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2015年

2:8の法則から紐解く、ランキング上昇の戦略、自分が書きたい小説を書くのが最強である

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 最近、森永ピノ子さんのヒットエッセイがきっかけで「小説家になろう」での小説の書き方とか、評価、ブックマーク、感想などについて考えることが多いです。

 結論から書いてしまうと、『小説家になろう』であまり書かれない自分の書きたいオリジナル作品を書くのがいいと思います。

 桐葉山さんのエッセイに出て来る『パレートの法則』、いわゆる『2:8にっぱちの法則』と言われるものがあって、『ランキングの上位二割が、ブックマーク、評価の八割を取る』というものです。

 この法則は今の資本主義社会全体にも当てはまり、格差社会問題とも言われています。

 森永ピノ子さんが言ってる『餌』的な話も満更、当たってないこともないというか、それがこの世界全体の法則でもあります。

 これは人の組織にも当てはまって、会社では有能な二割の人が売り上げの八割を叩きだし、他の八割は売上の二割ぐらいの働きしかできないと思った方がいいです。

 では、この有能な二割のエリートを集めて組織を作っても、やっぱり、そこにも『2:8にっぱちの法則』が出現してしまうのです。逆も真なりで、ある幼稚園で片付けを良くする二割の子供をグループから隔離したら、片づけしない八割のダメグループから片付けを良くする子供が出現するという現象があったそうです。

 この有能な二割のエリートを集めて組織を作ったら、世界最強になれるか?というと、確かに全体レベルが高いのでいい線はいくのですが、必ずしもそうなるとは限りません。

 一時期のプロ野球の巨人軍みたいに、金に物を言わせて優秀な四番ばかり集めても、全くダメだったり、サッカーのレアルマドリードが絶対、優勝するかというと、そうとも限らない訳です。

 何かのチームを作る時には、各自がそれぞれの役割をしっかり果たさないといけないし、実績のある選手は年を取ってることが多いので、チーム全体が高齢化して、チームの新陳代謝が上手くいかなくなることもあるのです。

 日本経済も高齢化による人口減少、人件費の高騰、高付加価値商品と新興国の需要とのミスマッチなどでGDP横ばいで、中国のGDPは日本の三倍になってます。人口比率から言えば日本のGDPは高いのですが、人口増加ボーナスのよる経済成長などはもう期待できないですね。


 つまり、『2:8にっぱちの法則』というのは、今の社会そのもののシステムなんです。

 『小説家になろう』もこれからまだまだ成長するかもしれませんし、新しい作家が現れると思います。

 ただ、なろうのランキング100~200位の作品が書籍化してることからランキングのピラミッドはほぼ完成してるので、テンプレ小説を書いても、書籍化作家さんの類似作品ではそちらに負けてしまってポイントが伸びなくなっていきます。

 逆にいうと、数十万とゼロポイント作品の様なブックマークや評価の差がついてしまうのは、全く不思議ではない事ではないことになります。

 異世界、転生などテンプレ小説と呼ばれてる小説ジャンルも、なろうができる前、ほんの数年前にはこの世に存在もしなかったし、その時はオリジナルのジャンルだったはずです。

 それらしきものはあったとしても、ひとつのジャンルとして確立してはいなかったと思います。

 あるジャンル、カテゴリーで上位の10位ぐらいまで充分、下手したらベスト5ぐらいの作品だけでもいいというか、ひとりの人間が読める作品の数はほんと少ないと思います。

 ライバルはスマホのゲームだったり、テレビや映画、アニメだったりします。時間の奪い合いです。
 僕も他の作家さんの作品読んでたら、自分の作品書く時間がなくなってしまって、これはまずい!と思ったりしますが、面白いとつい読んでしまいます。

 これはこれで書くのが行き詰ってる時に息抜きになったり、作品のヒントがもらえたりするので、実は結構、小説書くのにプラスに働いてます。人生に無駄はないのです。

『小説家になろう』の小説は無料で読めるし、暇つぶしに最適というのが多くのユーザーの本音かもしれません。

 
 『小説家になろう』から色んな作品が出版されましたが、突出して売れるドル箱作品は『ソードアート・オンライン』などほんのひと握りです。

 数年前に『小説家になろう』がこれほどブームになる前にここで作品を書いていたら、テンプレ小説を書くだけでも良かったかもしれません。本当はテンプレ小説という小説は存在せず、都合のいいレッテルに過ぎないという話もあります。

 ランキングのピラミッドが完成してしまった現在では、今まで書かれていない類似しない本当のオリジナル小説を書くしか方法がない訳で難易度もかなり高くなってます。
 とはいえ、実は状況はあまり変わってないという話もあります。


 『2:8にっぱちの法則』がこの世界にも当てはまるとしたら、自分が新しいジャンルを作ってやる!ぐらいの小説を書く必要が出てきてます。

 自分独自の個性や性格、体験の中にランキングを上がっていくヒントが隠れている訳です。

 結局、自分が書きたい小説を書く、他にないオリジナル要素を入れた作品を書くというのが最強という結論になります。

 類似作品を書いても、ランキングのピラミッドに予定調和的に組み込まれてしまって、決して一位は取れないということになります。

 書籍化作家さんの作品は、テンプレ小説に似てるように見えて、それぞれに新機軸やオリジナル要素が入ってるということで、個別にはオリジナル作品なんです。 

 ランチェスター弱者の戦略に戻ってしまうのですが、ライバルがいないオリジナルなジャンルで自分の書きたい小説を書きましょう!ということです。

 それが一番の近道だったんですね。青い鳥のお話みたいですね。

 次回はみんなご存じだと思いますが、日間ランキングの法則について考察します。


 
 この『小説家になるための戦略ノート』もそろそろ結論が出てしまったようで、今後は今まで通りですが不定期更新ということで、小説を書く方に重点を移していきます。実践の方を頑張っていきます。


サムエル出撃 《シルバーウィング》/魔導天使~グノーシスの黙示録~ 作者:坂崎文明(感想 4件 レビュー 0件 ブックマーク登録 10件 総合評価 50pt)を更新しました。
http://ncode.syosetu.com/n3976bx/ 

 こちらの作品、地味にブックマークや評価が増えてまして、『戦記ジャンル』の日間13位、週間ランキング60位にも載ったりしています。今日もブックマークがひとつ増えたりして、ランキングに載ってるうちにどんどん更新すればブーストかかるのですが、遅筆のため週一ぐらいが限度です。どんどん更新する必要性を痛感しています。

 ほんと読んでくれたり、ブックマーク、評価してくれて、ありがとうございます。

 それと、辻正信子中佐が狂犬すぎるのが面白いので、こちらの作品も読んでしまったりしてます。

勇者召喚!大東亜戦記 ~辻正信子中佐と勇者中隊~ 作者:中七七三
http://ncode.syosetu.com/n6180cm/(作者退会)


 『魔導天使~グノーシスの黙示録~』は今から十年ぐらい前から書きたかった作品で、ストーリーとか、全体の流れは変えずに(でも変わってしまうかもですが)、なろう風の新キャラを出したり、どこかで読んだような要素をテンプレ的に入れてみたり、ラノベ風にアレンジしたりしています。

 わざと?くだらないギャグを入れてみたりしてるのは、ユーチューバ―のメイン視聴者が実は小学生ということで、年齢低い方向けに、そういうのも入れてみようかという試みだったりします。

 でも、桐葉山さんの『2:8にっぱちの法則』からすると、作品にマイナスの結果を生み出す恐れもありますし、とはいえ、書いてて、結構、面白いので、やりたいようにやっていこうと思ってます。

 それも含めて、そういうのも含めて自分の作品ができるのだと思っています。


 次回は『アニメ「艦コレ」三話が炎上しすぎてる件、蒼き鋼のアルペジオとワールドトリガーの設定に学ぶ』というタイトルで書きかけになってますが、それとは別に日間ブースト現象について書きたいと思います。

 
 




(あとがき)


Hagex氏の事件に想う、終わりなき日常をどう生きるか?僕の小説ふたつがマグネットの公式おすすめ小説なってるにのに全くブクマ伸びなくてとてもつらい(泣)/小説家になるための戦略ノート 作者:坂崎文明
https://ncode.syosetu.com/n4163bx/307/

マグネット
https://www.magnet-novels.com/


 こういうエッセイ書いてしまったが、「複垢調査官 飛騨亜礼」「安倍晴明と安東総理のやり直し転生譚」がマグネットの公式おすすめ小説になってるのに、ブクマが伸びないのがつらいです。
 
 
 何かもう他人事だと思えない事件だったりします。
 Hagex氏のご冥福をお祈りします。
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