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第2章 ハルシュライン編
第49話 エリシアの思い
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アリスは現在、エリシアと共に鉄道でハルシュライン王国の王都へと向かっている。
ウィルも心配なので騎士たちにより列車に運び込まれて別室で寝ている。
アリスは第二王子エリシアと共に列車の特別室にいる。
これは国の重要人物同士が親交を結び国同士の繋がりを深めるためである。
「エリシアさん、先ほどから私をチラチラと見ていますがどうしましたか?」
アリスのこの言葉にエリシアは顔を赤く染め上げうつむく。
アリスはシアの恥ずかしがる姿を見て可愛いと思ってしまった。
「あのアリスさん、私たちは仲良くなるために呼び方を変えませんか」
エリシアはアリスの目を見つめながら必死な顔で、名前の呼び方を変えようと提案する。
「ならどう呼べばいいですかね」
「では私のことはシアと呼び捨てで呼んでください」
「では私のことはアリスと呼び捨てにしてください」
「アリス――」
「どうしましたかシア?」
「いえ、ただ名前を呼びたかっただけです」
(あれ、この流れはまさか……この後の展開が予想できるのですが?)
「それでアリスにはお願いがあるのです」
シアはアリスの手を握ると目を見つめながら覚悟を決める。
その覚悟を決めた表情にアリスは激しく心臓が脈打つのを感じ、生唾をゴクリと飲み込み覚悟を決めて見つめ返す。
「アリス、あなたのことが好きです。あなたを初めて見たときから運命を感じていました。愛人でもなんでも構いません。どうか付き合っていただけないでしょうか?」
「気持ちはありがたいのですが、私は次期女王であるので婚約者以外を作る気はありません。シアとは仲良くなれる気はしますが、恋愛感情はないです」
この言葉を聞きシアは涙を流しながら崩れ落ちる。
これにはアリスも申し訳なくなり、つい頭を撫でてしまう。
「アリス……どうか……試しに婚約しませんか」
アリスはシアが泣きながら抱き着いてきたのを引きはがそうとする。
しかし、ここでスキル“ラブコメ”が余計な仕事をする。
引き離そうとした際にもつれ合って倒れてしまう。
スキルの謎効果により二人の唇は重なり合ってしまう。
アリスが慌てて引き離そうとするが、シアはアリスの頭を掴むと唇を再度奪ってしまう。
シアはアリスを求めるように舌を入れて愛し合おうとする。
アリスは口を閉じてなんとか抵抗するがシアはアリスの唇を舌で舐めて刺激する。
「二人ともすごい音がしてけどないかあったのかしら――」
運が悪いことにハンナが部屋に入ってくる。
これには口づけしたまま固まる二人だった。
「それで、事情はわかったわ。それで二人にはいくつか選択肢があるわね。一つはアリスが襲われたとして両国で戦争をすること、二つ目はエリシアとの浮気として世間に公表され性に淫らであると知られること、三つ目はこの場で婚約すること。どれがいいかしら?」
(あのすいません。その選択肢は一択なんですが?)
「申し訳ありませんアリス。私が勢いであんなことをしたばかりに――」
「いえ、私のスキルの効果でもあるのでお互い様です」
そこでシアはアリスを真剣な表情で見つめる。
アリスもシアの意図を汲み取り見つめ返す。
「アリス、もう一度聞きます。私と婚約してください」
シアはアリスの手を握り心の底からの告白をする。
アリスも手を握り返して口を開く。
「はい、お受けします」
シアはアリスの唇にそっと唇を重ね、互いの気持ちを確かめるように愛し合うのだった。
ハンナがその様子を苦笑いで見つめながら――
ウィルも心配なので騎士たちにより列車に運び込まれて別室で寝ている。
アリスは第二王子エリシアと共に列車の特別室にいる。
これは国の重要人物同士が親交を結び国同士の繋がりを深めるためである。
「エリシアさん、先ほどから私をチラチラと見ていますがどうしましたか?」
アリスのこの言葉にエリシアは顔を赤く染め上げうつむく。
アリスはシアの恥ずかしがる姿を見て可愛いと思ってしまった。
「あのアリスさん、私たちは仲良くなるために呼び方を変えませんか」
エリシアはアリスの目を見つめながら必死な顔で、名前の呼び方を変えようと提案する。
「ならどう呼べばいいですかね」
「では私のことはシアと呼び捨てで呼んでください」
「では私のことはアリスと呼び捨てにしてください」
「アリス――」
「どうしましたかシア?」
「いえ、ただ名前を呼びたかっただけです」
(あれ、この流れはまさか……この後の展開が予想できるのですが?)
「それでアリスにはお願いがあるのです」
シアはアリスの手を握ると目を見つめながら覚悟を決める。
その覚悟を決めた表情にアリスは激しく心臓が脈打つのを感じ、生唾をゴクリと飲み込み覚悟を決めて見つめ返す。
「アリス、あなたのことが好きです。あなたを初めて見たときから運命を感じていました。愛人でもなんでも構いません。どうか付き合っていただけないでしょうか?」
「気持ちはありがたいのですが、私は次期女王であるので婚約者以外を作る気はありません。シアとは仲良くなれる気はしますが、恋愛感情はないです」
この言葉を聞きシアは涙を流しながら崩れ落ちる。
これにはアリスも申し訳なくなり、つい頭を撫でてしまう。
「アリス……どうか……試しに婚約しませんか」
アリスはシアが泣きながら抱き着いてきたのを引きはがそうとする。
しかし、ここでスキル“ラブコメ”が余計な仕事をする。
引き離そうとした際にもつれ合って倒れてしまう。
スキルの謎効果により二人の唇は重なり合ってしまう。
アリスが慌てて引き離そうとするが、シアはアリスの頭を掴むと唇を再度奪ってしまう。
シアはアリスを求めるように舌を入れて愛し合おうとする。
アリスは口を閉じてなんとか抵抗するがシアはアリスの唇を舌で舐めて刺激する。
「二人ともすごい音がしてけどないかあったのかしら――」
運が悪いことにハンナが部屋に入ってくる。
これには口づけしたまま固まる二人だった。
「それで、事情はわかったわ。それで二人にはいくつか選択肢があるわね。一つはアリスが襲われたとして両国で戦争をすること、二つ目はエリシアとの浮気として世間に公表され性に淫らであると知られること、三つ目はこの場で婚約すること。どれがいいかしら?」
(あのすいません。その選択肢は一択なんですが?)
「申し訳ありませんアリス。私が勢いであんなことをしたばかりに――」
「いえ、私のスキルの効果でもあるのでお互い様です」
そこでシアはアリスを真剣な表情で見つめる。
アリスもシアの意図を汲み取り見つめ返す。
「アリス、もう一度聞きます。私と婚約してください」
シアはアリスの手を握り心の底からの告白をする。
アリスも手を握り返して口を開く。
「はい、お受けします」
シアはアリスの唇にそっと唇を重ね、互いの気持ちを確かめるように愛し合うのだった。
ハンナがその様子を苦笑いで見つめながら――
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