勇者の中の魔王と私

白玉しらす

文字の大きさ
上 下
4 / 37
本編

第二夜 ☆

しおりを挟む
 何処か獣じみた、荒い息遣いや鼻息が、耳のすぐ側から聞こえる。
「あんっ……んんっ……あ、んっ……」
 甘い喘ぎ声がすると思ったら私の声で、ビックリして目を覚ました。
 私は裸で後ろから抱きしめられ、私の中に入り込んた指が抜き差しされる度に、グチュグチュといやらしい音がしている。
「やあっ、ああっ……あああっ……」
 私の覚醒に気がついたのか、クリトリスをグニグニと捏ねられて、私は快感に身体を仰け反らせた。

「ようやく起きたか」
 舐められていた耳に、オスカーの声が入ってきて、私の身体はビクリとする。
「ま、おう?」
 私の問い掛けは無視され、魔王はひたすら私を追い立てていく。
 快感に流されそうになるのをなんとか押しとどめ、魔王が出たらやろうと決めていたことを実行する。
 説得、若しくは魔王について情報収集だ。
「ふっ、あうっ……あのっ……ま、おうっ……ひゃうっ……んんっ……」
 あそこに指を突っ込まれ、胸を揉みつつ乳首を抓られ、更には荒い息遣いと共に耳まで舐められ、言葉を発する隙がない。
「ああんっ……待っ、てっ……あうっ……まっ……ああっ……」
 私が何かを言おうとする度にクリトリスまで押し潰されて、私は目に涙を浮かべながら嬌声をあげ続けた。
 完全に流されてしまった。

「ニナの身体は、いやらしいな」
「ふっ……はっ、ああんっ……あっ、ああっ……」
 誰のせいだと言ってやりたいけど、私の口からはもう喘ぎ声しか出ない。
「ニナ」
 魔王は手を引き、私の身体を起こした。
 裸で膝を突き合わせて座る形になり、それはそれで恥ずかしい。 
「足を広げて、そのいやらしい穴を見せろ」
 魔王のとんでもない要求に、裸を隠すものを探していた私は固まる。
「どうした、ほら早く」
「あの、ちょっと、意味が分からないです」
「手を後ろに付いて、いやらしい穴がよく見えるように、大きく足を広げろ」
「そう言う意味で言ったわけでは、なくてですね」
 より具体的になった指示に、私は困惑する。
 真顔で何を言っているんだ、この魔王は。 
「やらないなら、他を当たる」
 それを言われると、やらない訳にはいかない。
 月明かりに照らされる魔王は、当たり前だけどどう見てもオスカーで、私のあんな所を見せるのはためらわれた。
「残念だ」
 そう言って立ち上がろうとする魔王を、慌てて引き止める。 
「うう……やります。やるから、待って」
 私は魔王を座らせて、おずおずと足を開く。
 昨日散々見られている気もするけど、自分で見せるのと、結果的に見られていたのとでは大きく違う。
「もっと」
 魔王の言葉に、私は意を決して思い切り足を広げた。

「ふっ……うっ……」
 恥ずかしさに変な所に力が入ってしまう。
 手を後ろに付き、魔王の視線に耐えていると、晒された割れ目を指でなぞられた。
「あうっ……ひあっ……」
「よく見ておくんだ」
 そう言うと魔王はゆっくりと指を差し込んできた。
「誰に、どうされているか、ニナの口から聞きたい」
 グチュグチュと指を抜き差ししながら、魔王が何か言ってきた。
「あっ、あんっ……誰?……んんっ……魔王?痛っ」
 答えが気に食わなかったのか、首筋を強く吸われてチリっとした痛みが走った。
「オスカー……ふっ、うっ……オスカーッ……」
 昨日も散々呼ばされたオスカーの名を呼ぶと、魔王は満足そうに笑い、軽くキスをした。
「どうされているかが、まだだ」
 残念ながら、まだ満足していなかったらしい。

 私の性的知識によると、こう言うのは色んな言い方がある訳で、どう言えば正解なんだろう。
「ううっ……オスカーの、指が……んんっ」
 オスカーの名を呼ぶと、それだけで私のあそこはキュウキュウ締まり、異様に感じてしまう。
「ふえっ……オスカー、んんっ……オスカー」
 魔王も言わせたいなら手加減してくれればいいのに、抜き差しされる指の動きは容赦がない。
「あんっ……ああっ……ふっ、んんっ……」
「ニナ」
 喘ぎ声で誤魔化す作戦は失敗に終わった。
「指が、私の中……あうっ……グチャグチャって……ううっ……」
 まだ先を期待するような顔で見つめられ、私は半ばヤケになった。
「オスカーのっ……指っ、ああっ……私の中で、動いて……あうっ……気持ち、いいっ……もっと、オスカーが……んんっ、欲しい……」
 これでどうだと半泣きで魔王を見つめると、良く出来たご褒美とでも言うように、クリトリスを押し潰してきた。
「ふっ、あっ……ああんっ、オスカー……」
 灰色の瞳を見つめながら、オスカーの名を呼ぶと、私のあそこからはどうしようもなく蜜が溢れた。

「そんなに溢して、もったいないな」
 魔王は私の中から指を抜くと、その顔を足の付け根に寄せた。
「や、ダメ、やめて……」
 身体をよじり、逃げようとした瞬間、舌がクリトリスを突付いた。
「ああっ……だめっ……オスカーっ……やあっ……」
 溢れる蜜を掬うように、舌で割れ目をなぞられる。
 私は止めようと、オスカーの頭に手をかけるけど、あまりの快感に力が入らず、押し退けることが出来ない。
 伸ばされた手で乳首を抓られ、私の理性は簡単に飛んでしまう。
「オスカー……ああんっ……オスカー……あっ、ああっ、ああっ……」
 
 私は自ら腰を振って、オスカーからもたらされる快感を高めていく。
 ガクガクと腰を揺らしながら私がイクと、オスカーは足の間から顔を上げて、口元をグイッと手で拭った。
 捕食者のような瞳で見つめられて、魔王だった事を思い出す。
 ああ、ダメだ。もうオスカーと魔王の区別もつかなくなってきている。
 
 魔王は私の顔の近くまで膝立ちで移動すると、大きく勃ち上がった物を手に取り、私の口元に差し出してきた。
「ニナも、欲しいんじゃないか?」
 イッたばかりで、はあはあと大きく息をしていた私の口の中に、硬く大きな物が突っ込まれる。
「ふ、んっ……んんっ……んっ……」
 今まで嗅いだことのない、オスカーの雄の匂いに頭がクラクラする。
 オスカーの物が口の中にあると思うと、私はもう何も考えられなくなり、オスカーの腰に抱きついて、先から溢れる汁を夢中で啜った。
 
「んんーっ……んっ、んんっ……はあっ……あっ、んんっ……」
 私は吸ったり、舐めたり、ひたすらオスカーの物を味わう。
 もうオスカーの事しか考えられない。
 舌先でその形を確かめていると、私のあそこは切ない程ヒクつき、自然と腰が揺れた。
「そんなに、欲しがられると、もうムリだ」
 苦しそうに呟くと、オスカーは私の口から硬くて大きい物を抜こうとした。
「ダメ……」
 私は腰を抱く手に力を込める。
「私も、オスカーの欲しい……最後まで、ちょうだい……」
 オスカーの物にキスをしながら言うと、私は再びオスカーの物を口いっぱいに頬張った。
 絞るように吸い付いて、目だけでオスカーの顔を見上げると、驚くオスカーの顔が見えた。
 
 驚く顔は魔王もオスカーも一緒なんだなと、何処か冷静な自分が感想を漏らす。
「ニナ……」
 魔王は優しく私の頭を掴むと、ゆっくり腰を振り出した。
 オスカーの物に口の中を犯されて、私は恍惚の表情を浮かべる。
 切ないような、苦しいような顔で腰を振るオスカーの姿は、本当なら私が決して見る事の無かった物だ。
「ニ、ナ……」
 もう一度私の名前を呼びながら、魔王は熱いものを口の中に注いだ。

「ふっ、んんっ……」
 溢れそうなそれをどうしたらいいのか分からず、私はオスカーを見つめた。
 そう言えば、口の中に出された後どうすればいいかは聞いた事がなかった。
 困った私は取り敢えず自分の手にゆっくりと吐き出した。
「オスカーの、いっぱい……」
 思ったよりも量が多くて驚いていると、魔王はどこからか取り出した布で拭き取ってくれた。
「ニナ」
 魔王は私の名を呼ぶと、覆いかぶさるように押し倒してきた。
 押し付けられるオスカーの物は、既に硬さを取り戻している。
「あっ、んんっ……かた、い……」
 オスカーの硬いものが私の敏感な部分に当たると、痺れるような快感が私を襲った。
 私はもう我慢出来なくて、ねだるように腰をくねらせてしまう。
「そんなに、欲しいのか?」
 オスカーは私の中に指を差し入れ、ゆっくりと抜き差しした。
「あっ、んっ……やっ……」
 とろとろに溶けたそこは、もうそんな刺激では満足出来ないでいた。
 私はオスカーの灰色の瞳を見つめたまま、首を横に振る。
「やあっ、オスカーの……んっ、大きいのが、欲しい……」
「……ニナが、エロ過ぎる」
 魔王はそう言いながらため息をつくと、硬い物で私を貫いた。
「ああっ……ふっ、んんっ……ああっ……」
 圧迫感と共に、満たされる喜びに身体が震える。
「ニナ」
 耳に齧り付きながら名を呼ばれ、私のあそこは貪欲にオスカーの物を締め付けた。
「あうっ……ああっ……オスカー……ああんっ……」
 私の頭はもうオスカーの事で一杯で、魔王の事とか、この旅が終わった後の事とか、全てがどうでも良くなり、ひたすらオスカーを求めた。

「ニナ、お前が何を求めているのか、よく覚えておくんだ」
 身体に刻みつけるように、激しく腰を打ち付けられ、私はあっと言う間にイッてしまう。
「ああんっ……オスカー、んんっ……オスカー……ああっ……」
 私はイッたままオスカーの名を呼び続け、熱い物が注ぎ込まれる頃には、すっかり我を忘れていた。
「もっとだ。もっと、俺を求めてくれ」
 そんな魔王の言葉も耳に入らず、私の意識はそこで途絶えた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】散らされて

月島れいわ
恋愛
風邪を引いて寝ていた夜。 いきなり黒い袋を頭に被せられ四肢を拘束された。 抵抗する間もなく躰を開かされた鞠花。 絶望の果てに待っていたのは更なる絶望だった……

【完結】令嬢が壁穴にハマったら、見習い騎士達に見つかっていいようにされてしまいました

雑煮
恋愛
おマヌケご令嬢が壁穴にハマったら、騎士たちにパンパンされました

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

伯爵令嬢のユリアは時間停止の魔法で凌辱される。【完結】

ちゃむにい
恋愛
その時ユリアは、ただ教室で座っていただけのはずだった。 「……っ!!?」 気がついた時には制服の着衣は乱れ、股から白い粘液がこぼれ落ち、体の奥に鈍く感じる違和感があった。 ※ムーンライトノベルズにも投稿しています。

完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。

音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。 だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。 そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。 そこには匿われていた美少年が棲んでいて……

【R18】寡黙で大人しいと思っていた夫の本性は獣

おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
 侯爵令嬢セイラの家が借金でいよいよ没落しかけた時、支援してくれたのは学生時代に好きだった寡黙で理知的な青年エドガーだった。いまや国の経済界をゆるがすほどの大富豪になっていたエドガーの見返りは、セイラとの結婚。  だけど、周囲からは爵位目当てだと言われ、それを裏付けるかのように夜の営みも淡白なものだった。しかも、彼の秘書のサラからは、エドガーと身体の関係があると告げられる。  二度目の結婚記念日、ついに業を煮やしたセイラはエドガーに離縁したいと言い放ち――?   ※ムーンライト様で、日間総合1位、週間総合1位、月間短編1位をいただいた作品になります。

騎士団長の欲望に今日も犯される

シェルビビ
恋愛
 ロレッタは小さい時から前世の記憶がある。元々伯爵令嬢だったが両親が投資話で大失敗し、没落してしまったため今は平民。前世の知識を使ってお金持ちになった結果、一家離散してしまったため前世の知識を使うことをしないと決意した。  就職先は騎士団内の治癒師でいい環境だったが、ルキウスが男に襲われそうになっている時に助けた結果纏わりつかれてうんざりする日々。  ある日、お地蔵様にお願いをした結果ルキウスが全裸に見えてしまった。  しかし、二日目にルキウスが分身して周囲から見えない分身にエッチな事をされる日々が始まった。  無視すればいつかは収まると思っていたが、分身は見えていないと分かると行動が大胆になっていく。  文章を付け足しています。すいません

【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!

山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」 夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。

処理中です...