13 / 18
10話
しおりを挟む
「え、婚約披露宴ですか?」
「昨日、グリン殿の父上、帝国の王と話あってそういうことになった」
翌日、お父様から呼ばれて部屋に行ってみると、婚約披露宴について言われた。
お父様は今回の婚約に反対していたので、正直驚いている。
「ですが、王国での件があるからと反対していませんでした?」
「いや、その件はもう大丈夫になった。詳しいことは今は言えないが、まぁ大丈夫だ」
昨日の話し合いで、どんな内容を話したのかは分からない。
けれど、何やらひと段落したのは確かのようだ。
「え、とういうことはお父様は......」
「あぁ。婚約を認めよう。これで、心からエミリーとグリン殿の婚約を喜ぶことか出来る。」
「お父様っ!」
私とグリンさまの婚約に対して、お父様が出していた課題は解決されたらしい。
私は、あまりの嬉しさから子供のようにお父様に抱き着いた。
「これこれ、これからは慎みを持たなければいけないぞ」
「ごめんなさいお父様......」
そう言いながらも、お父様はどこか寂しそうな嬉しそうな顔をしている。
「結婚するからには、親子の間であっても気をつけなければな」
そう言われて、私は落ち込んだ。
これまで通りに、お父様に甘えるのは難しくなる。
結婚するということは、嫁いで行くということだ。
慎みも持って、どこに出ても恥ずかしくないようにしなければならない。
そうしなければ、お父様にも迷惑がかかってしまう。
「まぁ、でも誰もいない部屋なら良いだろう」
「まぁ、お父様!」
私は、またお父様に抱きついた。
お父様の表情もどこか嬉しそうだ。
何だかんだ、寂しいのはお互い様だったみたい。
その後、お父様から聞いた内容をグリンさまに伝えた。
「エミリーさんも聞いていましたか!」
「と言うことは、グリンさまも?」
「ええ、先程父上から聞いたばかりです」
「私もちょうどさっき聞いたばかりですわ」
「これで私たちは婚約することが出来ますね」
「ええ、グリンさま」
そう言ったグリンさまの表情は、とても嬉しそうだった。
その顔を見て、私もより心から嬉しい気持ちとなった。
「婚約披露宴は、数月後になるらしいですよ」
「数月後ですか......」
グリンさまは、帝国の王さまから日程を聞いていたらしい。
そのことを私に伝えてくれた。
「衣装やその他のことは二人で決めて行きましょう!」
「はい、グリンさま!」
こうして私たち二人は、数月後に行われる婚約披露宴の準備を進めていくこととなった。
披露宴で着るドレスの作成から、部屋の装飾を決めていく。
それだけではなく、各国の要人たちに招待状も送ることになった。
もちろん、王国のランス王子とその婚約者のサラにも——。
「昨日、グリン殿の父上、帝国の王と話あってそういうことになった」
翌日、お父様から呼ばれて部屋に行ってみると、婚約披露宴について言われた。
お父様は今回の婚約に反対していたので、正直驚いている。
「ですが、王国での件があるからと反対していませんでした?」
「いや、その件はもう大丈夫になった。詳しいことは今は言えないが、まぁ大丈夫だ」
昨日の話し合いで、どんな内容を話したのかは分からない。
けれど、何やらひと段落したのは確かのようだ。
「え、とういうことはお父様は......」
「あぁ。婚約を認めよう。これで、心からエミリーとグリン殿の婚約を喜ぶことか出来る。」
「お父様っ!」
私とグリンさまの婚約に対して、お父様が出していた課題は解決されたらしい。
私は、あまりの嬉しさから子供のようにお父様に抱き着いた。
「これこれ、これからは慎みを持たなければいけないぞ」
「ごめんなさいお父様......」
そう言いながらも、お父様はどこか寂しそうな嬉しそうな顔をしている。
「結婚するからには、親子の間であっても気をつけなければな」
そう言われて、私は落ち込んだ。
これまで通りに、お父様に甘えるのは難しくなる。
結婚するということは、嫁いで行くということだ。
慎みも持って、どこに出ても恥ずかしくないようにしなければならない。
そうしなければ、お父様にも迷惑がかかってしまう。
「まぁ、でも誰もいない部屋なら良いだろう」
「まぁ、お父様!」
私は、またお父様に抱きついた。
お父様の表情もどこか嬉しそうだ。
何だかんだ、寂しいのはお互い様だったみたい。
その後、お父様から聞いた内容をグリンさまに伝えた。
「エミリーさんも聞いていましたか!」
「と言うことは、グリンさまも?」
「ええ、先程父上から聞いたばかりです」
「私もちょうどさっき聞いたばかりですわ」
「これで私たちは婚約することが出来ますね」
「ええ、グリンさま」
そう言ったグリンさまの表情は、とても嬉しそうだった。
その顔を見て、私もより心から嬉しい気持ちとなった。
「婚約披露宴は、数月後になるらしいですよ」
「数月後ですか......」
グリンさまは、帝国の王さまから日程を聞いていたらしい。
そのことを私に伝えてくれた。
「衣装やその他のことは二人で決めて行きましょう!」
「はい、グリンさま!」
こうして私たち二人は、数月後に行われる婚約披露宴の準備を進めていくこととなった。
披露宴で着るドレスの作成から、部屋の装飾を決めていく。
それだけではなく、各国の要人たちに招待状も送ることになった。
もちろん、王国のランス王子とその婚約者のサラにも——。
4
お気に入りに追加
996
あなたにおすすめの小説
断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。
転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
少し先の未来が見える侯爵令嬢〜婚約破棄されたはずなのに、いつの間にか王太子様に溺愛されてしまいました。
ウマノホネ
恋愛
侯爵令嬢ユリア・ローレンツは、まさに婚約破棄されようとしていた。しかし、彼女はすでにわかっていた。自分がこれから婚約破棄を宣告されることを。
なぜなら、彼女は少し先の未来をみることができるから。
妹が仕掛けた冤罪により皆から嫌われ、婚約破棄されてしまったユリア。
しかし、全てを諦めて無気力になっていた彼女は、王国一の美青年レオンハルト王太子の命を助けることによって、運命が激変してしまう。
この話は、災難続きでちょっと人生を諦めていた彼女が、一つの出来事をきっかけで、クールだったはずの王太子にいつの間にか溺愛されてしまうというお話です。
*小説家になろう様からの転載です。
婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。
松ノ木るな
恋愛
純真無垢な心の侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気と見なして疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。
伴侶と寄り添う心穏やかな人生を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。
あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。
どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。
たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
悪役令嬢に仕立て上げたいのならば、悪役令嬢になってあげましょう。ただし。
三谷朱花
恋愛
私、クリスティアーヌは、ゼビア王国の皇太子の婚約者だ。だけど、学院の卒業を祝うべきパーティーで、婚約者であるファビアンに悪事を突き付けられることになった。その横にはおびえた様子でファビアンに縋り付き私を見る男爵令嬢ノエリアがいる。うつむきわなわな震える私は、顔を二人に向けた。悪役令嬢になるために。
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉。節約令嬢、書籍化進行中
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
【完結】君の世界に僕はいない…
春野オカリナ
恋愛
アウトゥーラは、「永遠の楽園」と呼ばれる修道院で、ある薬を飲んだ。
それを飲むと心の苦しみから解き放たれると言われる秘薬──。
薬の名は……。
『忘却の滴』
一週間後、目覚めたアウトゥーラにはある変化が現れた。
それは、自分を苦しめた人物の存在を全て消し去っていたのだ。
父親、継母、異母妹そして婚約者の存在さえも……。
彼女の目には彼らが映らない。声も聞こえない。存在さえもきれいさっぱりと忘れられていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる