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夜が明ければ
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月見野様と別れてから家に戻り、倒れ込むようにベッドに横になりました。
体中のあちこちに鈍痛を感じましたが、なんとか烏ノ森マネージャーに連絡することができました。
あとはもう、時間になるまで眠っていましょう。
それにしても、絶対に叱られると思っていたのに、烏ノ森マネージャーは終始穏やかな声をしていましたね。
「体調がまだ悪いようなら、明日も無理に出社する必要ないわ。いっそのこと、しばらくどこか遠くへでかけて、気分転換でもしてきたら?」
「え……でも、急に長期休暇をとったりしたら、業務に支障が……」
「……それもそうね。じゃあ、私はこれで」
なぜか、通話を切る直前に交わした会話を思い出しました。
しばらくの間どこか遠くへでかけるですか……
そういえば、昨日葉河瀨さんともそんな話をしていましたね。
あの時は、私のことを気遣ってくれたのかもしれない、と思ったのですが……
月見野様は私が好意を抱いているかもしれない、と人づてに聞いたとおっしゃっていました。
私が月見野様に好意を抱いている、ということを知っているのは葉河瀨さんだけ。
ならば、月見野様に私のことを伝えたのは、葉河瀨さんということになりますよね……
不意に、大きなため息が口からこぼれました。
同じ拒絶されるにしても、せめて自分の口から想いを伝えたかった……そんなことを今更思っても、仕方がないとは分かっているのですが。
それにしても、相手から先に釘を刺された挙げ句に拒絶されるなんて、惨めにも程がありますよね。
葉河瀨さんはそんな惨めな姿を眺めて、楽しむつもりだったのでしょう。
だから、月見野様に私が好意をいたいていることを伝えたんですね……
私がしてきたことを咎めなかったのも、望みのない好意を抱えて誰かを呪う私を面白がっていたからに違いありません。
昨日告白をしたのも、明日私と会う口実を作るためだったのでしょうね。
そうすれば、私本人の口から惨めな結果を聞くことができるわけですから。
それに、昨日の告白が嘘だと告げれば、更に私が動揺する姿を見られますしね。
ああ、考えるだけで気分が悪い。
それでも、月見野様になぜ私の想いを知っていたのか聞いたことで、少しはマシな状況になったのでしょう。
葉河瀨さんの思惑を知ることができたおかげで、気持ちの整理をする時間もできたのですから。
何も聞かないままだったら、明日は彼の思惑通りに、目の前で取り乱していたかもしれません。
まあ、気分が悪いことに、代わりはないのですが。
怒りがこみ上げてきたと同時に、体の痛みが強くなりました。
今まで、こんなにもお詣りの反動が来たことはなかったのですが……今回は、立て続けにお詣りをしすぎたようですね。
せめて、昨日のお詣りは止めておけばよかった……
私のことを嘲笑って楽しんでいた人のために、お詣りなんてする必要もなかったのに……
後悔していると、枕元に置いたスマートフォンが細かく震えたのに気づきました。
重い腕を動かして取り寄せると、葉河瀨さんからのメッセージを受信していました。
一条さん
お世話になっております。葉河瀨です。
体調はいかがでしょうか?
もしも、つらいようなら、明日の約束は無理をしないで下さいね。
……メッセージの文面だけは、私を心配しているように見えますね。
本当は、そんなこと微塵も思っていないのに……
でも、まだ気づいていないふりをしていましょうか。
葉河瀨さん
お世話になっております。一条です。
体調は落ち着いて来ているので、明日の約束には影響がでないと思います。
お気遣いいただき、ありがとうございました。
動かす度に痛む指でメッセージを作成し、返信をしました。
そうすると、すぐにまた葉河瀨さんからのメッセージが届きました。
一条さん
体調が落ち着いているなら、安心しました。
明日の件、ありがとうございます。
来ていただけるならすごく嬉しいのです。
でも、本当に、くれぐれも無理しないで下さいね。
来ていただけるならすごく嬉しい、ですか。
それは、そうなのでしょうね。
私が取り乱す様子を見て、楽しむことができるのですから。
皮肉の一つも送りたくなりますが、止めておきましょう。
体の痛みが、また強くなってきましたから。
せいぜい、楽しみにしていればいいのです。
明日には、報いを受けることになるのですから。
そのためにも、今は少し眠っておきましょう……
目を瞑っても、体の痛みが消えることはありませんでした。
段々と慣れては来ましたが、とても煩わしい。
早く眠ってしまえればいいのに。
それで、お詣りの時間が早く来ればいいのに……
目が覚めると、スマートフォンを握りしめながら横たわっていました。
あたりは闇に包まれて、何も見えません。
ひょっとして、寝過ごしてしまったのでしょうか?
慌ててスマートフォンを操作すると、時刻は午前零時になっていました。
……よかった。
これならば、今から支度をすれば充分に間に合います。
体も、まだ少し違和感がありますが、動かせない程ではありません。
そうと分かれば、さっそく取りかからないと。
シャワーで身を清めて。
白装束に着替えて。
藁人形を編んで。
気がつくと、鼻歌を歌いながら、人形を編んでいました。
今までは、誰かのため、という建前があったので、ここまで軽やかな気分に慣れなかったのでしょうね。
でも、今夜は違います。
もう、誰かのため、なんて馬鹿馬鹿しい建前もないのですから。
……考えてみれば、今までだって自分のために呪いを使っていたのでしょう。
愛しい人に迷惑をかけるのが、気に入らないから。
常日頃、煩わしい思いをさせられていて、気に入らないから。
全てを見透かしたような顔で、こちらに負担がかかることを強いるのが、気に入らないから。
ここ数日のお詣りだって、そんな思いを解消するためにしていたに過ぎないのかもしれません。
いえ、それ以前、まだ実家にいた頃にしていた仕事だって、そうかもしれません。
煩わしいお詣りをさせられることになって、気に入らないから。
そんな思いでお詣りをしていたのでしょう。
きっと、私と仲良くしてくれていたあの子に対しても。
我ながら、酷いことを考えていたものですね。
こんなことを考えていたのだから、惨めな目に遭うのも当然のことです。
でも、一条さんに幸せでいて欲しいというのが、俺の一番の願いですから。
……自嘲的な気分になっていたら、葉河瀨さんの言葉を思い出してしまいました。
ああ、そうだ。
直接聞いたわけじゃなくて、夢で聞いた言葉でしたね。
私のことを嘲笑っていた人が、そんな言葉をかけてくれるわけありません。
それに、仮にそんな言葉をかけてくれていたとしても、きっと私を混乱させるための嘘なのでしょうから。
一瞬でも嬉しいと思ってしまったなんて、本当に滑稽です。
……さて、いつまでも下らないことを考えているのは、止めましょうか。
人形も編み上がったことですから。
お詣りに出発しなくては。
鏡を首からさげて。
……一瞬でも、嬉しいと思ったんです。
蝋燭に火を点けて。
……私のことを大切に思ってくれる人なんて、今までいませんでしたから。
鉄輪をかぶって。
月見野様だって、大切に思っていたのは私などではなく……
櫛を咥えて。
……亡くなった娘さんと、烏ノ森マネージャーだったのですから。
高下駄を履いて。
……ああ、本当に、惨めで滑稽ですね。
でも、大丈夫。
お詣りをすればきっと、気分は晴れますから。
高下駄を鳴らしながら、いつもの神社へ向かいました。
今夜も、あたりに人は一人もいません。
これなら、無事にお詣りが完遂できますね。
神社に辿り着き、林に入ると昨日までの人形が目に入りました。
少しごちゃごちゃとしていますが、もう一人追加する余裕は充分にありますね。
藁人形に葉河瀨さんの名刺を添えて
胸の中央に五寸釘を打ち込む
これで、夜が明ければ、私のことを嘲笑っていた報いを受けるはずです。
そう思うと、何だか気持ちだけでなく、体の痛みも軽くなった気がしますね。
お詣りも終わったことですし、痛みが再発する前に今日はもう帰りましょう。
境内を出て何気なく空を見上げると、上弦の月が浮かんでいました。
まるで、私のことを笑っているような形で。
体中のあちこちに鈍痛を感じましたが、なんとか烏ノ森マネージャーに連絡することができました。
あとはもう、時間になるまで眠っていましょう。
それにしても、絶対に叱られると思っていたのに、烏ノ森マネージャーは終始穏やかな声をしていましたね。
「体調がまだ悪いようなら、明日も無理に出社する必要ないわ。いっそのこと、しばらくどこか遠くへでかけて、気分転換でもしてきたら?」
「え……でも、急に長期休暇をとったりしたら、業務に支障が……」
「……それもそうね。じゃあ、私はこれで」
なぜか、通話を切る直前に交わした会話を思い出しました。
しばらくの間どこか遠くへでかけるですか……
そういえば、昨日葉河瀨さんともそんな話をしていましたね。
あの時は、私のことを気遣ってくれたのかもしれない、と思ったのですが……
月見野様は私が好意を抱いているかもしれない、と人づてに聞いたとおっしゃっていました。
私が月見野様に好意を抱いている、ということを知っているのは葉河瀨さんだけ。
ならば、月見野様に私のことを伝えたのは、葉河瀨さんということになりますよね……
不意に、大きなため息が口からこぼれました。
同じ拒絶されるにしても、せめて自分の口から想いを伝えたかった……そんなことを今更思っても、仕方がないとは分かっているのですが。
それにしても、相手から先に釘を刺された挙げ句に拒絶されるなんて、惨めにも程がありますよね。
葉河瀨さんはそんな惨めな姿を眺めて、楽しむつもりだったのでしょう。
だから、月見野様に私が好意をいたいていることを伝えたんですね……
私がしてきたことを咎めなかったのも、望みのない好意を抱えて誰かを呪う私を面白がっていたからに違いありません。
昨日告白をしたのも、明日私と会う口実を作るためだったのでしょうね。
そうすれば、私本人の口から惨めな結果を聞くことができるわけですから。
それに、昨日の告白が嘘だと告げれば、更に私が動揺する姿を見られますしね。
ああ、考えるだけで気分が悪い。
それでも、月見野様になぜ私の想いを知っていたのか聞いたことで、少しはマシな状況になったのでしょう。
葉河瀨さんの思惑を知ることができたおかげで、気持ちの整理をする時間もできたのですから。
何も聞かないままだったら、明日は彼の思惑通りに、目の前で取り乱していたかもしれません。
まあ、気分が悪いことに、代わりはないのですが。
怒りがこみ上げてきたと同時に、体の痛みが強くなりました。
今まで、こんなにもお詣りの反動が来たことはなかったのですが……今回は、立て続けにお詣りをしすぎたようですね。
せめて、昨日のお詣りは止めておけばよかった……
私のことを嘲笑って楽しんでいた人のために、お詣りなんてする必要もなかったのに……
後悔していると、枕元に置いたスマートフォンが細かく震えたのに気づきました。
重い腕を動かして取り寄せると、葉河瀨さんからのメッセージを受信していました。
一条さん
お世話になっております。葉河瀨です。
体調はいかがでしょうか?
もしも、つらいようなら、明日の約束は無理をしないで下さいね。
……メッセージの文面だけは、私を心配しているように見えますね。
本当は、そんなこと微塵も思っていないのに……
でも、まだ気づいていないふりをしていましょうか。
葉河瀨さん
お世話になっております。一条です。
体調は落ち着いて来ているので、明日の約束には影響がでないと思います。
お気遣いいただき、ありがとうございました。
動かす度に痛む指でメッセージを作成し、返信をしました。
そうすると、すぐにまた葉河瀨さんからのメッセージが届きました。
一条さん
体調が落ち着いているなら、安心しました。
明日の件、ありがとうございます。
来ていただけるならすごく嬉しいのです。
でも、本当に、くれぐれも無理しないで下さいね。
来ていただけるならすごく嬉しい、ですか。
それは、そうなのでしょうね。
私が取り乱す様子を見て、楽しむことができるのですから。
皮肉の一つも送りたくなりますが、止めておきましょう。
体の痛みが、また強くなってきましたから。
せいぜい、楽しみにしていればいいのです。
明日には、報いを受けることになるのですから。
そのためにも、今は少し眠っておきましょう……
目を瞑っても、体の痛みが消えることはありませんでした。
段々と慣れては来ましたが、とても煩わしい。
早く眠ってしまえればいいのに。
それで、お詣りの時間が早く来ればいいのに……
目が覚めると、スマートフォンを握りしめながら横たわっていました。
あたりは闇に包まれて、何も見えません。
ひょっとして、寝過ごしてしまったのでしょうか?
慌ててスマートフォンを操作すると、時刻は午前零時になっていました。
……よかった。
これならば、今から支度をすれば充分に間に合います。
体も、まだ少し違和感がありますが、動かせない程ではありません。
そうと分かれば、さっそく取りかからないと。
シャワーで身を清めて。
白装束に着替えて。
藁人形を編んで。
気がつくと、鼻歌を歌いながら、人形を編んでいました。
今までは、誰かのため、という建前があったので、ここまで軽やかな気分に慣れなかったのでしょうね。
でも、今夜は違います。
もう、誰かのため、なんて馬鹿馬鹿しい建前もないのですから。
……考えてみれば、今までだって自分のために呪いを使っていたのでしょう。
愛しい人に迷惑をかけるのが、気に入らないから。
常日頃、煩わしい思いをさせられていて、気に入らないから。
全てを見透かしたような顔で、こちらに負担がかかることを強いるのが、気に入らないから。
ここ数日のお詣りだって、そんな思いを解消するためにしていたに過ぎないのかもしれません。
いえ、それ以前、まだ実家にいた頃にしていた仕事だって、そうかもしれません。
煩わしいお詣りをさせられることになって、気に入らないから。
そんな思いでお詣りをしていたのでしょう。
きっと、私と仲良くしてくれていたあの子に対しても。
我ながら、酷いことを考えていたものですね。
こんなことを考えていたのだから、惨めな目に遭うのも当然のことです。
でも、一条さんに幸せでいて欲しいというのが、俺の一番の願いですから。
……自嘲的な気分になっていたら、葉河瀨さんの言葉を思い出してしまいました。
ああ、そうだ。
直接聞いたわけじゃなくて、夢で聞いた言葉でしたね。
私のことを嘲笑っていた人が、そんな言葉をかけてくれるわけありません。
それに、仮にそんな言葉をかけてくれていたとしても、きっと私を混乱させるための嘘なのでしょうから。
一瞬でも嬉しいと思ってしまったなんて、本当に滑稽です。
……さて、いつまでも下らないことを考えているのは、止めましょうか。
人形も編み上がったことですから。
お詣りに出発しなくては。
鏡を首からさげて。
……一瞬でも、嬉しいと思ったんです。
蝋燭に火を点けて。
……私のことを大切に思ってくれる人なんて、今までいませんでしたから。
鉄輪をかぶって。
月見野様だって、大切に思っていたのは私などではなく……
櫛を咥えて。
……亡くなった娘さんと、烏ノ森マネージャーだったのですから。
高下駄を履いて。
……ああ、本当に、惨めで滑稽ですね。
でも、大丈夫。
お詣りをすればきっと、気分は晴れますから。
高下駄を鳴らしながら、いつもの神社へ向かいました。
今夜も、あたりに人は一人もいません。
これなら、無事にお詣りが完遂できますね。
神社に辿り着き、林に入ると昨日までの人形が目に入りました。
少しごちゃごちゃとしていますが、もう一人追加する余裕は充分にありますね。
藁人形に葉河瀨さんの名刺を添えて
胸の中央に五寸釘を打ち込む
これで、夜が明ければ、私のことを嘲笑っていた報いを受けるはずです。
そう思うと、何だか気持ちだけでなく、体の痛みも軽くなった気がしますね。
お詣りも終わったことですし、痛みが再発する前に今日はもう帰りましょう。
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