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第一章
どうせなら、ここで
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なんだろう、身体がすごく温かい。
「おーい」
さっきまで、すごく寒かったのに。
「ねえ、ねえ」
ひょっとして、力尽きて天国にいたりするのかな?
「まだ、寝てるのー?」
それだと、この声は天使なのかもしれない。
「ご飯ができたよー?」
ご飯、か。
ぐぅぅぅぅぅぅ
……天国に来ても、空腹は感じるものなのか。
「だから、起きてー」
ひとまず、起きようか……。
「あ! 起きたー!」
目を開くと、茶色の長い髪をした、緑色の目の幼い女の子が覗き込んでいた。
へえ、天使ってやっぱり、可愛いんだ――
「よかった! 生きてた!」
――え? 生きて、た?
上体を起こしてあたりを見渡すと、狭い部屋にあるベッドに寝かされていた。
「おはよう! お兄ちゃん!」
「お、おはよう……」
「いま、お父ちゃんとお母ちゃん呼んでくるから、待っててねー!」
「あ、え、ちょっと待って。君は一体……」
女の子はボクの言葉も聞かずに、走り去っていった。
えーと、ひとまず、状況を整理してみようか……。
マリアンさんの店を出てから、雨に降り出される。
強い雨の中、つまずいて転ぶ。
空腹と疲労で、立ち上がれなくなる。
もう、どうでもいいと思って、そのまま意識を手放す。
……うん。思い出したくもないけど、こんなかんじだったはず。
でも、ここは海沿いの道じゃなくて、どう見ても屋内だ。ぱっと見える照明や家具は質素な造りだし、天国でもなさそうだけど……、一体ここはどこなんだろう?
あれ? そういえば、なんだか身体が軽いような……、ん?
なんで、下着だけになってるんだ?
そういえば、倒れる前に誰かの声が聞こえた気がしたな……。
ということは、追いはぎにあったんじゃ……。
「よう! 兄ちゃん、目が覚めたって!?」
「よかった! 起きなかったら、どうしようかと思ったよ!」
突然聞こえた大声に顔を向けると、質素な服を着た口ひげの生えた男性と、同じく質素な服を着た長い髪の女性の姿があった。
それから――。
「お兄ちゃん! お父ちゃんとお母ちゃん連れてきたよ!」
――二人の前で、さっきの女の子が得意げな表情を浮かべていた。
「兄ちゃんのローブは、ずぶ濡れになってたから、脱がして干してあるぜ!」
「乾くまでの間、父ちゃんの服貸してやるから、着替えたら夕飯にするよ!」
「今日はね! シチューなんだよ!」
三人は、楽しそうに笑ってそう言った。
どうやら、追いはぎというわけじゃないみたいだ。
「ありがとう……、ございます……。あの、貴方たちは一体……」
「おお! すまねえ、自己紹介がまだだったな。俺は、カリダスだ。で、こっちがカミさんのエタレオで。こっちが、娘のリグレだ」
「よろしくね!」
「よろしくー!」
カリダスさんに紹介され、エタレオさんとリグレがニコリと笑った。
「それで、兄ちゃんは?」
「あ、えーと、僕の名前はフォ……」
ぐぅぅぅぅぅ
「……すみません」
なんで、このタイミングで腹が鳴るかな……。
「はははははは! 気にすんな兄ちゃん! まずは、飯にしようぜ! 着替えはそこのタンスに入ってるやつを、適当に着てくれ!」
「そんじゃ、着替えたらおいで!」
「お母ちゃんのシチュー、すっごくおいしいから、はやくきてね!」
三人はそう言いうと、部屋から出て行った。
ひとまず、着替えを借りて食事に向かうことにしよう。
タンスに入っていた質素なチュニックに着替えてドアを開けると、シチューとパンが乗ったテーブルを囲む三人の姿が目に入った。
「おう! 兄ちゃん、こっちこっち!」
「さ、あったかいうちに、早くおあがり!」
「はやくはやくー!」
三人は口々にそう言って、手招きをする。とりあえず、歓迎はしてくれてる、のか。
席に着くと、カリダスさんが胸の前で指を組んだ。
「それじゃあ、今日も家族そろって無事に夕飯が食えることを、神様と母ちゃんに感謝します! いただきます!」
「いただきまーす!」
「たーんと、めしあがれ! ほら、兄さんも遠慮せずに!」
「どうも……」
エタレオさんに勧められるまま、シチューを口に運んだ。その途端に、カリダスさんとリグレが得意げな表情を浮かべた。
「どうだい、母ちゃんのシチューは、美味いだろ?」
「お母ちゃんのシチューは、世界一なんだよ!」
正直なところ、このシチューより美味いシチューを出す店は、王都にいくつもある。でも、今そんなことを口に出して、このなごやかな空気に水を差すのも悪いか。
「はい、とても美味しいです。今まで食べてきた中で、一番」
しまった、ちょっとわざとらしかったかな……。
「あらあら、それは嬉しいねぇ。まだ沢山あるから、どんどんおかわりしておくれ!」
心配をよそに、エタレオさんは目を細めて笑った。
……ここは、お言葉に甘えることにしようかな。
「ありがとう、ございます。では、ぜひ……」
「ねえ、ねえ」
不意に、隣に座っていたリグレが、袖を引っ張った。
「お兄ちゃんのお名前は、なんていうの?」
そうだ。まだ、自己紹介をしてなかった……。
「申し遅れました。僕は、フォルテといいます」
「フォルテ……、古い言葉で『勇敢』か。うん、いい名前だな!」
カリダスさんは、笑顔でそんなことを口にした。
……いい名前、か。
たしかに、この名前に恥じないようなダンジョン探索者を目指して、固有スキルを活かした戦い方をずっとしてきたつもりだった。
でも――
「その場にいた全員を危険にさらした」
「勇敢と無謀は、全然違うのにねー」
「下らない見栄のために」
――結局は、全部ひとりよがりだった。
それどころか――
「俺がまたパーティーにもどれば……」
――ずっと悲惨な状況で戦っていた憧れの人を、また追い詰めるようなことをした。
一体、僕のなにが勇敢なんだろう……。
「お、おい? フォルテ、大丈夫か!?」
軽くにじんだ視界の中に、カリダスさんの慌てた表情が浮かぶ。
「すみません……、大丈夫です……」
「ならいいけどよ……。そ、そうだ、フォルテ、着てたローブ見て思ったんだけど……、お前って魔術師だったりするか?」
「はい、そう、ですが……」
「本当か!!」
突然、カリダスさんの目が輝いた。
「母ちゃん! 今の聞いたか!」
「ああ! 聞いたとも!」
エタレオさんの目も輝きだす。
一体、急にどうしたんだ?
「魔術師だと、学校の先生か? それとも、ダンジョン探索者か?」
カリダスさんが、目を輝かせたまま、テーブルに身を乗り出してきた。
「あ、はい。ダンジョン探索者です。今はちょっと、休業状態ですが……」
「それなら、なおのこと都合がいいぜ! な、母ちゃん!」
「ああ! まったくだねぇ!」
都合が、いい?
本当に、一体何の話をしてるんだ?
「もう! お父ちゃんもお母ちゃんも、ちゃんと、じょーきょーせつめーしないと、フォルテちゃんが困ってるよ!」
リグレに叱りつけられ、二人はようやくハッとした表情を浮かべてくれた。
「コイツはすまねぇ……、つい……」
「悪かったね、フォルテ……」
「あ、いえ。別に構いませんが、僕が魔術師でダンジョン探索者だと何の都合がいいんですか?」
問いかけると、二人は満面の笑みを浮かべた。
「実はな、リグレは俺たちと違って、魔術の才能があるっぽいんだよ」
「そうなんだよ。この間なんて、遊んでた積み木をぷかぷか浮かせてねぇ」
「積み木を浮かせた……」
ということは、風属性の魔術か、重力属性の魔術を使ったってことか……。
「だから、魔術の授業をしてくれる幼稚園に入れてやりたかったんだが……」
「魔術を教えてくれるようなところは、授業料が高くてねぇ……」
たしかに。
僕も魔術の授業がある幼稚園に通っていたけど、貴族とか大商人の子供ばっかりだったもんな……。
「そこで、お願いなんだが……、リグレの家庭教師になっちゃくれねぇか?」
「あんまり高いお礼は出せないけど……、その代わり、ご飯と寝る場所は提供するから!」
住み込みの家庭教師か……。
たしかに、王都に戻っても、職がすぐ見つかるわけじゃないし、いい話なのかもしれない。でも……。
「……いいんですか? 道ばたに倒れてたようなやつに、大事な娘さんの家庭教師を任せても」
しかも、そうなったのも、認めたくないけど、自業自得だった。
倒れていた理由を知れば、二人もあきれるはず――
「なんだ、そんなこと気にすんなよ!」
「行き倒れの一回や二回なんて、若いころは誰でもするもんだよ!」
――なのに、二人は事情を聞くことすらしなかった。
「まあ、なんか失敗しちまったのかもしれないけどさ、そんなの若いうちはよくあることだって」
「そうそう。みんな、そうやって年取っていくんだからさ」
……そう言って、もらえるのなら。
「それなら……、僕でよければ」
どうせ行く当ても、新しい勤め先の当てもないんだ。しばらくの間ここで世話になるのも悪くない。
「本当か!? フォルテ……、いや、フォルテさん……、いや、フォルテ先生! ありがとうな! よかったな、リグレ!」
「ありがとうね、フォルテ先生! リグレ、これで、魔法のお勉強ができるよ!」
カリダスさんとエタレオさんに声をかけられて、リグレは満面の笑みを浮かべた。
「うん! ありがとう、フォルテちゃん! これから、よろしくね!」
「あ、うん。よろしく……」
正直なところ、子供の扱いには、自信がない。
でも、居候させてもらうんだから、できるかぎりのことはしよう。
「おーい」
さっきまで、すごく寒かったのに。
「ねえ、ねえ」
ひょっとして、力尽きて天国にいたりするのかな?
「まだ、寝てるのー?」
それだと、この声は天使なのかもしれない。
「ご飯ができたよー?」
ご飯、か。
ぐぅぅぅぅぅぅ
……天国に来ても、空腹は感じるものなのか。
「だから、起きてー」
ひとまず、起きようか……。
「あ! 起きたー!」
目を開くと、茶色の長い髪をした、緑色の目の幼い女の子が覗き込んでいた。
へえ、天使ってやっぱり、可愛いんだ――
「よかった! 生きてた!」
――え? 生きて、た?
上体を起こしてあたりを見渡すと、狭い部屋にあるベッドに寝かされていた。
「おはよう! お兄ちゃん!」
「お、おはよう……」
「いま、お父ちゃんとお母ちゃん呼んでくるから、待っててねー!」
「あ、え、ちょっと待って。君は一体……」
女の子はボクの言葉も聞かずに、走り去っていった。
えーと、ひとまず、状況を整理してみようか……。
マリアンさんの店を出てから、雨に降り出される。
強い雨の中、つまずいて転ぶ。
空腹と疲労で、立ち上がれなくなる。
もう、どうでもいいと思って、そのまま意識を手放す。
……うん。思い出したくもないけど、こんなかんじだったはず。
でも、ここは海沿いの道じゃなくて、どう見ても屋内だ。ぱっと見える照明や家具は質素な造りだし、天国でもなさそうだけど……、一体ここはどこなんだろう?
あれ? そういえば、なんだか身体が軽いような……、ん?
なんで、下着だけになってるんだ?
そういえば、倒れる前に誰かの声が聞こえた気がしたな……。
ということは、追いはぎにあったんじゃ……。
「よう! 兄ちゃん、目が覚めたって!?」
「よかった! 起きなかったら、どうしようかと思ったよ!」
突然聞こえた大声に顔を向けると、質素な服を着た口ひげの生えた男性と、同じく質素な服を着た長い髪の女性の姿があった。
それから――。
「お兄ちゃん! お父ちゃんとお母ちゃん連れてきたよ!」
――二人の前で、さっきの女の子が得意げな表情を浮かべていた。
「兄ちゃんのローブは、ずぶ濡れになってたから、脱がして干してあるぜ!」
「乾くまでの間、父ちゃんの服貸してやるから、着替えたら夕飯にするよ!」
「今日はね! シチューなんだよ!」
三人は、楽しそうに笑ってそう言った。
どうやら、追いはぎというわけじゃないみたいだ。
「ありがとう……、ございます……。あの、貴方たちは一体……」
「おお! すまねえ、自己紹介がまだだったな。俺は、カリダスだ。で、こっちがカミさんのエタレオで。こっちが、娘のリグレだ」
「よろしくね!」
「よろしくー!」
カリダスさんに紹介され、エタレオさんとリグレがニコリと笑った。
「それで、兄ちゃんは?」
「あ、えーと、僕の名前はフォ……」
ぐぅぅぅぅぅ
「……すみません」
なんで、このタイミングで腹が鳴るかな……。
「はははははは! 気にすんな兄ちゃん! まずは、飯にしようぜ! 着替えはそこのタンスに入ってるやつを、適当に着てくれ!」
「そんじゃ、着替えたらおいで!」
「お母ちゃんのシチュー、すっごくおいしいから、はやくきてね!」
三人はそう言いうと、部屋から出て行った。
ひとまず、着替えを借りて食事に向かうことにしよう。
タンスに入っていた質素なチュニックに着替えてドアを開けると、シチューとパンが乗ったテーブルを囲む三人の姿が目に入った。
「おう! 兄ちゃん、こっちこっち!」
「さ、あったかいうちに、早くおあがり!」
「はやくはやくー!」
三人は口々にそう言って、手招きをする。とりあえず、歓迎はしてくれてる、のか。
席に着くと、カリダスさんが胸の前で指を組んだ。
「それじゃあ、今日も家族そろって無事に夕飯が食えることを、神様と母ちゃんに感謝します! いただきます!」
「いただきまーす!」
「たーんと、めしあがれ! ほら、兄さんも遠慮せずに!」
「どうも……」
エタレオさんに勧められるまま、シチューを口に運んだ。その途端に、カリダスさんとリグレが得意げな表情を浮かべた。
「どうだい、母ちゃんのシチューは、美味いだろ?」
「お母ちゃんのシチューは、世界一なんだよ!」
正直なところ、このシチューより美味いシチューを出す店は、王都にいくつもある。でも、今そんなことを口に出して、このなごやかな空気に水を差すのも悪いか。
「はい、とても美味しいです。今まで食べてきた中で、一番」
しまった、ちょっとわざとらしかったかな……。
「あらあら、それは嬉しいねぇ。まだ沢山あるから、どんどんおかわりしておくれ!」
心配をよそに、エタレオさんは目を細めて笑った。
……ここは、お言葉に甘えることにしようかな。
「ありがとう、ございます。では、ぜひ……」
「ねえ、ねえ」
不意に、隣に座っていたリグレが、袖を引っ張った。
「お兄ちゃんのお名前は、なんていうの?」
そうだ。まだ、自己紹介をしてなかった……。
「申し遅れました。僕は、フォルテといいます」
「フォルテ……、古い言葉で『勇敢』か。うん、いい名前だな!」
カリダスさんは、笑顔でそんなことを口にした。
……いい名前、か。
たしかに、この名前に恥じないようなダンジョン探索者を目指して、固有スキルを活かした戦い方をずっとしてきたつもりだった。
でも――
「その場にいた全員を危険にさらした」
「勇敢と無謀は、全然違うのにねー」
「下らない見栄のために」
――結局は、全部ひとりよがりだった。
それどころか――
「俺がまたパーティーにもどれば……」
――ずっと悲惨な状況で戦っていた憧れの人を、また追い詰めるようなことをした。
一体、僕のなにが勇敢なんだろう……。
「お、おい? フォルテ、大丈夫か!?」
軽くにじんだ視界の中に、カリダスさんの慌てた表情が浮かぶ。
「すみません……、大丈夫です……」
「ならいいけどよ……。そ、そうだ、フォルテ、着てたローブ見て思ったんだけど……、お前って魔術師だったりするか?」
「はい、そう、ですが……」
「本当か!!」
突然、カリダスさんの目が輝いた。
「母ちゃん! 今の聞いたか!」
「ああ! 聞いたとも!」
エタレオさんの目も輝きだす。
一体、急にどうしたんだ?
「魔術師だと、学校の先生か? それとも、ダンジョン探索者か?」
カリダスさんが、目を輝かせたまま、テーブルに身を乗り出してきた。
「あ、はい。ダンジョン探索者です。今はちょっと、休業状態ですが……」
「それなら、なおのこと都合がいいぜ! な、母ちゃん!」
「ああ! まったくだねぇ!」
都合が、いい?
本当に、一体何の話をしてるんだ?
「もう! お父ちゃんもお母ちゃんも、ちゃんと、じょーきょーせつめーしないと、フォルテちゃんが困ってるよ!」
リグレに叱りつけられ、二人はようやくハッとした表情を浮かべてくれた。
「コイツはすまねぇ……、つい……」
「悪かったね、フォルテ……」
「あ、いえ。別に構いませんが、僕が魔術師でダンジョン探索者だと何の都合がいいんですか?」
問いかけると、二人は満面の笑みを浮かべた。
「実はな、リグレは俺たちと違って、魔術の才能があるっぽいんだよ」
「そうなんだよ。この間なんて、遊んでた積み木をぷかぷか浮かせてねぇ」
「積み木を浮かせた……」
ということは、風属性の魔術か、重力属性の魔術を使ったってことか……。
「だから、魔術の授業をしてくれる幼稚園に入れてやりたかったんだが……」
「魔術を教えてくれるようなところは、授業料が高くてねぇ……」
たしかに。
僕も魔術の授業がある幼稚園に通っていたけど、貴族とか大商人の子供ばっかりだったもんな……。
「そこで、お願いなんだが……、リグレの家庭教師になっちゃくれねぇか?」
「あんまり高いお礼は出せないけど……、その代わり、ご飯と寝る場所は提供するから!」
住み込みの家庭教師か……。
たしかに、王都に戻っても、職がすぐ見つかるわけじゃないし、いい話なのかもしれない。でも……。
「……いいんですか? 道ばたに倒れてたようなやつに、大事な娘さんの家庭教師を任せても」
しかも、そうなったのも、認めたくないけど、自業自得だった。
倒れていた理由を知れば、二人もあきれるはず――
「なんだ、そんなこと気にすんなよ!」
「行き倒れの一回や二回なんて、若いころは誰でもするもんだよ!」
――なのに、二人は事情を聞くことすらしなかった。
「まあ、なんか失敗しちまったのかもしれないけどさ、そんなの若いうちはよくあることだって」
「そうそう。みんな、そうやって年取っていくんだからさ」
……そう言って、もらえるのなら。
「それなら……、僕でよければ」
どうせ行く当ても、新しい勤め先の当てもないんだ。しばらくの間ここで世話になるのも悪くない。
「本当か!? フォルテ……、いや、フォルテさん……、いや、フォルテ先生! ありがとうな! よかったな、リグレ!」
「ありがとうね、フォルテ先生! リグレ、これで、魔法のお勉強ができるよ!」
カリダスさんとエタレオさんに声をかけられて、リグレは満面の笑みを浮かべた。
「うん! ありがとう、フォルテちゃん! これから、よろしくね!」
「あ、うん。よろしく……」
正直なところ、子供の扱いには、自信がない。
でも、居候させてもらうんだから、できるかぎりのことはしよう。
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