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仕事終わりは一杯やりたい
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デュフォー公爵家の屋敷は王都の貴族街の中でも王城に近い位置にでーんと構えられている。
デュフォー家の馬車で戻ると、執事のドイルや侍女達が出迎えに出ていた。
「カフェはいかがでしたか?」
迎えの挨拶に合わせ執事がロレーヌに問いかける。
「珍しいケーキがあったのよ!次のお茶会で自慢しなくちゃ」
「••作用でございますか。それはようございました」
少し間があったのが気になるが、そこもスルー。
侍女達にどんなケーキだったか、はしゃいだ様子で話しながら去って行く背中を見送る。
私の存在はもう忘れてるね。うん。よし帰ろう。
「アニス様、いかがなさいますか?」
ドイルは、私が前公爵の孫娘で現公爵の姪にあたるため、いつも丁寧な対応をしてくれる。
そして、3歳年上の従姉妹のロレーヌにもっと幼い頃より都合よく扱われている私の状況を理解し、私の意見を聞いてくれる人なのだ。
「ありがとう。今日は帰ります。伯父様、伯母様には領地に帰る前にもう一度ご挨拶に伺うと伝えて」
「承知いたしました」
再度馬車に乗り込むと、伯爵家のタウンハウスへと向かう。
ロレーヌが、私をだしにして我儘を通すのはいつもの事で、その度に王都に呼ばれるのも慣れたが、今日で最後かと思うと感慨深いものがある。
デュフォー家の狙いは、間もなく貴族学院に入学するロレーヌにとり巻きの扱い方を私を使って予行演習させたかったのだろう。
まあ、こちらもロレーヌの我儘に付き合って、田舎の伯爵家ではなかなか出来ない事を付き添いがてら経験させてもらったので、まあトントンというところだろう。
それも彼女の学院入学と共に終了する。
長いお勤めご苦労さーん。一杯やりたい気分で、私は1人の馬車の中で思いっきり伸びをした。
デュフォー家の馬車で戻ると、執事のドイルや侍女達が出迎えに出ていた。
「カフェはいかがでしたか?」
迎えの挨拶に合わせ執事がロレーヌに問いかける。
「珍しいケーキがあったのよ!次のお茶会で自慢しなくちゃ」
「••作用でございますか。それはようございました」
少し間があったのが気になるが、そこもスルー。
侍女達にどんなケーキだったか、はしゃいだ様子で話しながら去って行く背中を見送る。
私の存在はもう忘れてるね。うん。よし帰ろう。
「アニス様、いかがなさいますか?」
ドイルは、私が前公爵の孫娘で現公爵の姪にあたるため、いつも丁寧な対応をしてくれる。
そして、3歳年上の従姉妹のロレーヌにもっと幼い頃より都合よく扱われている私の状況を理解し、私の意見を聞いてくれる人なのだ。
「ありがとう。今日は帰ります。伯父様、伯母様には領地に帰る前にもう一度ご挨拶に伺うと伝えて」
「承知いたしました」
再度馬車に乗り込むと、伯爵家のタウンハウスへと向かう。
ロレーヌが、私をだしにして我儘を通すのはいつもの事で、その度に王都に呼ばれるのも慣れたが、今日で最後かと思うと感慨深いものがある。
デュフォー家の狙いは、間もなく貴族学院に入学するロレーヌにとり巻きの扱い方を私を使って予行演習させたかったのだろう。
まあ、こちらもロレーヌの我儘に付き合って、田舎の伯爵家ではなかなか出来ない事を付き添いがてら経験させてもらったので、まあトントンというところだろう。
それも彼女の学院入学と共に終了する。
長いお勤めご苦労さーん。一杯やりたい気分で、私は1人の馬車の中で思いっきり伸びをした。
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