっと彼の近くで、彼をもっと感じることができる。
私と同じように彼も思ってくれているはず。
「早く2人だけになりたいです。ここじゃイヤ」
熱くなった彼が私をきつく抱きしめてから、大きく息を吐いた。
耳に息がかかってくすぐったいのに、ホールドされていて動けない。
それに抱きしめられて硬いものが当たる。
「そうしましょう……ですが、すぐに動けそうにありません」
困ったような彼の笑顔に胸が熱くなる。
「お慰めしても?」
私たちが王太子夫妻の外遊について行く頃、兄は婚約解消、姉夫妻は婚姻続行することに決めたものの、別居らしい。
両親は気分転換に船旅に出るというし、屋敷には兄姉がいてわがまま放題だというから、もう戻らない。
「楽しみですね」
「外遊中に交代で休みがあるからデートしましょう」
「嬉しい……島国にも行くんですよね」
日本みたいなところだったらいいなぁ!
外遊は半年ほどで、戻ったら新婚休暇をもらって甘々の新婚生活突入予定。
この先楽しいことばかりかも!
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