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エレベーター
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目が覚めると男は病室のベッドの横にいた。看護師が大丈夫か聞いてきた。看護師が言うには夜中に発熱をし、うなされていたという。朝食が配膳され、一緒に解熱剤を渡される。食欲がなかった男は薬だけ飲み、それを水で飲み干した。カロナールという薬を飲めば熱は暫くしたら下がっていくと思うと言われ、男は横になって大人しくした。原因は不明だが、これで入院が長引いた。夜中には40℃以上出ていたという。今も倦怠感と悪寒がする。それよりも、夜に見たアレはいったいなんだったのか……あれ程の鮮明な記憶、明らかに夢ではない。あれは実際に起きたことだ。この原因不明の発熱もそのせいだ。だが、ますます心霊現象がヒートアップしているところをみると、もし次があるとしたら、いよいよ本物を見るかもしれない。幽霊を。
だが、これ以上は頭が回らず考えられない。
俺は次第に眠りについた。薬が効いてきたからだろう。
喉の渇きを覚え目が覚めた時には時間は昼になっていた。看護師が現れ、検温されると、まだ熱があるそうだ。中々熱が下がらず、朝の内服から12時間後にまた解熱剤で一日かけて下げるしかないと言われた。季節外れの熱かもねと言われ看護師が立ち去ると、男は水をがぶ飲みした後、昼食は半分以上残して眠りについた。
気がついた時には男はエレベーターの中に立っていた。
「は……」
エレベーター内は明かりがあるが、その外は暗闇のままだった。ここが何階か表示も無く、ただ前回の続きだと男は気づいた。男は閉めるボタンを押したが、エレベーターはいっこうに閉まる気配がない。他の階数のボタンとか、色々押してみたが全く反応が無い。すると、エレベーターの天井からまた例のうめき声が聞こえてきた。
うぅ……うぅ……ううぅ……
エレベーターの照明がチカチカし始め、天井の中心部分から徐々に黒くなり始める。そして、その黒い部分が広がっていくと、その部分から青白い両腕が現れた。
うぅ……うぅ……
男にとって最悪だったとしても選択肢はなかった。エレベーターから降りてそこから逃げるように走ると、エレベーターから何かが落ちた音がした。男は想像したくなかったのについ、あの腕の主が落ちたと想像してしまった。だが、そいつが降りてくる前にエレベーターの扉は閉まりだした。
光がなくなり、完全に暗闇になった。
「はぁ……はぁ……ここは病院じゃないのか?」
辺りを見回しても、暗くて何も分からない。その時だった。自分の左肩が掴まれた。
気がついたら病室のベッドにいた。空はすっかりオレンジ色をしており、悪寒は更に酷くなっていた。まるで、どんどん最悪になっていき、自分はその度に死にそうになっていると気がついた。
このままじゃ本当に死ぬ……なんとかしなきゃ…… 。
ふらふらする体でとにかく方法をスマホで探しだした。
だが、これ以上は頭が回らず考えられない。
俺は次第に眠りについた。薬が効いてきたからだろう。
喉の渇きを覚え目が覚めた時には時間は昼になっていた。看護師が現れ、検温されると、まだ熱があるそうだ。中々熱が下がらず、朝の内服から12時間後にまた解熱剤で一日かけて下げるしかないと言われた。季節外れの熱かもねと言われ看護師が立ち去ると、男は水をがぶ飲みした後、昼食は半分以上残して眠りについた。
気がついた時には男はエレベーターの中に立っていた。
「は……」
エレベーター内は明かりがあるが、その外は暗闇のままだった。ここが何階か表示も無く、ただ前回の続きだと男は気づいた。男は閉めるボタンを押したが、エレベーターはいっこうに閉まる気配がない。他の階数のボタンとか、色々押してみたが全く反応が無い。すると、エレベーターの天井からまた例のうめき声が聞こえてきた。
うぅ……うぅ……ううぅ……
エレベーターの照明がチカチカし始め、天井の中心部分から徐々に黒くなり始める。そして、その黒い部分が広がっていくと、その部分から青白い両腕が現れた。
うぅ……うぅ……
男にとって最悪だったとしても選択肢はなかった。エレベーターから降りてそこから逃げるように走ると、エレベーターから何かが落ちた音がした。男は想像したくなかったのについ、あの腕の主が落ちたと想像してしまった。だが、そいつが降りてくる前にエレベーターの扉は閉まりだした。
光がなくなり、完全に暗闇になった。
「はぁ……はぁ……ここは病院じゃないのか?」
辺りを見回しても、暗くて何も分からない。その時だった。自分の左肩が掴まれた。
気がついたら病室のベッドにいた。空はすっかりオレンジ色をしており、悪寒は更に酷くなっていた。まるで、どんどん最悪になっていき、自分はその度に死にそうになっていると気がついた。
このままじゃ本当に死ぬ……なんとかしなきゃ…… 。
ふらふらする体でとにかく方法をスマホで探しだした。
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