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魔物使いレフ
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餃子パーティーから数日が経ち、ヤーナの様子が気になって図書館に向かうと、ノヴァーク兄弟と楽しそうに話している姿が見えた。
ヤーナは相変わらず左右両方から囁かれて頬を染めていたけど、その顔は幸せそうだった。
ヘンリエッテとヤーナを見ていて、私は確信した。
第二部のヒロイン達は、それぞれの相手を愛しているんだろう。特定の相手がいないからと、間に合わせで宛てがわれる私とは違う。
「こんな所に呼び出して、何の用だ?」
私はレフを騎士団の鍛錬場裏に呼び出した。別に告白するためでも決闘するためでもない。
「実は、レフ様に教えていただきたい事があるんです」
「こんな所でか?」
「ここは静かですし、日当たりもいいですし、非常階段の手すりは腰掛けるのに丁度いい感じなんです」
「そうか?」
不審気なレフに、私は紙袋を押し付けた。
「まずはマドレーヌをどうぞ。焼き上がったばかりで今が一番の食べ頃ですよ。マドレーヌには色々なレシピがありますが、私はすりおろしたレモンの皮とはちみつは外せないと思うんです。しっとりと風味の良いマドレーヌになりますからね。アーモンドプードルを入れてもしっとりと仕上りますが、それならもういっそ焦がしバターを作ってフィナンシェにした方がいいかなと思ってしまうので入れない派です」
ゴツい見た目に反してレフは甘い物好きだ。聖女のスキルと紙袋から漂うバターの香りに、大人しくその場に留まってくれた。
「レフ様は魔物使いなんですよね」
「ああ」
非常階段の手すりに並んで座り、もぐもぐと貝型のマドレーヌを頬張る。我ながら会心の出来栄えだ。お店に出しても恥ずかしくない。
「私、魔物使いがどう言うものなのか知らなくて、教えていただけませんか?」
「ふうん」
私の質問を受け、レフは舐め回すように私を見てから、顔を耳元に寄せた。
「教えて欲しいなら、教えてやろうか」
掠れた感じのバリトンボイスが私の脳天を揺さぶる。
「あんたの身体を使って」
レフの顔を見ると、壮絶な色気を放つ笑顔を私に向けていた。目が、離せなかった。
『ローパーの触手はそんなに気持ちいいか。ガクガクと腰を振って、さっきから何回イッたんだ?乳首もこんなに硬くして、いやらしい聖女サマだな。ああ、そんな物欲しそうな顔をするなよ。今俺のをぶっかけてやるから』
よし、表情筋が死んだ。エロシーンを思い出して無我の境地に達した。
私が無言でマドレーヌを差し出すと、レフは一口で口に放り込み話しだした。
「魔法使いが魔力を自然現象に変えて使うように、魔物使いは魔力を魔物に変えて使う。俺達魔物使いは、魔物を使って狩りをする狩人だ」
「狩人……なんですか」
「ああ、いつもはナチャーロの森で暮らしている」
「ナチャーロの森……なぜそんな所に……」
この世界はナチャーロの森から始まったと言われている。まずは木々が、そして獣が、最後に人が森から生まれた。
神は世界の隅々まで広く増える事を期待したけど、人は豊かな森の近くを離れようとはしなかった。
仕方なく神は森から魔物を生み出すことした。森の外へと人を追いやるために。
セシィーの記憶がそんな創世神話を教えてくれたけど『聖女のお仕事はちょっぴりハード♡』にはそんな設定は出てこなかった。
多分あの女神はそこまで考えていない。人が考えた後付け設定なんだろう。
「聖女なのに何も知らないんだな」
レフがマドレーヌを食べながら、呆れたような顔で私を見ている。
聖女は放置放任だったし、女神はエロシーン以外の細かい設定はおざなりだったんだから仕方ない。
「始まりの種族の内、先に外の世界に出た一族が今の王族で、最後まで森に残り魔物が外に出ないように見張る役を担ったのが、俺達の一族と言われている。普段は俺達だけで魔物に対処しているんだが、何十年かに一度、ここの人間と合同で森の奥まで討伐しに行くと言う訳だ」
「そうだったんですね」
エロシーンのための舞台装置にも、それなりの理由付けがされていた。
「そう言や聖女の婆さんが、あんたによろしくって言ってたな」
「前の聖女をご存知なんですか?」
討伐が終わり聖女の役目を果たしたら、後は自由だとは言われていた。
前の聖女はお城を出たとしか聞いていなかったから、どんな暮らしをしているのか凄く気になる。
「討伐隊だった魔物使いと結婚して、森で暮らしているからな。口うるさい普通の婆さんだよ」
「そう、なんですね……」
前の聖女は複数プレイ快楽墜ちエンドは迎えなかったんだろうか。
それともそれを経て、魔物使いの人と結ばれたんだろうか。
「なあ、あんたは聖女の役目を知っているのか?」
レフはじっと私の目を見つめて、探るように聞いてきた。
「聖女とは、討伐に向かう者の全てを受け入れ、癒やす存在である。そう、教えられています」
「全て、ね……森の掟では、惚れ合う仲の相手がいない者は、魔物に手を出すことはできない。魔物の血は男を狂わすからな」
レフはそれだけ言うと、顔を私の耳元に寄せた。
「子種を注ぎたくて堪らなくなるんだ。あんたの役目は、男の子種を全て受け止める事なんだよ」
バリトンボイスで囁くように言われ、身体が熱くなる。頭がぼうっとして、もうどうにでもして欲しい、そんな気持ちになってしまった。
『オークのデカブツをしゃぶりながら、ゴブリンに犯される気分は……』
よし、エロシーンを思い出すまでもなく、もうなんか色々死んだ。
ローパーとスライムはまだしも、オークとゴブリンは無理だった。レフとどうこうとかホントあり得ない。
「惚れ合う仲の相手がいれば、私は必要ないですよね」
私は無表情でマドレーヌを差し出し、反論する。いっぱい作っておいて良かった。
「そうだな。俺以外はここの人間だから、いくらでも相手はいるだろう。でも俺は森の人間で、ここに知り合いがいる訳でもない。聖女は魔物使いのために用意されてるようなもんなんだよ」
レフが私の髪を一房掬い、口づけを落とす。
「なあ、討伐が始まる前から、俺と楽し……」
「ああっ!オリアったらまたあんなに野菜を運んで!レフ様、ちょっと手伝ってあげてください」
「何?」
急に立ち上がり、レフの手をぐいぐい引っ張る私に驚きながらも、視線の先にカゴいっぱいの人参を入れて重そうに運んでいる女性を認めると、レフは仕方ねえなと呟いて手を貸しに行った。
そう、その女性こそが魔物使いレフのお相手、オリア・クラスノフだった。
私の趣味の料理は、食べて貰う相手がヘンリエッテぐらいしかいなくて、いつも余ってしまっていた。
料理はある程度纏まった量を作らないと、なかなか美味しくは作れない。
鍋いっぱいに作ると食べきれないので、賄いにでもどうぞと食堂に持っていく事も多かった。
そこで私は食堂で働く肉感的な美人と出会った。明るい栗毛色の髪に、アーバンの瞳を持つオリアだ。
オリアはバイーンと言うかボイーンと言うか、まあとにかく立派な胸をしていた。
第一部のヒロインである私もなかなかの大きさだけど、オリアはその上をいっている。
第二部のヒロインと言われれば納得のグラマラスボディだ。
初めて会ったオリアは食堂の裏手でじゃがいもの皮むきをしていて、指を切りまくっていた。
バイーンボイーンのオリアはドジっ子でもあった。
見るに見かねて皮むきを手伝い、食物庫から野菜を運べば、すっ転んで中身をぶちまけるオリアに手を差し伸べ、私達は親しくなった。
正直、レフを押し付けるのは心苦しい。聖女のお仕事がちょっぴりハード♡どころか、がっつりハードだったのはレフのせいも大きい。
でも大丈夫。第二部のヒロインは、それぞれの相手を愛している。愛があればオークだってゴブリンだって……
無理なようなら引き取るから、とりあえず頑張って。
かくして、この時間帯に野菜カゴを持ってオリアが通ることを知っていた私は、二人の出会いを演出した。
セシィー・木田はちょっぴり策士なのである。
遠巻きに二人を眺めていると、一人で軽々とカゴを持ち上げて歩き出したレフを追いかけようとして、駆け寄ったオリアがすっ転びそうになり、レフの背中に抱きついていた。
はわわと言う感じで謝るオリアの頭を、レフがポンポンと叩いている。
遠くからでもオリアの頭から、二つ三つハートが湧き出しているのが分かった。
振り返り、おそらく「早く行くぞ」的な声をかけるレフの顔もやに下がっているんだろう。
嬉しそうにレフの顔を見上げて歩き去るオリアに、私は直立不動で敬礼を送った。
末永く、お幸せに。
ヤーナは相変わらず左右両方から囁かれて頬を染めていたけど、その顔は幸せそうだった。
ヘンリエッテとヤーナを見ていて、私は確信した。
第二部のヒロイン達は、それぞれの相手を愛しているんだろう。特定の相手がいないからと、間に合わせで宛てがわれる私とは違う。
「こんな所に呼び出して、何の用だ?」
私はレフを騎士団の鍛錬場裏に呼び出した。別に告白するためでも決闘するためでもない。
「実は、レフ様に教えていただきたい事があるんです」
「こんな所でか?」
「ここは静かですし、日当たりもいいですし、非常階段の手すりは腰掛けるのに丁度いい感じなんです」
「そうか?」
不審気なレフに、私は紙袋を押し付けた。
「まずはマドレーヌをどうぞ。焼き上がったばかりで今が一番の食べ頃ですよ。マドレーヌには色々なレシピがありますが、私はすりおろしたレモンの皮とはちみつは外せないと思うんです。しっとりと風味の良いマドレーヌになりますからね。アーモンドプードルを入れてもしっとりと仕上りますが、それならもういっそ焦がしバターを作ってフィナンシェにした方がいいかなと思ってしまうので入れない派です」
ゴツい見た目に反してレフは甘い物好きだ。聖女のスキルと紙袋から漂うバターの香りに、大人しくその場に留まってくれた。
「レフ様は魔物使いなんですよね」
「ああ」
非常階段の手すりに並んで座り、もぐもぐと貝型のマドレーヌを頬張る。我ながら会心の出来栄えだ。お店に出しても恥ずかしくない。
「私、魔物使いがどう言うものなのか知らなくて、教えていただけませんか?」
「ふうん」
私の質問を受け、レフは舐め回すように私を見てから、顔を耳元に寄せた。
「教えて欲しいなら、教えてやろうか」
掠れた感じのバリトンボイスが私の脳天を揺さぶる。
「あんたの身体を使って」
レフの顔を見ると、壮絶な色気を放つ笑顔を私に向けていた。目が、離せなかった。
『ローパーの触手はそんなに気持ちいいか。ガクガクと腰を振って、さっきから何回イッたんだ?乳首もこんなに硬くして、いやらしい聖女サマだな。ああ、そんな物欲しそうな顔をするなよ。今俺のをぶっかけてやるから』
よし、表情筋が死んだ。エロシーンを思い出して無我の境地に達した。
私が無言でマドレーヌを差し出すと、レフは一口で口に放り込み話しだした。
「魔法使いが魔力を自然現象に変えて使うように、魔物使いは魔力を魔物に変えて使う。俺達魔物使いは、魔物を使って狩りをする狩人だ」
「狩人……なんですか」
「ああ、いつもはナチャーロの森で暮らしている」
「ナチャーロの森……なぜそんな所に……」
この世界はナチャーロの森から始まったと言われている。まずは木々が、そして獣が、最後に人が森から生まれた。
神は世界の隅々まで広く増える事を期待したけど、人は豊かな森の近くを離れようとはしなかった。
仕方なく神は森から魔物を生み出すことした。森の外へと人を追いやるために。
セシィーの記憶がそんな創世神話を教えてくれたけど『聖女のお仕事はちょっぴりハード♡』にはそんな設定は出てこなかった。
多分あの女神はそこまで考えていない。人が考えた後付け設定なんだろう。
「聖女なのに何も知らないんだな」
レフがマドレーヌを食べながら、呆れたような顔で私を見ている。
聖女は放置放任だったし、女神はエロシーン以外の細かい設定はおざなりだったんだから仕方ない。
「始まりの種族の内、先に外の世界に出た一族が今の王族で、最後まで森に残り魔物が外に出ないように見張る役を担ったのが、俺達の一族と言われている。普段は俺達だけで魔物に対処しているんだが、何十年かに一度、ここの人間と合同で森の奥まで討伐しに行くと言う訳だ」
「そうだったんですね」
エロシーンのための舞台装置にも、それなりの理由付けがされていた。
「そう言や聖女の婆さんが、あんたによろしくって言ってたな」
「前の聖女をご存知なんですか?」
討伐が終わり聖女の役目を果たしたら、後は自由だとは言われていた。
前の聖女はお城を出たとしか聞いていなかったから、どんな暮らしをしているのか凄く気になる。
「討伐隊だった魔物使いと結婚して、森で暮らしているからな。口うるさい普通の婆さんだよ」
「そう、なんですね……」
前の聖女は複数プレイ快楽墜ちエンドは迎えなかったんだろうか。
それともそれを経て、魔物使いの人と結ばれたんだろうか。
「なあ、あんたは聖女の役目を知っているのか?」
レフはじっと私の目を見つめて、探るように聞いてきた。
「聖女とは、討伐に向かう者の全てを受け入れ、癒やす存在である。そう、教えられています」
「全て、ね……森の掟では、惚れ合う仲の相手がいない者は、魔物に手を出すことはできない。魔物の血は男を狂わすからな」
レフはそれだけ言うと、顔を私の耳元に寄せた。
「子種を注ぎたくて堪らなくなるんだ。あんたの役目は、男の子種を全て受け止める事なんだよ」
バリトンボイスで囁くように言われ、身体が熱くなる。頭がぼうっとして、もうどうにでもして欲しい、そんな気持ちになってしまった。
『オークのデカブツをしゃぶりながら、ゴブリンに犯される気分は……』
よし、エロシーンを思い出すまでもなく、もうなんか色々死んだ。
ローパーとスライムはまだしも、オークとゴブリンは無理だった。レフとどうこうとかホントあり得ない。
「惚れ合う仲の相手がいれば、私は必要ないですよね」
私は無表情でマドレーヌを差し出し、反論する。いっぱい作っておいて良かった。
「そうだな。俺以外はここの人間だから、いくらでも相手はいるだろう。でも俺は森の人間で、ここに知り合いがいる訳でもない。聖女は魔物使いのために用意されてるようなもんなんだよ」
レフが私の髪を一房掬い、口づけを落とす。
「なあ、討伐が始まる前から、俺と楽し……」
「ああっ!オリアったらまたあんなに野菜を運んで!レフ様、ちょっと手伝ってあげてください」
「何?」
急に立ち上がり、レフの手をぐいぐい引っ張る私に驚きながらも、視線の先にカゴいっぱいの人参を入れて重そうに運んでいる女性を認めると、レフは仕方ねえなと呟いて手を貸しに行った。
そう、その女性こそが魔物使いレフのお相手、オリア・クラスノフだった。
私の趣味の料理は、食べて貰う相手がヘンリエッテぐらいしかいなくて、いつも余ってしまっていた。
料理はある程度纏まった量を作らないと、なかなか美味しくは作れない。
鍋いっぱいに作ると食べきれないので、賄いにでもどうぞと食堂に持っていく事も多かった。
そこで私は食堂で働く肉感的な美人と出会った。明るい栗毛色の髪に、アーバンの瞳を持つオリアだ。
オリアはバイーンと言うかボイーンと言うか、まあとにかく立派な胸をしていた。
第一部のヒロインである私もなかなかの大きさだけど、オリアはその上をいっている。
第二部のヒロインと言われれば納得のグラマラスボディだ。
初めて会ったオリアは食堂の裏手でじゃがいもの皮むきをしていて、指を切りまくっていた。
バイーンボイーンのオリアはドジっ子でもあった。
見るに見かねて皮むきを手伝い、食物庫から野菜を運べば、すっ転んで中身をぶちまけるオリアに手を差し伸べ、私達は親しくなった。
正直、レフを押し付けるのは心苦しい。聖女のお仕事がちょっぴりハード♡どころか、がっつりハードだったのはレフのせいも大きい。
でも大丈夫。第二部のヒロインは、それぞれの相手を愛している。愛があればオークだってゴブリンだって……
無理なようなら引き取るから、とりあえず頑張って。
かくして、この時間帯に野菜カゴを持ってオリアが通ることを知っていた私は、二人の出会いを演出した。
セシィー・木田はちょっぴり策士なのである。
遠巻きに二人を眺めていると、一人で軽々とカゴを持ち上げて歩き出したレフを追いかけようとして、駆け寄ったオリアがすっ転びそうになり、レフの背中に抱きついていた。
はわわと言う感じで謝るオリアの頭を、レフがポンポンと叩いている。
遠くからでもオリアの頭から、二つ三つハートが湧き出しているのが分かった。
振り返り、おそらく「早く行くぞ」的な声をかけるレフの顔もやに下がっているんだろう。
嬉しそうにレフの顔を見上げて歩き去るオリアに、私は直立不動で敬礼を送った。
末永く、お幸せに。
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