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えんちょうせん いち(クリスマス)
しおりを挟む「なんだこの木は?」
ワタシが部屋に持ち込んだ木にたくさんの飾りをくくりつけていたら、後ろから最愛の番に声をかけられた。
「アル、おかえりなさい~! これ? 気になる?」
「……あぁ」
リビングの半分くらい占める大木にちょっと驚いているみたい。
私も家に届けてもらってびっくりしたけど。
家具と一緒で外で見るとそんなに大きく感じなかったのにな。
でも、この木には夢がいっぱい詰まっている。
「あのね、これ異国のお祭りで、大切な人とゆっくり愛を確かめ合う日みたいなの。少し前に読んだ本に書いてあって、アルと楽しみたくて取り寄せてもらったの!」
本当は異国の神様の誕生祭らしいけど、木に飾りつけしてその下にプレゼントをたくさん用意して、当日の朝開けるんだって。
なんとかおじさんが持ってきたって、子どもたちに教えるらしい。
アルのためにいっぱいプレゼントを用意したいし、こういうのって準備が楽しい!
わくわくしちゃう。
アルにあげたいものはいっぱいある。
一緒に仕事をしていて、給料だと言ってお金もいっぱいもらっているけど、いつもアルが支払いするから、こういう時こそ最愛の番のために使いたい!
「……なるほど」
アル、本当は迷惑そうなのに受け入れてくれて優しい。
体の大きいアルには邪魔だよね。
アルが変身できたら木にぶら下がったり、ワタシも木の上で丸くなって眠ったり……それで降りれなくなってアルに助けてもらうの!
そんな物語の出会いシーンみたいな出来事が起こったら、もっともっと好きになっちゃう。
はぁ。アルってば想像の中でもカッコいい!
まぁ、このモミの木というのは鉢植えだしぶら下がるのは無理だろうけど。
「これも飾りつけるのか?」
アルが星形のモチーフを手にした。
「うん。それは、一番上に飾るの」
「よし。ほら」
ワタシにそれを渡した後、腰を掴み高く持ち上げてくれる。
ワタシは顔だけ振り返り、言った。
「アル、ありがとう~! 大好き」
モミの木は天井よりも高くて手前に先端がこんにちはって折れ曲がっているから、そこにきゅっと結びつけると、パッと振り向き飛びついた。
「ンほ!」
ワタシがそんなことをしてもアルってば動じなくて本当に男前。
広い肩幅も厚い胸板も、がっちり逞しい下半身も全部カッコいい。
こんなにすてきな旦那様を独り占めしちゃえるんだもん。
チュって唇を重ねた。
「ありがとう、アル」
そういうとがっしりとワタシの後頭部を支えて喉奥に舌が入り込んだ。
「んんぅっ……んむ、はぁ。すき」
深く深く唇を重ねて、ワタシ食べられてしまいそう。
ワタシのことすっっごく好きでいてくれるんだなぁって嬉しくなる。
「ちょっとしか、離れてねぇのにまた抱きたくなるなんてな……キャット、魔法でも使えるのか?」
離れていたのは三時間くらい?
ワタシは内緒で飾りつけを楽しんでいたけど、罠を仕掛けに行ったアルにとっては寂しかったのかな。
「魔法? 使えたらもうとっくに使ってる! アルがワタシを永遠に好きでいる魔法とか!」
「そんなもん、いらねえよ」
死ぬまでお前が好きだ。
「ワタシもー! 死んでも離れないからっ。アル、愛してる! 大好き! 今の言葉も一生忘れないっっ‼︎」
「クソ!」
ウホだって!
ときめきしか感じない‼︎
「アル、抱いて‼︎」
思いっきり体重をかけて、床に押し倒した。
期待した顔のアルの腰をまたいで上に乗る。
頭の上にはモミの木があって、なんだかいつもと違う。
「アル、ここにね……木の根元にね、お祭りの日までプレゼントを置くみたいなの。でも、今アルがワタシの一番のプレゼントだって思った! もちろん、この後アルへのプレゼント用意するからね!」
「……キャット、今スグ」
歯を食いしばって言うから、ワタシはアルの視線の先を見た。
ズボンの中がパンパンで、苦しそう。
「楽にするね」
腰を上げてズボンから陰茎を取り出す。
すでに先端が濡れていて、しゅこしゅこ擦った。
「そうじゃねぇ、今スグ、挿れたい」
「あっ、アルっ!」
腰を上げたワタシのスカートをまくり上げ、下着のクロッチを寄せて、陰茎を押し当てる。
「来いよ」
きゅん。
ここまでしておいて、挿れるのはワタシ?
「アル、好き。ワタシ、頑張るね」
ゆっくりと自重で受け入れる。
「アル、おっきいよぉ。お腹、いっぱいになっちゃう~」
「クソッ……我慢できねぇ!」
下から残りの全てをグッと突き挿れる。
「あっ、アル! 壊れちゃう!」
「壊さねぇ! 一生大事にするっ、クソ、なんて締めつけだ」
「ああんっ、アルがっ、早く出してくれればっ、いっぱい出して!」
今日もアルがウホウホ言うから興奮しちゃう!
「今日だって、もう二回も出してんだっ、ホラ、遠慮せずにイケよ」
そう言って腰を押さえつけぐりぐりと奥に押しつけた。
「やぁっ、それ、だめっ……」
「ずいぶん、早えな」
派手な動きじゃないのに、気持ち良くてたまらない。
「アルが、全部っ、悪いの!」
「……そうかよ。ホラッ」
ガツンと勢いよく突き上げられてワタシの頭は真っ白になった。
頭と背中を撫でてくれるアルに、きつく抱きつく。
それから、もう一度たっぷりキスして、心臓に耳を押し当てた。
ドクドク打つアルの心音を聴くのが好き。
幸せ。
「それで……これはいつまで置いておくんだ?」
「えーと二週間くらい? イヤ?」
「狭いだろ」
「でも、もしかしたら枝に洗濯物かけられるかも?」
はぁ、ってため息をついたアルが、庭に植えられるようにもっと大きな家に引っ越すかって呟いた。
やった! 嬉しい‼︎
どんな家に住みたいか考えておけって!
「アルと、たくさんの子を育てられる大きなお家がいい!」
* * * * *
お読みいただきありがとうございます。
えんちょうせんということで、のんびりになりますがこの先の話も書いていきたいと思います。
おつきあいくださると嬉しいです。
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