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属国の姫は皇帝に虐められたい
理想的な調教
しおりを挟む狭い入り口に無理やり押し込まれるようにして、猛ったやや丸みを帯びて膨らんだ先端が突き入れられる。
私の趣味に付き合ってくださっているジークハルト様なのだけれど、きちんと興奮してくださっているようで安堵する。
やっぱりこういったことは、私一人が嬉しいだけではいけないと思うの。
夫婦なのだし、ジークハルト様にも気持ち良くなって頂きたい。
「……っ、ふ、ぁ……」
「ティア、随分締め付けているが――余程男が欲しかったのだろうな、淫乱な姫君だ」
嘲るような言葉に、びくびくと体が震える。
「じーくさま、やぁ、あ、あ……」
「淫乱と言われて喜んでいるのか? 浅ましいな」
深く低い艶のある声音が、私を貶める言葉を耳元で紡ぐ。
ジークハルト様の腕が私の下腹部を抱き込むように回っている。
もう片方の腕は、痛いぐらいに強く乳房を掴んでいる。
背中から私に覆いかぶさるようにしているジークハルト様の長く太い陰茎が、私の奥へとゆっくりとその存在を味あわせるかのように深くまで押し入ってくる。
私の中は形を変えて、受け入れるためにたっぷりと最奥に蜜をたたえている。
ぬるい泉にぬちゃりと先端が沈み込む。胎の奥にある壁に口づけるように熱い先端が触れる。ジークハルト様のそれも先走りの滑りけをおびていて、侵入はとても容易で、痛みもない。
酷く熱く、ただただ気持ち良かった。
「窓に、淫らな顔が映っているぞ、姫君。涎を垂らして、まるで犬のようだな。このような姿、国の者たちが知ったらどう思うだろうな」
「――っ、は、あ、あ……っ」
思わず、窓を見てしまった。
窓には涙と唾液に塗れて、うっとりと快楽を受け入れている雌の顔をした私と――私を赤々と燃えあがる炎のような欲望をともした瞳で熱心に見据えながら、嗜虐的な笑みを浮かべている、例えようもなく淫靡で美しいジークハルト様の姿が映っている。
高まり切っていた体の熱が、更にあがっていく。
「自分の姿を見てさえ、感じるのか。こうもすぐさま快楽に堕落するとは、張り合いのない」
下腹部を押さえつけるように手のひらで支えられる。
腰を曲げた状態で何とか窓に縋りついて立っている私の奥を、ジークハルト様の先端が揶揄うようにしてぐちゃりとかき回す。
円を描くように、舐めるようにして最奥を抉られて、あまりの気持ち良さにぼろぼろと涙が零れた。
「あ、あぁぁ……っ、あふ、……あっ、あっ、ごめ、なさい……、じーくさま、わたくし、……っ、いく、いきたいの……っ」
「あぁ、いけ、ティア。窓の外からお前を見ている監視の兵に、お前の淫らな姿を見せつけてやれ」
「ぇ、あ……っ、そん、な、ぃやああ……っ」
ずじゅ、じゅぶ、と水音をたてながら、残酷なほど激しく私の中をジークハルト様は犯しはじめる。
指よりもずっと質量の大きいものに体を割り開かれる快楽に背中を震わせながら、私は窓に縋りつくようにして体を押し付けた。
窓には引っ掛かりがなくて、体の力はすっかり抜けている。立っているので精一杯で、ともすればすぐに床に崩れ落ちてしまいそうになる。
窓の外から誰かが見ているという想像をするだけで、恥ずかしくて、悲しくて、頭が変になるぐらいに気持ち良い。
太腿を愛液が滴り落ち、出し入れが更に激しさを増した。
「あっ、あっ、いく、ぃくの……っ、わたくし、もう……っ」
ごちゅ、ごちゅと、最奥を強く穿たれる。
下腹部を抑えていた手のひらが、花陰の先端にある小さな芽をぷちゅぷちゅと押しつぶした。
掴まれていた胸の先端を、きゅ、と摘ままれ、指の腹でこりこり転がされると、がくがく腰が震える。
両足に緊張が走り、はくはくと息をつくことしかできない開きっぱなしの唇から、唾液が流れ落ちる。
「ひ、ぁあああ……っ」
頭の中が白く弾けて、全身が痙攣するような激しい絶頂を迎えた。
意識が濁り、力を失った体がずるりと、床に滑り落ちる。
倒れこむより前にジークハルト様は私を抱き上げた。
「ジークさまぁ……」
うっとりしながら、私はジークハルト様の硬い体に頬を摺り寄せる。
気持ち良くて、ジークハルト様が素敵で、私の我儘を聞いてくださるジークハルト様が愛しくて、頭がふわふわした。
眠気と心地よい疲労感に目を閉じていると、ベッドにやや乱暴に投げ捨てるようにされたので、私は吃驚してジークハルト様を見上げた。
終わりだと思っていたのだけれど、ジークハルト様は不機嫌そうな顔で私を見下ろしている。
私の顔の横に両手を置いて、私に覆いかぶさっているジークハルト様は、私の力の入らない足を強引に開くと再び昂ぶりを私の中へと突き入れた。
「あ、ひぁ、ぅう……っ」
「何を呆けている。終わりだとでも思ったのか?」
真正面から見るジークハルト様は、皮肉気に唇を歪めて言った。
なんて、淫らで、色っぽいのかしら。
この方には性欲とかあるのかしら、と思っていた昨日の私は、ジークハルト様に土下座をして謝らないといけないわ。
濃い色の皮膚にうっすらと汗が浮かんでいる。邪魔そうに黒い髪をかき上げる仕草が、揺れる耳飾りが、わずかに香る青臭い精液の香りと、清涼感のある清潔な香りが混じりあうのが、全部――たまらなく、良い。
「じーくさま、じーくさま、すき、すきです……っ」
呆けた頭の中がジークハルト様への愛しさでいっぱいになって、私はぼろぼろ泣いた。
「雌犬の分際で私に愛を囁くとは、な。快楽を与える男なら誰でも良い癖に。お前が好きなのは、男の肉棒だろう。淫婦が」
「ちが、……っ、ごめ、なさ……っ、じーくさま、ゃ、ああ」
苛立ったように、容赦なく腰を動かされる。
ばちゅ、と皮膚がぶつかり合う音がする。
激しすぎる快楽とときめく心と一抹の寂しさに、私は首を振った。
シーツを掴む指先にも力が入らず、ただ泣きじゃくることしかできない。
「きもち、い、じーくさま、ゃあ、あ、っ」
「ティア。口を開けろ」
「ん、……んぅうう……っ」
ぐい、と腕を引かれて、跳ねる体が逃げないように押さえつけられる。
唇が合わさり、喉の奥まで舌が押し入ってくる。
息苦しさに私はじたじたと暴れた。けれど、満足に動くこともできず、口の中を全て犯しつくすように舌で嬲られる。
優しく甘い口づけとは程遠い、呼吸さえ奪われるぐらいの深いそれに、脳髄が痺れるぐらいの快楽が暴虐に体を支配して、私は震えながら何度か達した。
収縮する膣壁が、ジークハルト様を無意識にしめつけて、私の中でジークハルト様が更に大きくなるのを感じる。
「んー……っ、ん、んん……っ」
ひときわ大きく深く、引き抜かれた陰茎が幾度か私を抉った。
絶頂を迎えて震える私の中へと、熱い液体がどろりと満ちる。
唇が離れ、ジークハルト様は私の体をきつく抱きしめた。
全て吐き出すように再び腰を打ち付けて私の最奥をぐりぐりと嬲っていたジークハルト様は、大きく息をつくと、そっと優しく私に口づけた。
「……大丈夫か、ティア」
返事をすることもままならない私は、くたりと体の力を抜いて、ただ呼吸を繰り返していた。
心も体も幸福で満たされている。
気遣うように、ゆっくり優しく髪を撫でてくれる指先はどこまでも優しい。
先程までの暴君のようなジークハルト様はすっかりどこかに消え去っている。
「ジーク様……、素敵……」
ぐったりとしている私をとても心配してくださっているのを感じて、私はなんとかそれだけを言った。
掠めるような口づけが、目尻や頬、唇に落ちる。
「良い子だ、ティア。ゆっくり、眠れ」
「ん……」
冷たくされたあとの、この優しさ。
どうしよう。
好き。
私は――なんて素敵な方と結婚することができたのかしら。
ティアは果報者です。お兄様にお手紙を書かなければ。
そんなことを考えながら、私の意識は深い眠りの中へと落ちていった。
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