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第1章 アルストロメリア編
第2話 俺様系はいりません
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異世界に16歳の身体で転生させられたのは不幸か幸いか。
明らかに性的に狙われる理由はこの身体だ。これは不幸だ。
しかし、赤ん坊の姿でオークの前に転生していたら死んでいたから、その点は幸いだろう。
(誰か、助けてください。まだ初めてなんです。オークに奪われていいものじゃないんです)
そう願いながら街道を走っていると前方に停車する馬車を見つる。
(ここはオークを押し付けて逃げましょうか。ただ、それをやると人間さんのほうが生き残った時がとても恐ろしいことになりそうなので止めておきます。)
「逃げてぇえええええ!!!」
(とりあえず警告は出しておきましょう。これで、注意喚起はしたと言い訳ができるでしょうか?)
彼女は逃げながら腹黒いことを考える。
注意したところで押し付けたことには変わりないのだ。
「大丈夫だ。こっちに逃げてこい。俺たちが後は殺る」
(槍を持った騎士風のおじ様が、なんと私を助けてくれるそうじゃないですか。これはついています。よかったオークに(性的に)食べられなくて。)
彼女が馬車にたどり着くと、追いかけてきたオークは騎士の槍で串刺しになった。
(よかったです。一件落着です)
ですが、一難去ってまた一難。
このオークを押し付けた形になった馬車。
(家紋がありますね。明らかに貴族の馬車ですね)
どうしたものかと考えていると馬車の扉から黒髪のイケメンが出てくる。
(あぁ、すごくよさそうな服をお召しになっていますね。この人が貴族ぽいです)
彼女は全力疾走で逃げようとする。
「おい、そこの女、こっちに来て顔を見せろ」
そのイケメンは彼女に指を指し、自分の下に来るよう命令する。
(はい、見つかりました。終わりです。捕まります。犯罪者になるかもしれません)
彼女がいろいろとくだらないことを考えていると、イケメンが彼女へとにじり寄ってくる。
彼女も後退して距離を取る。
しかし、彼女の背後にはもう一台の馬車があり、これ以上下がれない。
背中を馬車に押し当て、逃げられないところまで追いつめられる彼女。
「お前、名前はなんていう?答えろ命令だ」
(はい、この貴族様は俺様系のイケメンでした)
ここは、正直に答えるしかないと身構える。
(前世の名前……いや、神様がステータスに刻んだ名前がありました)
「アリス。ただのアリスです。」
(俺様系イケメンは私の顎を掴みます。女性のことをなんだと思っているのでしょうか)
彼はアリスの顔を見て、呆けたような顔をする。
「美しい…俺の女に相応しい。お前、俺の女になれ」
そういうと、背後の壁に手のひらを叩きつけるイケメン。
(これは、壁ドンってやつでしょうか。これは、夢見る乙女用なので、私には聞きません。なにせ、私は独り身で生きていきたいのですから。だから、男なんて不要です。ですから、フラグをへし折らせていただきます。ただ、ちょっと期待している私もいます。ですが、ここは毅然とした態度で行きましょう)
「嫌です。お断りします。自分がどこ誰なのかも、名前も言えない人はお断りです。」
アリスはキッパリとイケメンのお誘いを断る。
これでフラグは折れたはずと確信するアリス。
(さてっと、帰りましょうか。ですから、イケメンさん両手で私の逃げ道をなくさないでください。覆いかぶさらないでください。)
「俺はアルフレート・アルストロメリア。この国の第一王子だ。」
彼は傲慢な態度で、そうアリスに名乗る。
(はい、終わりました。第一王子なんていう、最高の権力相手では逃げられるわけありません。逆らって、指名手配とか騎士や冒険者なんかに追いかけ回されるのは無理です。なので、大人しくしたがって、正式な場で丁寧に断りましょう。断れるよね?)
こうしてアリスは連行されることが決定するのであった。
明らかに性的に狙われる理由はこの身体だ。これは不幸だ。
しかし、赤ん坊の姿でオークの前に転生していたら死んでいたから、その点は幸いだろう。
(誰か、助けてください。まだ初めてなんです。オークに奪われていいものじゃないんです)
そう願いながら街道を走っていると前方に停車する馬車を見つる。
(ここはオークを押し付けて逃げましょうか。ただ、それをやると人間さんのほうが生き残った時がとても恐ろしいことになりそうなので止めておきます。)
「逃げてぇえええええ!!!」
(とりあえず警告は出しておきましょう。これで、注意喚起はしたと言い訳ができるでしょうか?)
彼女は逃げながら腹黒いことを考える。
注意したところで押し付けたことには変わりないのだ。
「大丈夫だ。こっちに逃げてこい。俺たちが後は殺る」
(槍を持った騎士風のおじ様が、なんと私を助けてくれるそうじゃないですか。これはついています。よかったオークに(性的に)食べられなくて。)
彼女が馬車にたどり着くと、追いかけてきたオークは騎士の槍で串刺しになった。
(よかったです。一件落着です)
ですが、一難去ってまた一難。
このオークを押し付けた形になった馬車。
(家紋がありますね。明らかに貴族の馬車ですね)
どうしたものかと考えていると馬車の扉から黒髪のイケメンが出てくる。
(あぁ、すごくよさそうな服をお召しになっていますね。この人が貴族ぽいです)
彼女は全力疾走で逃げようとする。
「おい、そこの女、こっちに来て顔を見せろ」
そのイケメンは彼女に指を指し、自分の下に来るよう命令する。
(はい、見つかりました。終わりです。捕まります。犯罪者になるかもしれません)
彼女がいろいろとくだらないことを考えていると、イケメンが彼女へとにじり寄ってくる。
彼女も後退して距離を取る。
しかし、彼女の背後にはもう一台の馬車があり、これ以上下がれない。
背中を馬車に押し当て、逃げられないところまで追いつめられる彼女。
「お前、名前はなんていう?答えろ命令だ」
(はい、この貴族様は俺様系のイケメンでした)
ここは、正直に答えるしかないと身構える。
(前世の名前……いや、神様がステータスに刻んだ名前がありました)
「アリス。ただのアリスです。」
(俺様系イケメンは私の顎を掴みます。女性のことをなんだと思っているのでしょうか)
彼はアリスの顔を見て、呆けたような顔をする。
「美しい…俺の女に相応しい。お前、俺の女になれ」
そういうと、背後の壁に手のひらを叩きつけるイケメン。
(これは、壁ドンってやつでしょうか。これは、夢見る乙女用なので、私には聞きません。なにせ、私は独り身で生きていきたいのですから。だから、男なんて不要です。ですから、フラグをへし折らせていただきます。ただ、ちょっと期待している私もいます。ですが、ここは毅然とした態度で行きましょう)
「嫌です。お断りします。自分がどこ誰なのかも、名前も言えない人はお断りです。」
アリスはキッパリとイケメンのお誘いを断る。
これでフラグは折れたはずと確信するアリス。
(さてっと、帰りましょうか。ですから、イケメンさん両手で私の逃げ道をなくさないでください。覆いかぶさらないでください。)
「俺はアルフレート・アルストロメリア。この国の第一王子だ。」
彼は傲慢な態度で、そうアリスに名乗る。
(はい、終わりました。第一王子なんていう、最高の権力相手では逃げられるわけありません。逆らって、指名手配とか騎士や冒険者なんかに追いかけ回されるのは無理です。なので、大人しくしたがって、正式な場で丁寧に断りましょう。断れるよね?)
こうしてアリスは連行されることが決定するのであった。
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