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一人でお弁当を食べる。お茶を飲んで一息つく。お弁当といっても、作り置きのお惣菜一品とスライスしたパンにバタを塗っただけと、日本人の感覚のお弁当とは程遠い簡単なお弁当だ。
「あれ、珍しいね。」
マネージャーの中田さんに声をかけられる。
「お疲れ様です。」
「ここいい? 今日はいつもの食堂行かなかったの?」
他に空いている席がないので、向かいの席に中田さんが座る。コンビニのお弁当をテーブルに置く。時間きっかりにお昼に出ても、行って選んでレジに並んで購入して戻って来たらこんな時間になってしまうのだろう。オフィス街のコンビニは長蛇の列になる。だから朝来るときに買ってくる人も多い。エレベーターもなかなか来ない。
「行きましたけど、お弁当持って来ていましたから。」
「へえ、美味しそうだね。ラタトゥイユ?それ。」
「カポナータです。揚げナスとワインビネガーで甘酸っぱく仕上げてあるのが違いです。」
コンビニの鮭弁当を食べながら、興味深そうにカポナータを眺めてる。
「一口食べてみます? これは行きつけのお店の味で、やや酸味が強いんです。酸っぱいの平気ですか?」
「いいの? ありがとう。夏場は酸っぱいものよく食べるね、きゅうりとわかめの酢の物とか。」
思わず、聞いてみたら嬉しそうな笑顔を見せられた。男性と『一口ちょうだい』をするとは思わなかった。
ティッシュでスプーンをぬぐい、鮭弁当の蓋に揚げナス部分と他の野菜を少しのせてあげる。
「もしその味気に入ったら、お店に直接食べに行ってください。」
「ああ、確か恋人はシェフだっけ?」
残りのカポナータを口に放り込んだところだったので、返事の代わりにニコッと笑ってみせた。
彼は半年後のお店のリニューアルに合わせ戻ってくる。その時期はお母様が先月『あと半年くらい』と言われていた山を超えた後だ。残りの時間をどう過ごすか向き合い、覚悟を決める時間がある方がいいのか、でもそれは逆に悲しみと辛さをじわじわと味わい続けることになる。それならある日突然終わる方がいいのか、でもそうすると事前に悲しみも苦しみもない代わりになかなか現実感が湧かなく、とっくに乗り切れたと思っていたところで突然ホロリとくる。
自宅に戻り、お弁当箱に使った密封容器を洗い漂白剤を垂らしたタライに布巾と一緒に漬け込む。
明日のお昼は、ナスとトマトのグラタン。葫蘆の容器にレトルトのホワイトソースを敷き塩胡椒で軽く炒めた合挽き肉、スライスしアク抜きたナス、トマトスライス、挽肉、ホワイトソース、最後にチーズ。オーブンでじっくりと焼く。残った挽肉を生椎茸、レンコンで挟み焼き。粗熱が取れたら蓋をして冷蔵庫へしまうが、それまでの間に味見兼、つまみ食い。食べる気がしなくて夕飯はこれで終わり。
残ったホワイトソースはどうしよう。明後日スープとかにしようかな、封をして冷凍庫へしまう。
ぼんやり片付けを終え、韃靼蕎麦のお茶を淹れる。また思い出してしまい、ホロリとくる。
騒がしいテレビを点ける気にならなくて自宅のパソコンでFMラジオをかける。
FM局って、どうしてカタカナ部分だけやけに流暢な英語発音で喋るんだろう。音量を調整し、レシピのサイトで残り物のホワイトソースで作れるメニューをのんびりと探す。
無味乾燥な日々が続く。私はランチタイムに中村から逃げるため社内のリフレッシュスペースを使用したり、近くの公園に逃げたり小島さんと佐藤さんとはあまり一緒に過ごすことがなくなってしまった。それなのに、そんなにあからさまに避けているのにもめげずに中村くんは昼休み寄ってくる。ため息をついて小島さんと佐藤さんに引き渡し、リフレッシュスペースに戻る。席が空いてなくて、仕方なく自席に戻る。
「あれ、お昼もう終わった…わけないよね。」
中田さんが心配そうに声をかけてくれた。彼は相変わらずコンビニ弁当派だ。例の食堂でも買えるが、値段の割にボリュームがあり、その安さゆえにすぐ売り切れる。行ってみて売り切れてたら時間の無駄なので、初めからコンビニに足を伸ばす人も多い。
「鈴木さん、こっちおいで。」
パーテーションで仕切った打ち合わせスペースに手招きされる。食べ終えた後ちゃんと後片付けさえすれば打ち合わせスペースはランチに使用しても良い。ただ、一時、マナーのない社員により汚れたままにされ、それに気がつかず資料を汚す人が後を絶たず、許可制にしたらランチに使う人はいなくなった。つまり今まで使用していた人は、汚しても知らん顔してましたって言っているようなものだ。許可制といっても申請書を書いたりするわけでもなく口頭で良い。許可を出すのはマネージャクラスで、彼自身が許可するのでスマホからグループウェアの会議室使用予約を入れておくだけでいい。
執務スペースでは交代で電話番をしている仕事中の人がいるので、あまり大きな声でおしゃべりはできない。特にしゃべることもないので黙々とお昼をとる。中田さんと打ち合わせ室でお昼をとることが増えた。
「相変わらず美味しそうなお弁当だね。」
「残り物のくず野菜のスープにショートパスタ入れただけですよ?」
「そういうのできるのがいいよね。」
「なんなんですか、中田さん、あげませんよ。」
「褒めてるんだよ。」
「だから褒められても、何も出ませんよ。」
「そこまで賤しくないよ。」
「えーと、あれだ。カラーコーディネート、違うな、なんでしたっけ? 色のイメージ、意味。赤は美味しそうに見え、食欲をそそる色なんだそうです。」
「ああ、そういえば。昔ファストフード店のロゴとか店内装飾はみんな赤だった。今は緑がメインのカラーになっているファストフード店も赤だったんだよ。」
「へえ……」
「……」
「……」
それきり会話がない。黙々と食べるだけ。お弁当用の窪みも浅い小さなスプーンにトルテッリーニは一個ずつしか乗ってくれず、なかなか食べ終われない。くそう、こんなことならお弁当用とかじゃなくて、自宅で普段使いするカレーとか食べる大きいスプーンを持ってくればよかった。
「焦らずゆっくり食べてな。」
コンビニ弁当の入れ物や箸をささっとまとめ、出て行ってしまう。すぐにウェットティッシュのボトルをテーブルにドンっと置く。食べ終えたら掃除して出てこいってことなんだろう。と思ったのに、彼はそのまま椅子に座ってゆったりと窓の外を眺めている。たまに手元のアルミボトルのコーヒーを飲んでいたりする。
「…総務の子たちと何かあったの?」
「え?」
視線だけこちらに向けて、突然中田さんが話しかけた。
「いいえ?」
「…ならお昼、彼女たちと一緒にとらなくなったのは、一緒にくっついて行く人のせい?」
「そうです。見ていていわかりません?」
「いや、そうだろうとは思ってたけど。あまりにも当たり前に、何も感じてないようにあいつもくっついていくから……。総務の子のために外してるの?」
「ん~それも無くは無いですけど、私、あの人好きじゃ無いので。」
「……こりゃまた、あっさり暴露するね。」
電話が鳴り、お昼を終えて戻ってきた人たちのざわめきが聞こえ始めたので、会話はここで終わった。
「あれ、珍しいね。」
マネージャーの中田さんに声をかけられる。
「お疲れ様です。」
「ここいい? 今日はいつもの食堂行かなかったの?」
他に空いている席がないので、向かいの席に中田さんが座る。コンビニのお弁当をテーブルに置く。時間きっかりにお昼に出ても、行って選んでレジに並んで購入して戻って来たらこんな時間になってしまうのだろう。オフィス街のコンビニは長蛇の列になる。だから朝来るときに買ってくる人も多い。エレベーターもなかなか来ない。
「行きましたけど、お弁当持って来ていましたから。」
「へえ、美味しそうだね。ラタトゥイユ?それ。」
「カポナータです。揚げナスとワインビネガーで甘酸っぱく仕上げてあるのが違いです。」
コンビニの鮭弁当を食べながら、興味深そうにカポナータを眺めてる。
「一口食べてみます? これは行きつけのお店の味で、やや酸味が強いんです。酸っぱいの平気ですか?」
「いいの? ありがとう。夏場は酸っぱいものよく食べるね、きゅうりとわかめの酢の物とか。」
思わず、聞いてみたら嬉しそうな笑顔を見せられた。男性と『一口ちょうだい』をするとは思わなかった。
ティッシュでスプーンをぬぐい、鮭弁当の蓋に揚げナス部分と他の野菜を少しのせてあげる。
「もしその味気に入ったら、お店に直接食べに行ってください。」
「ああ、確か恋人はシェフだっけ?」
残りのカポナータを口に放り込んだところだったので、返事の代わりにニコッと笑ってみせた。
彼は半年後のお店のリニューアルに合わせ戻ってくる。その時期はお母様が先月『あと半年くらい』と言われていた山を超えた後だ。残りの時間をどう過ごすか向き合い、覚悟を決める時間がある方がいいのか、でもそれは逆に悲しみと辛さをじわじわと味わい続けることになる。それならある日突然終わる方がいいのか、でもそうすると事前に悲しみも苦しみもない代わりになかなか現実感が湧かなく、とっくに乗り切れたと思っていたところで突然ホロリとくる。
自宅に戻り、お弁当箱に使った密封容器を洗い漂白剤を垂らしたタライに布巾と一緒に漬け込む。
明日のお昼は、ナスとトマトのグラタン。葫蘆の容器にレトルトのホワイトソースを敷き塩胡椒で軽く炒めた合挽き肉、スライスしアク抜きたナス、トマトスライス、挽肉、ホワイトソース、最後にチーズ。オーブンでじっくりと焼く。残った挽肉を生椎茸、レンコンで挟み焼き。粗熱が取れたら蓋をして冷蔵庫へしまうが、それまでの間に味見兼、つまみ食い。食べる気がしなくて夕飯はこれで終わり。
残ったホワイトソースはどうしよう。明後日スープとかにしようかな、封をして冷凍庫へしまう。
ぼんやり片付けを終え、韃靼蕎麦のお茶を淹れる。また思い出してしまい、ホロリとくる。
騒がしいテレビを点ける気にならなくて自宅のパソコンでFMラジオをかける。
FM局って、どうしてカタカナ部分だけやけに流暢な英語発音で喋るんだろう。音量を調整し、レシピのサイトで残り物のホワイトソースで作れるメニューをのんびりと探す。
無味乾燥な日々が続く。私はランチタイムに中村から逃げるため社内のリフレッシュスペースを使用したり、近くの公園に逃げたり小島さんと佐藤さんとはあまり一緒に過ごすことがなくなってしまった。それなのに、そんなにあからさまに避けているのにもめげずに中村くんは昼休み寄ってくる。ため息をついて小島さんと佐藤さんに引き渡し、リフレッシュスペースに戻る。席が空いてなくて、仕方なく自席に戻る。
「あれ、お昼もう終わった…わけないよね。」
中田さんが心配そうに声をかけてくれた。彼は相変わらずコンビニ弁当派だ。例の食堂でも買えるが、値段の割にボリュームがあり、その安さゆえにすぐ売り切れる。行ってみて売り切れてたら時間の無駄なので、初めからコンビニに足を伸ばす人も多い。
「鈴木さん、こっちおいで。」
パーテーションで仕切った打ち合わせスペースに手招きされる。食べ終えた後ちゃんと後片付けさえすれば打ち合わせスペースはランチに使用しても良い。ただ、一時、マナーのない社員により汚れたままにされ、それに気がつかず資料を汚す人が後を絶たず、許可制にしたらランチに使う人はいなくなった。つまり今まで使用していた人は、汚しても知らん顔してましたって言っているようなものだ。許可制といっても申請書を書いたりするわけでもなく口頭で良い。許可を出すのはマネージャクラスで、彼自身が許可するのでスマホからグループウェアの会議室使用予約を入れておくだけでいい。
執務スペースでは交代で電話番をしている仕事中の人がいるので、あまり大きな声でおしゃべりはできない。特にしゃべることもないので黙々とお昼をとる。中田さんと打ち合わせ室でお昼をとることが増えた。
「相変わらず美味しそうなお弁当だね。」
「残り物のくず野菜のスープにショートパスタ入れただけですよ?」
「そういうのできるのがいいよね。」
「なんなんですか、中田さん、あげませんよ。」
「褒めてるんだよ。」
「だから褒められても、何も出ませんよ。」
「そこまで賤しくないよ。」
「えーと、あれだ。カラーコーディネート、違うな、なんでしたっけ? 色のイメージ、意味。赤は美味しそうに見え、食欲をそそる色なんだそうです。」
「ああ、そういえば。昔ファストフード店のロゴとか店内装飾はみんな赤だった。今は緑がメインのカラーになっているファストフード店も赤だったんだよ。」
「へえ……」
「……」
「……」
それきり会話がない。黙々と食べるだけ。お弁当用の窪みも浅い小さなスプーンにトルテッリーニは一個ずつしか乗ってくれず、なかなか食べ終われない。くそう、こんなことならお弁当用とかじゃなくて、自宅で普段使いするカレーとか食べる大きいスプーンを持ってくればよかった。
「焦らずゆっくり食べてな。」
コンビニ弁当の入れ物や箸をささっとまとめ、出て行ってしまう。すぐにウェットティッシュのボトルをテーブルにドンっと置く。食べ終えたら掃除して出てこいってことなんだろう。と思ったのに、彼はそのまま椅子に座ってゆったりと窓の外を眺めている。たまに手元のアルミボトルのコーヒーを飲んでいたりする。
「…総務の子たちと何かあったの?」
「え?」
視線だけこちらに向けて、突然中田さんが話しかけた。
「いいえ?」
「…ならお昼、彼女たちと一緒にとらなくなったのは、一緒にくっついて行く人のせい?」
「そうです。見ていていわかりません?」
「いや、そうだろうとは思ってたけど。あまりにも当たり前に、何も感じてないようにあいつもくっついていくから……。総務の子のために外してるの?」
「ん~それも無くは無いですけど、私、あの人好きじゃ無いので。」
「……こりゃまた、あっさり暴露するね。」
電話が鳴り、お昼を終えて戻ってきた人たちのざわめきが聞こえ始めたので、会話はここで終わった。
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