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本編
31話 公爵からの報せ
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森の小屋。
私とレオン王子殿下は、小屋にあるイスに座りゆっくりと過ごしていた。
そこに、セバスチャンがやって来てお茶を持って来た。
「レオン様、シルヴィア様。お茶のご用意が出来ました」
「いただこう」
「いただきますわ、セバスチャン」
どこからカップや茶葉を用意したのかは、追求してはいけません。
セバスチャンのことですから、何とかなったのでしょう。
「美味しいですわ」
「シルヴィア様のお口にあって、良かったです。この茶葉は、領内では良くつくられている茶葉だとお聞きしました」
「そうなのかセバス」
「ええ」
私とレオン王子殿下は、お茶を飲みながらのんびりと過ごしている。
今日は、特にやることもないので、こうして二人でゆったりと過ごす予定だ。
コンコンコン
「おや、誰かいらっしゃったようですね」
「そのようだな」
この小屋にいる人物であれば、扉を叩くことはない。
セバスチャンは、来客が来たので扉へと近付いた。
「急の訪問、失礼するよ」
セバスチャンが扉を開けると、小屋へと一人の男性が入って来る。
背丈が高く、茶髪。
私は、その人物の顔を見てあわててイスから立ち上がった。
「アルバート伯父様っ!」
「やぁシルヴィア。こうして直接会うのは久しぶりだね。......それにレオン王子殿下もお久しぶりです」
「確か......リスター卿だったか?」
「ええ。アルバート・リスターでございます」
アルバート・リスター。
クライトン王国のリスター侯爵家の現当主であり、シルヴィアの母ナタリーの兄。
現在シルヴィアたちがいる、この森の領地を持つ人物でもある。
アルバート叔父様は、私のことを見ると表情を崩しながら微笑んだ。
対してレオン王子殿下を見る目は、どこか冷たい気がします。気のせいでしょうか。
◇
森にある小屋。
「リスター卿。よろしければお茶をどうぞ」
「すまない、いただこう」
アルバート叔父様は、セバスチャンが持って来たイスへと座っている。
お茶を受け取ると、目の前へと置いた。
「アルバート伯父様、いろいろと迷惑をかけてしまって申し訳ありませんわ」
「ははは。いいんだよシルヴィア。こんなものは、迷惑の内には入らないのだからね」
私は、これまで世話になってしまったことの謝罪をするが、アルバート伯父様は笑顔のまま言う。
「こほん......それで、リスター卿。今日はどんな要件で来たのだ? わざわざ来たのだから、よっぽとのことがあったのではないか?」
「何、久しぶりにシルヴィアの顔を見たくなってね」
伯父様は、冗談っぽくそう言った。
そしてお茶を一飲みしてから、言葉を続ける。
「王国での動きが変わった」
伯父様は、先ほどとは打って変わって真剣な表情になった。
◇
王都の王宮。
王宮前には、大勢の民衆が押し寄せていた。
「どういうことだ! アーヴァイン卿」
国王のデイブは、王都へと逃げて来ていたアーヴァイン公爵に文句を言う。
「そ、それが陛下。我が領内で反乱の動きがありまして......」
「そんなもの見せしめとして、首謀者の首をはねてしまえばいいだけだろうが。全く、面倒ごとを押し付けてくれたな」
デイブは、ため息をつきながらあきれたように言う。
「それがですね......我が軍も反乱に参加してしまっていてですね」
アーヴァイン公爵は、申し訳なさそうに言う。
「で、あれをどうするつもりだ」
王宮まで押し寄せている民衆は、数を増し続けていた。
今にも王宮へと押し入って来ようとしていて、門番との攻防を繰り広げていた。
「出来れば陛下に助けてもらいたいのですが」
「仕方ないな......」
デイブは、あきれた表情のまま言葉を続ける。
「おい、誰かいないのか」
扉の外に向かって話すも、返事はない。
「おいっ! この私を無視するとは、なんたることか!」
デイブが大きな声で怒鳴ると、扉が開いた。
「父上! 大変だ」
「ケヴィン、お前も窓の外を見たのか」
王太子のケヴィンは、婚約者のセレナを連れながら部屋へと入って来た。
「そうじゃない父上! この屋敷の中に、人がいないんだ」
「何?」
「メイドも執事も、兵士すら誰一人もいないんだ」
「一体、何が起きているんだ」
デイブが窓の外をのぞくと、王宮から逃げ出している人たちが目に入る。
それは、王宮で働いてきたメイドや執事たちである。
「なっ! どういうことだ!」
「父上、地下通路から逃げてはどうですか?」
「兵士もいないのでは、無理であろう」
王宮の外には、辺りを埋めつくさんとばかりと民衆がいる。
どうやっても逃げる事は不可能であった。
◇
森の屋敷。
「アーヴァイン公爵領での動きが、王都まで広がりつつあると?」
「ああ、アーヴァイン卿が逃げたことがきっかけとなり、それが王都まで広がったことは確かだ」
「そんな! 領民たちは無事なのですか!」
「あぁ、シルヴィア。領民たちに怪我はないから、安心してくれ」
領内での動きは、とても大きいものになってしまったみたいです。
「リスター卿、それを俺に伝えて何がしたいのだ?」
伯父様は、少しだけ考える様子を見せてから言った。
「レオン王子殿下、王都へ戻ってはくれないか?」
伯父様が話した内容は、予想外のものでした——。
私とレオン王子殿下は、小屋にあるイスに座りゆっくりと過ごしていた。
そこに、セバスチャンがやって来てお茶を持って来た。
「レオン様、シルヴィア様。お茶のご用意が出来ました」
「いただこう」
「いただきますわ、セバスチャン」
どこからカップや茶葉を用意したのかは、追求してはいけません。
セバスチャンのことですから、何とかなったのでしょう。
「美味しいですわ」
「シルヴィア様のお口にあって、良かったです。この茶葉は、領内では良くつくられている茶葉だとお聞きしました」
「そうなのかセバス」
「ええ」
私とレオン王子殿下は、お茶を飲みながらのんびりと過ごしている。
今日は、特にやることもないので、こうして二人でゆったりと過ごす予定だ。
コンコンコン
「おや、誰かいらっしゃったようですね」
「そのようだな」
この小屋にいる人物であれば、扉を叩くことはない。
セバスチャンは、来客が来たので扉へと近付いた。
「急の訪問、失礼するよ」
セバスチャンが扉を開けると、小屋へと一人の男性が入って来る。
背丈が高く、茶髪。
私は、その人物の顔を見てあわててイスから立ち上がった。
「アルバート伯父様っ!」
「やぁシルヴィア。こうして直接会うのは久しぶりだね。......それにレオン王子殿下もお久しぶりです」
「確か......リスター卿だったか?」
「ええ。アルバート・リスターでございます」
アルバート・リスター。
クライトン王国のリスター侯爵家の現当主であり、シルヴィアの母ナタリーの兄。
現在シルヴィアたちがいる、この森の領地を持つ人物でもある。
アルバート叔父様は、私のことを見ると表情を崩しながら微笑んだ。
対してレオン王子殿下を見る目は、どこか冷たい気がします。気のせいでしょうか。
◇
森にある小屋。
「リスター卿。よろしければお茶をどうぞ」
「すまない、いただこう」
アルバート叔父様は、セバスチャンが持って来たイスへと座っている。
お茶を受け取ると、目の前へと置いた。
「アルバート伯父様、いろいろと迷惑をかけてしまって申し訳ありませんわ」
「ははは。いいんだよシルヴィア。こんなものは、迷惑の内には入らないのだからね」
私は、これまで世話になってしまったことの謝罪をするが、アルバート伯父様は笑顔のまま言う。
「こほん......それで、リスター卿。今日はどんな要件で来たのだ? わざわざ来たのだから、よっぽとのことがあったのではないか?」
「何、久しぶりにシルヴィアの顔を見たくなってね」
伯父様は、冗談っぽくそう言った。
そしてお茶を一飲みしてから、言葉を続ける。
「王国での動きが変わった」
伯父様は、先ほどとは打って変わって真剣な表情になった。
◇
王都の王宮。
王宮前には、大勢の民衆が押し寄せていた。
「どういうことだ! アーヴァイン卿」
国王のデイブは、王都へと逃げて来ていたアーヴァイン公爵に文句を言う。
「そ、それが陛下。我が領内で反乱の動きがありまして......」
「そんなもの見せしめとして、首謀者の首をはねてしまえばいいだけだろうが。全く、面倒ごとを押し付けてくれたな」
デイブは、ため息をつきながらあきれたように言う。
「それがですね......我が軍も反乱に参加してしまっていてですね」
アーヴァイン公爵は、申し訳なさそうに言う。
「で、あれをどうするつもりだ」
王宮まで押し寄せている民衆は、数を増し続けていた。
今にも王宮へと押し入って来ようとしていて、門番との攻防を繰り広げていた。
「出来れば陛下に助けてもらいたいのですが」
「仕方ないな......」
デイブは、あきれた表情のまま言葉を続ける。
「おい、誰かいないのか」
扉の外に向かって話すも、返事はない。
「おいっ! この私を無視するとは、なんたることか!」
デイブが大きな声で怒鳴ると、扉が開いた。
「父上! 大変だ」
「ケヴィン、お前も窓の外を見たのか」
王太子のケヴィンは、婚約者のセレナを連れながら部屋へと入って来た。
「そうじゃない父上! この屋敷の中に、人がいないんだ」
「何?」
「メイドも執事も、兵士すら誰一人もいないんだ」
「一体、何が起きているんだ」
デイブが窓の外をのぞくと、王宮から逃げ出している人たちが目に入る。
それは、王宮で働いてきたメイドや執事たちである。
「なっ! どういうことだ!」
「父上、地下通路から逃げてはどうですか?」
「兵士もいないのでは、無理であろう」
王宮の外には、辺りを埋めつくさんとばかりと民衆がいる。
どうやっても逃げる事は不可能であった。
◇
森の屋敷。
「アーヴァイン公爵領での動きが、王都まで広がりつつあると?」
「ああ、アーヴァイン卿が逃げたことがきっかけとなり、それが王都まで広がったことは確かだ」
「そんな! 領民たちは無事なのですか!」
「あぁ、シルヴィア。領民たちに怪我はないから、安心してくれ」
領内での動きは、とても大きいものになってしまったみたいです。
「リスター卿、それを俺に伝えて何がしたいのだ?」
伯父様は、少しだけ考える様子を見せてから言った。
「レオン王子殿下、王都へ戻ってはくれないか?」
伯父様が話した内容は、予想外のものでした——。
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