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星空とはしたないこと
しおりを挟む「ゃ、もう……しないで、でぃるぐさま……っ、そこ、ぃやあ……っ」
舌先で陰核を押し潰されて、メルティーナは足を跳ねさせた。
薄い靴下に包まれた足先がぴんと突っ張る。ちゅぷちゅぷと濡れた音が響き、陰核を押し上げるようにされるたびに、甘く激しい悦楽がびりびりと体を走り抜ける。
「あっ、くぅ、ん……っ、ひぅ、あ、ゃあ、だめ、だめです……っ」
小さな声で懇願を、うわごとのように繰り返す。
頭に靄がかかったように、思考がうまくまとまらない。
神経を直接撫でられているような激しい快楽がせりあがってくる。
気持ちいい。ディルグだからだろうか。
そんな場所、他の誰にも見せたくない。触られたくもない。
「ふ、あ、あ……っ」
「ティーナ、腰が揺れている。こんなに濡らして、可愛い」
「恥ずかしい……でぃるぐさま、あっ、あ……」
長い指が、メルティーナの秘所に触れる。
しとどに濡れた狭い場所に、太い指がするりと差し入れられる。
さして痛みもなく、蜜口はディルグの指を飲み込んだ。わずかな圧迫感がある。
指の第一関節までを飲み込んだメルティーナの膣壁は、その指を食むようにきゅうきゅうと伸縮を繰り返す。
「ん……ティーナ、狭くて、柔らかい」
「でぃるぐさま、ゆび、だめ……」
「ティーナは好きだろう、俺のことが。駄目か?」
甘えた声は、いつもよりも艶めいている。
ディルグの興奮を感じて、メルティーナの心は喜悦に満ちた。
求められているのが、嬉しい。このまま全てを、彼に捧げてしまいたい。
「好き、すきです、好き……っ」
「あぁ、俺も好きだ。ティーナ、もっと乱れて。可愛い姿を、俺に見せて」
膣壁の奥にある膜を軽く押し上げられて、確かめるように撫でられる。
そして、濡れた膣の浅いところを指で撫で、押し上げるようにずちゅずちゅと動いた。
同時に、ずっと舐られ続けたせいか、真っ赤に充血している小さな肉芽をじゅるじゅると吸われる。
「あ、あぁ……っ、でぃる、ぁ、あああっ、きもちい、の、やだぁ……っ」
「いくのか、ティーナ。見たい。見せて、君が達するところを」
「ぃ、く……? あっ、ん、ん、ぁあ……ぃく、でぃる、さま、いく、ゃあ、あ、あ……!」
膣壁の浅い場所を何度も擦られて、膨らんだ花芯を吸われると、頭が真っ白になるようだった。
細い腰を反らせて、メルティーナはか細い悲鳴をあげる。
しっとりと汗ばむほどに体が熱く、目の前にちかちかと星が散って、何が起こっているのかわからない。
ぷしゅっと、秘所から液体があふれ、ディルグの腕を濡らす。
ディルグはメルティーナの両足の間に顔を埋めて、その場所に蓋をするようにしてぱくりと口をつけて、はしたない音を立てながら液体を啜った。
「あ……あ……っ」
体を震わせながら、メルティーナは涙をこぼした。
なにか、とてもいけないことされていると感じる。
けれど、体が空に浮くようなおぼつかない快楽の中に未だ意識はたゆたっていて、思考がまとまらない。
ディルグの指先や、舌の熱さだけがメルティーナの全てになってしまったようだった。
「あぁ、もったいない。こぼしてしまった。……全部、食いたかったのに」
滲む視界の先に、夕闇を背にしたディルグの猛々しい姿が映る。
やや雑に口を腕でぬぐい、赤い舌が唇を舐めた。
耳はつんと尖り、長い尾が緩慢な動きでゆらゆらと揺れる。
メルティーナは指さえ動かすことができないまま、荒い呼吸を繰り返した。
「もっと……したい。潮までふいて、気持ちよくなってくれたんだな。嬉しい」
「ふく……? でぃるぐさま、わたし、いけないことを……」
「いけないことではないよ。俺がそうした。……可愛い。もっと食いたい。……だが」
ディルグは眉を寄せて、深く息を吐く。
メルティーナを抱き上げると、両手で包むようにして背後から抱きしめた。
「これ以上は、よくないな。……やりすぎた。すまなかった、ティーナ。怖かっただろう」
穏やかで優しい、いつものディルグに戻ったようだった。
慰るような抱きしめかたや、慰撫するようにメルティーナと手を繋ぐ、あたたかい手が。
先程のディルグとは、まるで、別人のようだ。
でも、どちらもディルグなのだろう。
情熱的に求めてくれるディルグも、優しさと気遣いにあふれたディルグも。
「怖くありません。ディルグ様ですから。私、怖いことはなにも」
「ありがとう、嬉しいよ」
「大好き、ですから……」
「ティーナ……好きだ。君が好きで、たまらなくて、時折不安になる。君を傷つけてしまうのではと」
夜の帳が下りてくる。夜空には、星が輝き出している。
(ディルグ様はこの景色を見ながら、私のことを考えてくださっていた。私は、あなたになにも返せていないのに)
メルティーナはディルグの手に、自分の手を重ねた。
「傷つけられたりしません。それに、ディルグ様になら、傷つけられてもかまいません」
傷つくことが、怖かった。
彼に心を預けて、打ち捨てられることが。
けれど今は、それでも構わない。ディルグに愛を伝えられるのなら。いつか、忘れられるとしても。
「ティーナ、俺は君を大切にしたい。愛しているんだ。本当に、君を」
「嬉しいです。……ディルグ様、星がとても、綺麗」
星に手を伸ばすメルティーナを、ディルグは夜空からも隠すように、腕の中に閉じ込めた。
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