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人気シリーズだからって悪役令嬢を使い回すのやめてーー‼︎ (口の悪いヒロイン、無理矢理)[改稿版]※
しおりを挟む* ツッコミ体質の(後半へいくほど)口の悪いヒロインです。無理矢理描写あり。ヤンデレさんです。ささやかな改稿です。
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ついさきほど、これまでの悪業を暴かれ、婚約者の王子様に予定調和な婚約破棄を言い渡され、修道院へ向かうわたくし。
ええ、やりました!
ヒロインの教科書を隠し、ノートに落書き、黒板に悪口、それから、上履きを水浸しにしたかしら?
小者感?
十四歳のわたくしがやるような嫌がらせではない?
前世の記憶がありますから、ここが乙女ゲームの世界ということも存じております。
ざまぁだって甘んじて受け入れましてよ、すべてのことを。
断罪されて、ワンワン泣きして。
「だって、だって、王子様のことが大好きだったんだもん。ぅわぁ~ん……」
というところまで演じきりました。
さて。
そろそろ、普通に話していいかな。
みんなの毒気を抜いて修道院で反省した後は春休みを一週間残して領地に戻り、すぐに第二シーズンの入学式で熱血スポーツ学園に悪役令嬢として参加した十五の春。
こんな私の、美貌と家柄、権力に金のおかげか……いや、べつにゲーム都合だとわかっているけど言わせてよ。
それでまあ、公爵令息と婚約が整って。
そこでもヒロインが私の婚約者と愛を育むから意地悪して婚約破棄され、修道院に入ったのよ(春休み中)
第三シーズンは魔法学園。お相手は侯爵令息。キュルルン♪
第四シーズンは忍術学園。お相手は伯爵令息。ニンニン☆
一年ずつ色々な学校に転校させられ、毎度婚約者に近づくヒロインをいじめて婚約破棄され修道院へ入った私も十八歳になったよ!
婚約者の爵位も一つずつ下がっていく仕様だけ現実に合わせなくていいと思うけど。
最終作、第五シーズンは王道に戻り普通の学園もので、私も成人だからR指定。
でね。
同じ悪役令嬢働かせすぎだって。
私は疲れた。
これって安心感? 安心感なの?
制作サイドの怠慢じゃね?
確かに私はどのゲームでもプレイヤーに人気があったよ!
私は愛すべきポンコツ悪役令嬢だから。
私、よく心が折れないでいられると思う、本当。
私の婚約破棄物語は、世間では天気の話題と同じくらいの扱いだしね。
昔アニメで観たよ、旅しながら色々な仲間をゲットする主人公の黄色い相棒を、毎回盗もうとして毎回やり返されるポンコツ三人組。
多分あのノリだよねぇ。
わかりやすいし! 憎めないし!
だけどね、前世でも第五シーズンはやってないの!
R仕様の意地悪とか、ヒロインのバッドエンドがえげつないとか微妙な評判だったし、リアルに十七歳だったし!
その後すぐ人生とおさらばしちゃったみたいだけど。
そんな私の今回のお相手は、王族の血を引く子爵令息。
子爵夫人と王弟殿下の不義の子がメインヒーロー。
いや、もう王道じゃねーし。
爵位は子爵だけど、王族の色……髪と瞳の色が特有とか、もう、さ……。
ちょっと考えてみて。
ヤンデレ臭しない?
愛を知らないこじらせ系とか。
感情をどこかに落っことしちゃったクール系とか。
それとも俺様傲慢系、とか。
正解は……。
病弱で繊細でおっとりした文学少年でした‼︎
基本、ベッドの住人で、たまにしか学園に顔を出さないからメインヒーローとして少しインパクト弱いけど、まぁR指定だからね。
これまでとは違う展開にしたかったんだと思う。
話は戻り、ヒロインは彼のお見舞いに本を持って度々屋敷を訪れて仲を深める、らしい。
いつも思うんだけど、歴代のヒロイン、ひどくない?
私という婚約者いるのに、近づくとか。
婚約者もいくら政略結婚だからっておかしいって。
先に円満に解消しろよーー‼︎
あ、はい。
盛り上げる役割なんで仕方ないんですね。
今回で最後だから、やり切ればいいんでしょ、その後は自由なんだから……多分。
何度も婚約破棄されている私と婚約した稀有な存在のセオドア。
「はじめまして、よろしくね、アビゲイル」
柔らかそうな癖のある金髪にすみれ色の瞳。
ふわっと儚げに笑うからちょっときゅんとしたわ。
やってないゲームって恐ろしい。
こりゃ、耐性ないから疑似恋愛しそう。
あぶね。
今さらだけど私の名前はアビゲイル。
なんでも、修道院のトップという意味があるらしい。
うん。……つまり修道院で確固たる地位を手に入れる運命なんじゃね?
R指定だし、これまでどおりすぐ出て来れるかわからないから、意地悪はあっさりめで様子を見る予定。
「……僕なんかの婚約者にされて、ごめんね」
きゅん。
やだ、可愛いこというのやめて。
「……そ、そんなこと、なくてよっ。わたくし、何度も婚約破棄されてるもの……」
私の手をそっと握る華奢な手が。
やべぇ。
こうゆうタイプ好きだったっけな?
前世でも恋愛経験皆無だし、これからもしないだろうからよくわからん。
「見る目のない人たちでよかった……これからよろしくね」
そのまま手の甲に口づけられて、真っ赤な顔で退場したよ……。
それからあまりに動悸がするもんでセオドアの元へは行かなかった。
代わりにヒロインがたびたび彼の元へ出向いているらしい。
仕方ない、ヒロインと顔合わせしてくるかな。
子爵家の執事や侍女が止めるのも聞かず、セオドアの部屋のドアを開けた。
中から楽しそうな声が聞こえたし、みんなの反応からヒロインが来てるはず。
「……ごきげんよう、セオドア様……あら、あなたは……? わたくしの婚約者と寝室にいるなんて……どういうつもりなの? なんて、なんてはしたない女なのかしら! かわいい顔してそうやって男をたらし込むのね‼︎ この女狐が! 彼に手を出さないで‼︎ さぁ、出て行きなさい‼︎」
「いえ、そんなつもりでは……」
儚げな美少女がオロオロして私とセオドアを交互に見て、涙を浮かべる。
この後はきっとセオドアがヒロインを庇うのかな、なんて思っていると。
「君、わざわざ持ってきてくれてありがとう。次からは従者に任せてくれていいからね。じゃあ、さようなら」
彼がベルを鳴らして執事を呼び、その場に残りたそうなヒロインはちらちらこちらを見ながら、去った。
「婚約者と二人だから呼ぶまで声をかけないように」
セオドアがテーブルを片付ける侍女に言った。
おかしいな。
ベッドから起き上がった彼が部屋の鍵をかけて私を抱きしめる。
思ったより背も高いし筋肉質だな、なんてぼんやり考えていて。
「アビゲイルが嫉妬してくれるなんて、すごく嬉しい。一目惚れだったから……ずっと来てくれなくて寂しかったよ」
あれ?
さっきの私ってただの嫉妬プレイしちゃっただけ⁉︎
恥ずかしくなって赤くなる私を強く抱きしめベッドに引き倒した。
「ね……? 僕のものになって。確実に結婚したい、逃さないから」
ナニコレ?
R指定ってこうゆうこと?
「大丈夫怖くないよ」
いや、めっちゃ、怖いんですけど‼︎
「……震えてる? 初めてなんだ、嬉しいな……これまでの婚約者とは何もなかったんだね。……アビーって呼んでも?」
怖っ。
首を横に振る私に、ぞっとするくらい綺麗な笑顔をむけた。
「うん、もっと仲良くなってからだよね。焦ってごめん。そしたら僕のことセオって呼んでもらうから」
口づけが落ちてくる。
「ぁっ……!」
ファーストキス。
それから、遠慮なく舌が差し込まれて口内を舐め回す。
口の中がこんなに敏感だなんて知らなかった。
「……とろんとして、かわいい。……気の強そうな女の子の中身がこんなに甘いだなんてね……」
「セオドア……」
「大丈夫、全部教えてあげるから」
「……身体、弱いんじゃないの……? こんなこと……」
「王家に目をつけられないように、病弱なふりをしているだけだよ」
そんな設定が!
「僕の秘密も知っちゃったし、さぁ。僕のものになって」
いいのかな、これ?
この後、私、捨てられちゃわない?
「……なに、そんなかわいいこというの。捨てるわけないよ、すごく気に入ってるから」
「…………」
「今、口に出したの気づいてないの? 普段はそんなふうに話すんだ? かっわいい。俺の前ではそのままでいて」
手際がいい。
私のドレス、どこいった。
「大丈夫、ここにいる間に用意させるから」
えと?
あの?
「そのまま何にもしなくていいよ」
身体中を舌が這い、ぼぅっとしてきてわけがわからない。
「かわいい……そのまま、力抜いていて」
な、に?
「せまいけど、濡れてるし、大丈夫そうかな」
足を大きく開かれて、硬いものが触れた。
「痛いのは最初だけ。ごめんね?」
ずんっと一気に貫かれて、焼きつくような痛みに、思わず叫んだ。
「痛い! 痛い! 痛い!」
「こら……そんなに騒いだら、うちの者が驚いてやってくるよ?」
だって、痛いものは痛い!
なんでこんなことになってるかわからないし!
「そう? 婚約者だし、もう成人してるんだから、学園に行かないでこのまま結婚しよう?」
あーなるほど?
言われてみれば、そう、か……。
「うん、じゃあ、もういいよね」
深い口づけで頭がぼんやりする。
あ、酸欠?
「ははっ……かわいい……教えがいあるね」
舌を絡ませるのと、脚の間でゆっくりとセオドアが腰を揺らす。
「んんっ……、ぁ、はぁっ。……セオ、ドアっ……」
「ん……?」
なんか、熱い……。
「じゃあ、もうちょっと動くね?」
「ぁあっ……! やっ、……っ!」
ずりゅ、ずりゅと浅いところを何度も擦られて身体が勝手にびくびくと震える。
「……ッ、イってる……? かわいい」
ずんっと奥を突かれて大きくのけぞった。
衝撃に声が出ない私を揺さぶり続け、私の中に熱いものを注ぐ。
「あー、……気持ちいいっ……、アビー、も一回イけるかな」
頭の中が真っ白で身体が伝えてくる信号がよくわからない。
脚の間がじんじんする。
「快楽に、弱い身体なのかな……? 他の人について行っちゃだめだよ?」
行かない!
もう、わけわかんないから!
「うん、じゃあ、セオって呼んで。それで、終わるから。あと早く結婚しよ?」
それで終わる?
「終わるから、頷いて呼んで」
うん。うん。うん。
何度も頷いてるけど‼︎
「セオ……もぉ、終わり」
「うん、わかった」
にっこり笑ってもう一度揺さぶられて、私の中に欲望を吐き出した。
「アビー、約束だよ」
それから私たちは学園をやめて結婚した。
遊ばなかった第五シーズンを降りたのは当然といえば当然なのかも?
こうして、とうとう修道院に入らないエンディングを迎えることができた!
終
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お読みいただきありがとうございました。
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