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21. 奪われた記憶 (フォレックス視点)
しおりを挟む「はぁ……お前はまだそんな事を」
リーツェのその言葉に公爵が頭を抱えた。
「? どうしてお父様は、そんな顔ばかりなさるの?」
変なお父様ね。
そう言いながら首を傾げるリーツェの姿は元気そうで何も変わっていないのに。
倒れる前のリーツェとは明らかに違う事が伝わって来て胸が痛む。
それでも俺は無理やり笑顔を作ってリーツェに言う。
「……スチュアートは忙しくて来れないんだ。だから俺が代わりに様子を見に来た」
「そうでしたか。わざわざありがとうございます、フォレックス様」
「……うん」
リーツェはそう言って笑顔を見せてくれたけど、やっぱりここ最近見せてくれていた笑顔とはどこか違う。
(どんなリーツェも好きだって断言出来るけど……やっぱりこれはキツイな)
一度ならず二度までも。どうしてこんな事になった?
「もう身体も元気なのですけど、お父様が心配して外に出してくれないんです」
「そう……リーツェは倒れた時の事を覚えているの?」
「え? 実はうろ覚えで……」
そう言ってリーツェは顔を顰める。
「ですが、ミリアンヌさんと揉めた事は覚えています」
「そっか……」
「だって、スチュアート様にあそこまで馴れ馴れしく近付くなんてやっぱり許せないですから」
やっぱり話はスチュアートの事になるらしい。
そこでふと思う。
今のこのリーツェは、スチュアートと婚約破棄した事は覚えているんだろうか?
そう思って公爵をちらりと見ると、公爵は無言で首を横に振った。
(そこの記憶は抜けているのか)
どうやら、今回は部分的に記憶があちこち抜け落ちていそうだ。
まぁ、せっかく芽生えた俺への気持ちは、またスチュアートに書き換えられたようではあるが。
つまり、今のリーツェの中では、まだ自分はスチュアートの婚約者のまま。
公爵がリーツェを外に出さないのはこれが理由なのかもしれない。
(だが、いつまでも隠しておける事ではない……)
身体が元気になったのなら屋敷に閉じ込めておくのにも限界がある。
だが、どうしてだ?
どうして、再びリーツェの記憶は奪われた?
せっかく俺の事が好きだと想いを向けてくれたのに。
俺と生きて幸せになりたいとまで口にしてくれたのに!
あの場で嘘をつく必要なんて無いのだから、あれは確実にあの時のリーツェの本音だったはずだ。
前と同じ。手に入ったと思ったと同時に俺の手をすり抜けていく。
──畜生!
そんな言葉が口から出そうになる。
「フォレックス様? どうかしましたか?」
「え、いや……何でもない」
よほど険しい顔をしていたのか、リーツェが心配そうな目で俺を見る。
「そうですか? それなら良いのですが……」
(リーツェ……そんな顔をしないでくれ)
俺は堪らなくなって思わずリーツェの腕を引き寄せギュッと抱きしめた。
「フォ、フォレックス様!?」
「……」
リーツェの戸惑う声が聞こえる。
そりゃ、そんな反応になるよな……と俺は乾いた笑いを浮かべる。
「と、突然、何を? な、な、なんて事をしてるのです!?」
「……」
「あ、あのですね? わ、わ、私にはスチュアート様という人が……!」
「……」
頼むから思い出してくれよ、リーツェ。
リーツェが本当に好きなのはスチュアートじゃない! 俺だ!
だけど、無理やり記憶の蓋をこじ開けようとすれば、リーツェはまたあの頭痛に襲われるかもしれない。
そう思うと無理強いも出来ない。
「フォ、フォレックス様? 聞いてます?? ねぇ!」
戸惑うリーツェに申し訳ないと思いながらも俺はもう一度だけ強く抱きしめた。
「申し訳ございません」
「ミゼット公爵……」
帰り際、ミゼット公爵が俺に頭を下げた。
「目を覚ましたリーツェは、真っ先にスチュアート殿下の名を呼びました」
「……」
「おかしいな、と思い話をしてみると……これはまた記憶がおかしくなっていると分かりました」
「スチュアートとの婚約破棄の事も忘れていたな」
「はい……さすがにそろそろ説明しないといけませんが」
「そうだな」
今のリーツェはスチュアートとの婚約がなくなっていると知ったらどんな反応をするんだろう?
(泣くのかな……リーツェの泣く所は見たくないんだけどな……)
だが、残念ながら今の俺がリーツェに出来ることは無い。
だから、まずは俺に出来る事をしよう。
あの女の処分とかすべき事はたくさんある。
人を惑わす香水も鑑識に成分解析を頼んであるので、その報告ももうすぐあがる頃だ。
逃げ出す時にあの香りを使ったからか、気分がおかしくなると証言する者も現れている。
(証拠さえ揃えばあの女の処分は簡単だ)
そういう意味では前の人生の方がなかなかしっぽを出さずに印象としては手強かったと言える。当時は香水の事も知らなかったせいで苦労した。
「あとはスチュアートか……」
今のスチュアートは婚約者……元婚約者になるが……を蔑ろにして平民の女に誑かされたバカな王子扱いとなってはいるが……
(どこまでが香水のせいでどこまでが元々のあいつなのかがよく分からない)
ミリアンヌとあの香水から引き離した事で少しは目が覚めていると良いんだが。
「では今日はこれで失礼する」
「はい。今日はありがとうございました」
公爵とそう挨拶を交わして帰ろうとする俺に後ろから声がかかった。
「フォ、フォレックス様!」
その声は愛しのリーツェ。
「どうした?」
「い、いえ……あの、今日はわざわざお見舞いに来て下さりありがとうございました」
リーツェが笑顔でそう言う。
わざわざお礼を言うために見送りに降りて来たらしい。
「リーツェ……」
再び抱きしめたい衝動にかられるがここは我慢だと自分に言い聞かす。
「気にしないでくれ、元気そうで良かったよ」
「!」
俺はそれだけ言って微笑みながらリーツェの頭を撫でた。
長丁場にはなるが、リーツェの事はまた一から口説いていくしかない。
だって俺は……もう諦めたくない。
それに、今のリーツェに婚約者はいない。
この間までとは違ってリーツェに迫っても誰からも咎められることは無い。
リーツェの記憶は再び奪われたが、リーツェの死の未来は確実に変わっている。
それだけは断言出来るから。
***
王宮に戻る馬車の中で再び考えた。
どうしてまたリーツェの記憶が奪われたのか。
(前回と今回……共通している事は何だ?)
高熱と頭痛……倒れる前の症状は違う。
では、何だ? 倒れる前には何があった?
──私も、フォレックス様の事が大好き!
──そうよ! 私はフォレックス様の事が好きなの! だからあなたなんかに負けない!
「……!」
ふと思い浮かんだが、そんなはずは無いと打ち消す。
だが、確実にこれは前回と今回に共通している事ではある。
「リーツェが、俺を好きだと言ったから……なのか?」
リーツェが俺への好意を口にした。
もしくは、リーツェの気持ちを俺が知った。
どちらが引き金となったのかは分からない……が。
それによりリーツェの記憶は奪われ、リーツェの好きな人は俺からスチュアートへと書き換えられた……?
──リーツェの好きな人はスチュアートでなくてはならない。
まるで、見えない何かがそう言っているかのように。
──フォレックス様、この世界は私に優しいんですよ!
──私が幸せになる為の世界なんです。
──ですから、私の幸せの為にこの世界はちゃーんと軌道修正してくれるんですよ!
「……あの女が言っていたのは、こういう事か?」
ただの血迷い事では無かったのか?
「だが、しかし……それだと……」
俺の考察は王宮に着くまで続けられた。
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