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第2章 ハルシュライン編
第57話 ハルシュライン王国との会談
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アリスはメイドたちに笑われながら着替えをしていた。
この後に、ハルシュライン王国との会談が迫っているのにあろうことが婚約者同士で盛り上がりキスマークだらけになったと思われているのだ。
「アリス様、そのまま行為に及び孕んでいただければ我が国も安泰なのですが」
サラはアリスのお腹をさすりながらアリスの目を見て笑う。
(このメイドたち、確実にバカにしていますね。ここは反撃をしましょうか)
「そうですか。サラたちメイドは毎日、男性にご奉仕しているのですね。誰これかまわずに股を開く経験豊富な淫乱さんなんですね」
この言葉にメイドたちは顔を赤らめ目を泳がせるのだった。
彼女達には男性経験すらなく、すべて噂や人聞き程度の知識なのだ。
アリスを笑っていたにも関わらず自分たちには男性との恋愛経験すらない。
「サラはどのように男性を喜ばせているのですか?」
「うっ……それは……手で」
「手でどのように奉仕するのですか?」
「うぅ、すいません未経験です」
サラは顔を沸騰しそうなほど赤らめてアリスに頭を下げるのだった。
メイドたちをからかうアリスは、興が乗ってきたのか笑顔でメイドたちに止めを刺す。
「自分たちは恋愛経験すらないのに私を嘲笑したのです。罰として甘味を今後は与えません」
この言葉にサラを含めたメイドたちが絶望をする。
彼女たちにとってアリスの“ネットショップ”によって得られる甘味は人生の支えなのだ。
それを取り上げられてしまって生きてはいけない。
そのため、メイドたちはアリスに跪きすり寄るのだ。
「どうですか反省しましたか。今回は許してあげます」
「「「「「寛大なお心遣いありがとうございます」」」」」
メイドたちは跪き頭を垂れるのだった。
彼女たちにとっては、それほどアリスの甘味に依存してしまったのだ。
それはもう狂信的に――
アリスとレイ、ウィルは現在、王城の応接室で会談をしていた。
「それで、女王陛下はどのようにお考えでしょうか」
アルストロメリア王国第三王子であるリーベルトは女王に今回のこの行き違いについて問う。
今回、アルストロメリア王国のヴァンフォール公爵家長男のレイナルドとハルシュライン王国の第一王女エレオノーラの婚約が仕組まれたことであり、これを解消するべきかをリーベルトは問うているのだ。
これに対する返答次第ではアルストロメリア王国とハルシュライン王国との戦争の可能性すらあるのだ。
「今回は互いの国の者が手を合わせ仕組んだこと、婚約は取り消しとしてリーベルト様とエレオノーラとの婚約に修正する予定です」
「そうですか。それはよかったです。エレナ、これで君と一緒になれる」
「はい、リーベルト様。死ぬまで添い遂げましょう」
リーベルトとエレオノーラは抱き合いながら情熱的な口づけをする
(あの二人、こんなところでディープキスとは良い度胸していますね)
「しかし、バルメロア公爵の襲撃の件はどうなさるおつもりですか」
ウィルは鋭い視線で女王を問い詰める。
女王は涼しい顔をしながら紅茶を飲み、口を開く。
「それに関しては公爵家一同死刑の上、関係者も死刑になります。あなた達への賠償は我が国の第二王子エリシアをそちらの国に差し出すことと、100憶Gの賠償金をお支払いいたします。ねぇ、それでいいわよね。あなた」
「うむ、それで良い。私からも謝罪をする。我が国の公爵がアルストロメリア王国の方々に迷惑をかけたことを申し訳なく思う」
王は尊大に謝罪をする。
これは、他国の者に王としての格を見せつけるための演技である。
それに王としての威厳は顔を腫らしている時点でない。
激怒したエレオノーラにやられた傷を治してもすぐに、娘に殴られ続けた結果、治さなければ殴られないという考えに至ったのだ。
「そうですか。次期女王としてそれでいいですかアリス」
ウィルはアリスを見つめて問いかける。
「ええ、いいですよ。今回はこれで決着です」
「あなたは優しいのですね。アリス様。エリシアをよろしくお願いいたします」
「任せてください」
「ふぅ、正式な会談はここまでですね。アリスさん、ドレスを着ているのにキスマークを堂々とつけて会談に来るとはなかなかの度胸ですね、アルストロメリア王国の次期女王は性欲が強いのですね。これなら次代も安泰でしょう」
「これは……違うのです。いろいろあっただけで――」
「いえバカにしたのではありません。実はうちの国もなかなか絶望的な状況でして。王家の男性の証である黒髪に紅い眼をしたものは第一王子と第二王子、第三王子のみなのですが、第一王子は男性しか愛せないため将来が期待できなく、第二王子はついこないだまで女性化の呪いにかかっていて、第三王子は女装趣味で男性しか愛せません。そのため、本来ならばエリシアを残したかったのですが、エリシアも実は男性しか愛せなかったのですが、なぜかアリスさんだけは特別でして、愛し合うことができたわけです。子供ができて成人した際には我が国の王にしたいのですがどうでしょうか」
「シア……本当なの」
「アリス、実は私は男性しか愛せない星の下で産まれたのです。しかし、アリスは特別です。アリスになら滅茶苦茶にされていいと思っています」
アリスはこの言葉に絶句するのだった。
シアが男性しか愛せないというのは初耳であった。
「だから、初めての時に最初以降は受け身だったのですか」
「アリスは責めるのが上手いし、女王様気質な所もあると思いますよ」
「こんなところで何を言っているのですかぁあああ!!!」
アリスのビンタによりシアは吹き飛ぶ。
これを見たシアの家族は顔を赤らめ視線を逸らすのだった。
この後に、ハルシュライン王国との会談が迫っているのにあろうことが婚約者同士で盛り上がりキスマークだらけになったと思われているのだ。
「アリス様、そのまま行為に及び孕んでいただければ我が国も安泰なのですが」
サラはアリスのお腹をさすりながらアリスの目を見て笑う。
(このメイドたち、確実にバカにしていますね。ここは反撃をしましょうか)
「そうですか。サラたちメイドは毎日、男性にご奉仕しているのですね。誰これかまわずに股を開く経験豊富な淫乱さんなんですね」
この言葉にメイドたちは顔を赤らめ目を泳がせるのだった。
彼女達には男性経験すらなく、すべて噂や人聞き程度の知識なのだ。
アリスを笑っていたにも関わらず自分たちには男性との恋愛経験すらない。
「サラはどのように男性を喜ばせているのですか?」
「うっ……それは……手で」
「手でどのように奉仕するのですか?」
「うぅ、すいません未経験です」
サラは顔を沸騰しそうなほど赤らめてアリスに頭を下げるのだった。
メイドたちをからかうアリスは、興が乗ってきたのか笑顔でメイドたちに止めを刺す。
「自分たちは恋愛経験すらないのに私を嘲笑したのです。罰として甘味を今後は与えません」
この言葉にサラを含めたメイドたちが絶望をする。
彼女たちにとってアリスの“ネットショップ”によって得られる甘味は人生の支えなのだ。
それを取り上げられてしまって生きてはいけない。
そのため、メイドたちはアリスに跪きすり寄るのだ。
「どうですか反省しましたか。今回は許してあげます」
「「「「「寛大なお心遣いありがとうございます」」」」」
メイドたちは跪き頭を垂れるのだった。
彼女たちにとっては、それほどアリスの甘味に依存してしまったのだ。
それはもう狂信的に――
アリスとレイ、ウィルは現在、王城の応接室で会談をしていた。
「それで、女王陛下はどのようにお考えでしょうか」
アルストロメリア王国第三王子であるリーベルトは女王に今回のこの行き違いについて問う。
今回、アルストロメリア王国のヴァンフォール公爵家長男のレイナルドとハルシュライン王国の第一王女エレオノーラの婚約が仕組まれたことであり、これを解消するべきかをリーベルトは問うているのだ。
これに対する返答次第ではアルストロメリア王国とハルシュライン王国との戦争の可能性すらあるのだ。
「今回は互いの国の者が手を合わせ仕組んだこと、婚約は取り消しとしてリーベルト様とエレオノーラとの婚約に修正する予定です」
「そうですか。それはよかったです。エレナ、これで君と一緒になれる」
「はい、リーベルト様。死ぬまで添い遂げましょう」
リーベルトとエレオノーラは抱き合いながら情熱的な口づけをする
(あの二人、こんなところでディープキスとは良い度胸していますね)
「しかし、バルメロア公爵の襲撃の件はどうなさるおつもりですか」
ウィルは鋭い視線で女王を問い詰める。
女王は涼しい顔をしながら紅茶を飲み、口を開く。
「それに関しては公爵家一同死刑の上、関係者も死刑になります。あなた達への賠償は我が国の第二王子エリシアをそちらの国に差し出すことと、100憶Gの賠償金をお支払いいたします。ねぇ、それでいいわよね。あなた」
「うむ、それで良い。私からも謝罪をする。我が国の公爵がアルストロメリア王国の方々に迷惑をかけたことを申し訳なく思う」
王は尊大に謝罪をする。
これは、他国の者に王としての格を見せつけるための演技である。
それに王としての威厳は顔を腫らしている時点でない。
激怒したエレオノーラにやられた傷を治してもすぐに、娘に殴られ続けた結果、治さなければ殴られないという考えに至ったのだ。
「そうですか。次期女王としてそれでいいですかアリス」
ウィルはアリスを見つめて問いかける。
「ええ、いいですよ。今回はこれで決着です」
「あなたは優しいのですね。アリス様。エリシアをよろしくお願いいたします」
「任せてください」
「ふぅ、正式な会談はここまでですね。アリスさん、ドレスを着ているのにキスマークを堂々とつけて会談に来るとはなかなかの度胸ですね、アルストロメリア王国の次期女王は性欲が強いのですね。これなら次代も安泰でしょう」
「これは……違うのです。いろいろあっただけで――」
「いえバカにしたのではありません。実はうちの国もなかなか絶望的な状況でして。王家の男性の証である黒髪に紅い眼をしたものは第一王子と第二王子、第三王子のみなのですが、第一王子は男性しか愛せないため将来が期待できなく、第二王子はついこないだまで女性化の呪いにかかっていて、第三王子は女装趣味で男性しか愛せません。そのため、本来ならばエリシアを残したかったのですが、エリシアも実は男性しか愛せなかったのですが、なぜかアリスさんだけは特別でして、愛し合うことができたわけです。子供ができて成人した際には我が国の王にしたいのですがどうでしょうか」
「シア……本当なの」
「アリス、実は私は男性しか愛せない星の下で産まれたのです。しかし、アリスは特別です。アリスになら滅茶苦茶にされていいと思っています」
アリスはこの言葉に絶句するのだった。
シアが男性しか愛せないというのは初耳であった。
「だから、初めての時に最初以降は受け身だったのですか」
「アリスは責めるのが上手いし、女王様気質な所もあると思いますよ」
「こんなところで何を言っているのですかぁあああ!!!」
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