異世界コラボ

アズ

文字の大きさ
上 下
20 / 22
第3章 終焉

07 一人目、二人目

しおりを挟む
 エスクラヴの姫は溜め込んでいたものが破裂したような笑い声が部屋に響いた。それを不快に感じたランベルトはエスクラヴの姫を睨んだ。
「なにがそんなに嬉しい」
「だって、私がずっと願ってたことが本当に叶ったんだもの。死ね、死ね、死ね……そしたら本当に死んだ」
「その中にはエスクラヴも含まれるんだぞ」
「彼らは元から生きる希望を持ってなんかいない。抗うのをやめた時点で」
「これが、お前の臨んでいたことか?」
「あなたは何故この場所に戻ってきたわけ?」
「既に辺りは死人だらけだった。もし、お前が関与しているならと戻ったまでだ」
「私は関与なんかしてない!」
「だが、俺達はこうして無事じゃないか。この部屋の外は死人しかいない」
「無事って……この状況で? ここだって死人が襲ってくるよ。それより、ここの警備はどうしたのよ」
「ちょっとな」
「悪い人」と呆れ顔になった。
「早く出てってよ」
「そりゃ無理な相談だ」
 姫は舌打ちをした。
「第一、あなたも知っての通り囚われていた私がこんな大規模な呪いを放てるわけでもないし、監視の目を盗んで外部に計画を実行させるのも不可能。勿論、今回の計画者には感謝しているけど」
「全てが死んで終わり……まるで無理心中だな」
「……」
「エスクラヴの考えそうなことじゃないのか?」
「だから私は」
 ランベルトは一枚の書類を見せた。それを見た姫はハッとした。
「生き残りはお前だけじゃなかった。お前は知っていたんだろ? 知っていて黙っていた。拷問しても聞き出せないのはどういう計画か本当に知らないからだ。でも、お前はこれが誰の仕業か検討はついている」
「……なんのことか」
「その四人は魔法消失の状況を利用して計画の実行に移した。そんなところだろう。魔法消失の問題はこの世界か、我々人間の問題だろう。この事態は2つの問題が起きている」
「そうなのかもね、探偵さん」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

お爺様の贈り物

豆狸
ファンタジー
お爺様、素晴らしい贈り物を本当にありがとうございました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

魔法のせいだからって許せるわけがない

ユウユウ
ファンタジー
 私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。  すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

処理中です...