利用されるだけの人生に、さよならを。

 公爵令嬢のアラーナは、婚約者である第一王子のエイベルと、実妹のアヴリルの不貞行為を目撃してしまう。けれど二人は悪びれるどころか、平然としている。どころか二人の仲は、アラーナの両親も承知していた。

 アラーナの努力は、全てアヴリルのためだった。それを理解してしまったアラーナは、糸が切れたように、頑張れなくなってしまう。でも、頑張れないアラーナに、居場所はない。

 アラーナは自害を決意し、実行する。だが、それを知った家族の反応は、残酷なものだった。


 ──しかし。

 運命の歯車は確実に、ゆっくりと、狂っていく。

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