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6.狩るものと狩られるもの

尊厳の獲得、そして破壊。

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 「はぁ……はぁ……はぁ……」

 ハルミとの激闘を制し控え室に戻った愛理。

 肉体は今なおジンジンとうずき、思考はふわふわと宙を彷徨さまようように不鮮明だ。

 それでも今宵手にした〝勝利〟の興奮と喜びは、彼女の精神を根底からしっかりと支えるいしずえとして確かに存在を実感できる、極めて大きなものだった。

 (ケイ……恭子……私、勝ったわよ……)

 疲労困憊の身体をソファにグッタリと預けながら、思い浮かべたのはケイとの……。

 恐怖、羞恥、屈辱、そして絶望。

 ケイから与えられた果てしない〝オンナとしての差〟に、ただただ自らの弱さを呪ったあの夜。

 だが、その奈落のような絶望の淵で手にした確かな〝光〟が、ハルミとの戦いの中で愛理を支えていたのは疑いようのない事実であった。

 弱さを認めると同時に、そんな自らを深く愛し、そして信じてやること。

 そこにあるただ唯一の光こそが、最上級のセックスという救済であること。

 (私は初めから手にしていたのよ。でも、自分の〝真の姿〟に目を背け、プライドという仮面を装って生きてきただけ……それに気付かせてくれたのが恭子、ケイ、そしてハルミだった……)

 「私……まだまだ強くなれそう……!」

 愛理は未だ夢見心地のようにぼんやりと控え室の天井を仰いだまま、訪れた睡魔がいざなうままにゆっくりと目を閉じた。



 フロアではEl Doradoエルドラードの3回戦が行われており、フロアの歓声が薄く開かれた控え室のドアをすり抜ける。

 「すぅ──……すぅ──……」

 愛理は極度の緊張と肉体疲労からの解放で、試合後にも関わらずシャワーも浴びずに寝息を立ててソファに眠る。

 バタンッ!

 突如、乱暴にドアが開け放たれた。

 カッ、カッ、カッ、カッ……

 複数人のヒールの音が、殺風景な控え室に高く響き渡る。

 愛理は未だに微睡まどろみの中にあり、〝侵入者〟の存在に気付いていない。

 「すぅ──……」

 「……」

 乱入してきた3人のキャットスーツの女たちがソファを取り囲み、無防備な愛理の寝顔を無言のまま見下ろす。

 女たちは一様にヴェネチアン・マスクで目元を隠すが、〝計画〟の成功を確信して口元だけで妖しく微笑み合う。

 彼女らは目線で意思を伝え合い、小さく頷き合い、それぞれ与えられたの決行に備える。

 スッ……

 1人の女が右手を顔の前にかざし、3本の指を立て、囁くようにカウントダウンを開始する。

 「3……2……1………GOッ!!」



 その女の合図を皮切りに、3人は一斉に寝ている愛理に掴み掛かった。

 「んんっ……えっ!?なっ……キャアアッ!?!?」

 寝込みを襲撃された愛理は思考がまるで追いつかないが、「見知らぬ女たちに襲われている」という危機的状況である事はすぐさま理解し、恐怖のあまり叫んだ。

 「嫌ァァァッ!!離してッ!!誰か……むぐッ!?んぐぅぅッ!!」

 リーダー格であろう大柄な女が、背後から口内にハンカチを無理矢理に詰め込むと、愛理の顔を覆い隠してしまいそうな程に大きな手のひらで口を塞いできた。

 「キャンキャン騒ぐんじゃないよ。痛い目に遭いたいの?」

 酒に焼けたような低いしゃがれ声が、愛理の耳元で呟く。

 横から突き出した別の女の手には、スタンガンが握られていた。

 バチッ、バチッ

 「うぅ……!!んむッ……!!」

 愛理は恐怖に怯え、何度も大きく首を横に振る。
 目からは涙が溢れ、全身から血の気が引けてゆく。

 「ほら、立ちな」

 2人の女が愛理の両腕を掴み、無理矢理にソファから立ち上がらせる。
 スタンガンの女が手早く愛理の口にタオルで猿轡さるぐつわをし、後ろ手に手錠を掛けて拘束すると、もう一方の女はロッカーにある愛理の衣服やバッグなどの私物を瞬く間に回収してゆく。

 (誰かッ!!誰か助けてッ!!)

 多勢に無勢、女たちのチームワークの前に愛理はただただ身を震わせる事しかできない。

 「ねぇ、持ち物はこれで全部?」

 色白でショートカットの女が、回収した愛理の私物を見せるが、今の愛理はまともに判別する思考回路を持ち合わせてはいなかった。

 「うぅぅぅ……!!ふぅぅぅ……!!」

  愛理はコクコクと素早く頷き、うめくような声を上げながらさめざめと落涙する事しかできない。

 「よし、行くよ」

 拘束された愛理は両脇を抱えられながら、ズルズルと控え室から連行される。

 気がれてしまいそうな程のストレスと恐怖に、愛理は全身が硬直してまともに歩けない。

 それをじれったく思った大柄な女が、愛理の身体を肩に担ぎ上げた。

 「ん───ッ!?んぅ──ッ!!」

 突然宙に浮いた自分の身体に驚き、愛理はもがいて抵抗するが、女はそれを気にも止めずに廊下を足早に移動する。

 一体何が起こった?これは現実……?

 全裸のまま連れ去られてゆく愛理。

 反対側のフロアから聞こえていた観客の歓声と、恭子の声が遠ざかってゆく……。



 未明の街には打ちつけるような強烈な雨が降り注いでいた。

 (寒いッ……そ、外ッ!?)

 地上へと出た愛理と3人の女たちは、ビルの裏口に横付けされた黒のミニバンに乗り込む。

 「ほら乗りな、早く!」

 「んぅぅッ!?」

 後部座席に押し込まれた愛理は、大柄な女の手によってアイマスクを装着させられた。
 視界を奪われた闇の世界に、愛理の精神はますますパニック状態に陥る。

 (嫌ァッ!!なんでッ!?なんでこんな事をッ!!)

 だが、圧倒的な暴力を前に抵抗する気力すら呆気なく削がれ、この〝理不尽すぎる運命〟に従うしかなかった。

 雨の中を車が動き出す。

 「これからアンタにはとことんもらうけど、逃げ出そうなんて考えるんじゃないよ?おとなしくしてれば、ご褒美をあげる……❤︎」

 ギチッ!ギュゥゥゥゥ……ッ!

 大柄な女はそう言うと、全裸のままの愛理の乳房を鷲掴みにして力一杯握り潰す。

 「んォッ!?いぃッ……ぎィィ……!」

 暗闇の中の突然の激痛に、愛理はジタバタともがき苦しむ。

 (痛いッ!?痛いィッ!!おっぱいもげるゥッ!?)

 伝説を演じた〝今宵のヒロイン〟は今、その舞台から人知れずに拉致された。



 午前3時、狂宴は幕を閉じた。

 大役を終えた恭子は壇上から降り、一目散に愛理のいる控え室へと向かう。

 (ふぅ、進行役なんて、慣れない事やるモンじゃないなぁ……)

 恭子は今夜の自らの仕事ぶりに不満を抱きつつ、それよりもいち早く愛理の元を訪れたいと考えていた。

 試合前の舞台袖で愛理が聞こうとしたことを、恭子はあえてさえぎった。

 過酷なEl Doradoエルドラードの舞台で勝ち残るために、愛理の中にある〝恭子への想い〟を、今はただ封印しておきたかった。

 (単なる勘違いかもしれない。でも、もし〝本物〟だとしたら)

 愛理の想いを封じることは、すなわち恭子自身の想いにも目を逸らすことだ。

 (でも今の愛理には、それは雑音になってしまう。だから……)

 それでも今夜の愛理の戦いを魅せられたら、動かずにはいられない。

 せめて精一杯にねぎらいたいと、控え室のドアを開けた。

 「愛理っ!」

 恭子が勢いよく控え室に入る。そこには愛理の笑顔があるはずだった。

 「え……?」

 「……き、恭子」

 そこには、青白く生気を失ったケイだけが1人呆然とたたずんでいた。



 不気味なほどに閑散とした控え室。

 恭子は部屋の隅から隅まで目を働かせるが、抱き締めてやりたい女の姿はそこにはない。

 「愛理は……」

 何かとてつもなく嫌な予感がする。ケイの答えを聞きたくないとさえ思った。

 ケイとは長年の付き合いだが、あの感情を表に出さない女が、明らかに狼狽ろうばいしているのが一目で分かった。

 「分からない……試合が終わって20分後くらいかな、私が控え室を訪ねた時にはもう愛理はいなくなってた……」

 その説明を聞いて、恭子の鼓動が一気に高まる。

 (そんなバカな)

 「な、なんで……」

 「分からないッ、全然心当たりが無いの……愛理の服も、荷物もない……でも、メイクセットだけはドレッサーに置きっ放し……」

 今にも泣き出しそうな震える声でケイは答えるが、くしゃくしゃと頭を掻き毟りながらその場に座り込んでしまった。

 未だかつて見たことのないケイの弱りきった姿に、恭子も動揺を隠せない。

 「帰ったわけじゃないよね?な、なら電話してみれば……」

 「何度もしたッ!でも出ないのッ!」

 「じ、じゃあ愛理は……」

 言おうとして、恭子はそれを躊躇ためらった。恐らくは、ケイも同じ事を考えているであろう事も察しがつく。

 だが、そんな事は考えたくなかった。

 そんな事は、いくら何でも事だと。

 「私のせいだ、私がもっと早く来ていれば……」

 ケイは完全に憔悴しょうすいしきり、ガックリと項垂うなだれて目を泳がせている。

 「ち、違う……ケイは……」

 恭子は慰める言葉を探すが、恭子自身も張り裂けそうな心中を抱えきれず、今にも膝から崩れ落ちそうな程の無力感に打ちのめされていた。

 2人は無言のまま、ただうつむくしかなかった。



 土砂降りの雨の中、真夜中の環状線を1台の車が走り抜けてゆく。

 どれくらい走り続けただろうか、しかし目隠しをされ自由を奪われた愛理には永遠にすら思える恐怖のドライブが続いていた。

 (どこへ向かっているの……私……どうなるの……)

 身柄をさらわれてから今に至るまで散々に号泣した愛理は、もはや泣き疲れて思考を巡らす気力すら残っていなかった。

 数時間前の勝利の歓喜から一転、愛理は絶望の真っ只中を宛てもなく彷徨さまよう。

 「愛理」

 しゃがれた声が愛理の名を呼ぶ。リーダー格の大柄な女だ。

 「アンタも可哀想な女だね、大人しくホテヘル嬢でもやって客のチンポしゃぶってりゃ、こんな事にならずに済んだのに」

 女は鼻で笑いながらそう言うと、愛理の前髪を掴んで無理矢理に顔を向けさせる。

 「んんッ!?むぅぅぐぅぅッ!!」

 「可愛い顔してるのに、跳ねっ返りな性格が仇になったね。こういう身の程知らずな小娘は、とことんしつけてやらなきゃダメよ」

 女は愛理の乳首を指先で摘むと、ひねり上げるように強く引っ張った。

 「ひぎッ!?いんぎィィィッ!?」

 (痛いッ!!乳首ッ!!ちぎれるッ!!)

 声にならない声をあげて激痛に耐える愛理。

 その様子を見て、車内の3人はクスクスと笑う。

 「あははっ、ホント噂どおりのマゾ豚女じゃん。可愛い声で喘いじゃって。乳首壊されるの嬉しいんだ?」

 運転席の茶髪でロングウェーブの女が、愛理の反応をあざける。

 「仕方ないよね❤︎セックスする為に産まれた真正マゾのオマンコちゃんだもんね❤︎」

 助手席のショートカットの女も、卑猥な言葉で罵りながら続けて笑う。

 「これから徹底的に調教してやるからね。自分から地べたに頭擦り付けて種付けをねだる〝本物のマゾ豚奴隷〟に仕上げてやるから覚悟しな!」

 ドンッ!

 「ふぐッ!?」

 大柄な女は愛理の顔を鷲掴みにして突き飛ばし、愛理は勢いよく仰向けに倒れ込む。

 (調教……?何を言ってるのよコイツら……!)

 自らの身に迫る〝絶体絶命〟の危機にも、今の愛理はあらがう術さえ持っていない。

 車は女たちを乗せたまま、都心を背にして走り続ける。



 愛理、失踪──。

 その報はすぐにARISAの耳朶じだにも触れる次第となった。

 「史織さんが絡んでるはずです!絶対に!」

 スマホを片手に恭子はサークル事務所のある都心のマンションへと向かっていた。

 「恭子、私もその可能性が一番高いと思うけど、あくまで今はの段階よ」

 息が弾んだ恭子とは対照的に、電話口の向こうのARISAの声はあくまで冷静だった。

 (史織……随分と手荒な手段で来たのね。馬鹿な真似して……)

 ARISAもまた、愛理の失踪には史織が関係していると睨んでいた。

 おそらく、先程の試合後にARISAの元を訪れた時……史織は〝ARISAとの決別〟を覚悟していたのだろう。

 だが、ARISAには一つの確信があった。

 それは「1週間後のEl Doradoエルドラードまでには愛理は必ず戻ってくる」という事。

 愛理は今や『El Dorado』の人気選手となり、その地位は今夜のハルミとの激闘で絶対的なものとなった。

 愛理が参戦してからのサークル会員の増加や、それに伴うイベント開催での莫大な収益を、イベント主催者である史織自身が、私欲のためにみすみす手放すとは到底考えられない。

 もっと言えば、『El Dorado』における愛理の存在……が、史織自身をサークルに縛り付けているのだ。

 今このタイミングで、史織が愛理を連れてサークルから抜ける事は有り得ない。

 (愛理を脅すのか、それとも手元に置いてにするのか……少なくとも『El Dorado』を降ろす事はできない)

 ARISAは恭子をなだめながら、〝次なる手〟を模索する。

 (史織、あなたの〝美学〟は勝手だけど……愛理があなたを選ぶかしらね?)



 都心を離れて2時間あまり、女たちを乗せたミニバンはとある古ぼけたビルの玄関先でエンジンを停止した。

 (止まった……?ここ、どこ……?)

 ガラッ

 「降りな」

 「ふぐッ!?」

 降りしきる雨も気にせず、女たちは3人掛かりで後部座席に横たわる愛理を担ぎ上げて屋内へと連行する。

 雨に濡れた肌は愛理の体温を奪い、恐怖と心細さに更なる追い討ちを掛ける。

 エレベーターに乗り込み、ドアが閉じる。

 聞こえてくる女たちの息遣いと、むせ返るような香水の匂い。

 そんな生々しい感覚でさえ、今の愛理には〝非現実的〟に感じた。

 10秒ほどでエレベーターのドアが開くと、愛理は両手を掴まれて引き摺り降ろされる。

 地面はコンクリート製で、エナメルストッキング越しにも骨まで凍えるような冷たさが身体に伝わる。

 「愛理、ここでアンタにからね!」

 大柄な女が威嚇するように叫ぶと、背後から手荒にアイマスクを剥ぎ取る。

 「あうッ……うッ……!?」

 部屋の蛍光灯の眩しさに目を閉じる愛理。

 そこはブラインドを降ろした窓と、打ちっぱなしのコンクリート壁以外には何も存在しない場所だった。

 そしてその真ん中には正方形の大きなレザーマットが敷かれている。

 (ここは……!?)

 愛理は部屋中を見渡すが、この状況がまるで理解できない。

 ただ一つ分かっている事は、車内で女が言った〝調教〟の二文字……。

10

 ドンッ!

 「んぅッ!」

 背中を突き飛ばされ、マットに倒れ込む愛理。

 なんとか身体を起こそうともがいていると、背後からヒールの音が近付く。

 (!?)

 バシャァァァンッ!!

 咄嗟に振り向いた愛理に、突如として大量の冷水が浴びせられた。

 「うぷッ!?ぶふぅぅぅッ!?」

 浴びせたのは黒髪ショートカットの女だった。
 空のバケツを手に愛理に近付くと、ニヤニヤとした笑顔で愛理の濡れ髪を掴んで顔を向けさせる。

 「試合終わってシャワーも浴びてなかったもんね?臭っさいカラダ洗ってあげたから感謝して❤︎」

 そう言いながら彼女は愛理の口に嵌めた猿轡を解いて外す。

 「ふぅッ、んぷッ……ぷはァッ!」

 愛理は口内に詰め込まれていたハンカチを吐き出すと、乱れた呼吸のまま堰を切ったように怒鳴る。

 「はぁッ、はぁッ、嫌ッ……なんなのよあなた達ッ!?こんな事して……タダで済むと思っているのッ!!」

 強い眼差しで睨み付けながら啖呵を切るが、全身は恐怖に震えて脱力したきりだ。

 目元を仮面に隠した3人の女は哀れな〝囚われのヒロイン〟を見下げながら、クスクスと含んだ笑いで顔を見合わせている。

 「ハハッ……愛理、アンタがイイ子にしてればすぐ終わる話だよ。けれど、生意気な態度を改めないならで分からせるしかないけどね?」

 リーダー格の大柄な女が愛理の眼前に立ちはだかる。

 (う……デカい……!?)

 明るい場所で改めて見るその女は、息を呑むほどに〝巨大〟であった。

 それは「縦」にも、「横」にも。

 身長はヒールを抜いてもおそらく180cm近く。恭子よりもさらに頭ひとつ大きい。

 そして太く重厚すぎる丸太のような四肢と、でっぷりと突き出た腹回りの上に、顔よりも大きな乳房が2つ乗っかっていた。

 まるで〝重戦車〟──。

 そんな言葉が愛理の脳裏をよぎった。

 大柄の女はのそりと愛理の前でしゃがむと、その大きな手で愛理の両頬に掴み掛かる。

 「んむッ!?痛ッ……ひゃめッ……!!」

 ミリミリと頬に食い込む指が、愛理の顎を無理矢理に開かせてゆく。

 「んぶッ!んむぅぅ~……!」

 「フハハッ!不細工な顔だねッ!」

 桁違いのパワー。極めて冷徹な加虐者サディスト

 歪んだ愛理の顔に、女は吐き捨てるように告げる。

 「愛理、お前は今から私たちの愛奴ペットだよ。主人に平伏ひれふす悦びを、そのカラダにイヤというほど叩き込んでやる。お前自身、チンポに媚びるだけの卑しいマゾ雌豚である事を理解させてやるからね!」

 プッ!!

 「ぶゥッ!?」

 残酷なる宣誓と共に、愛理の顔に唾を吐きかける女。

 その光景を見てケタケタと笑う女たち。

 (ウソよ……誰か……助けて……!)

 謎の女3人による、逃げ場なき恐怖と快楽の檻──。

 取り戻したはずの愛理の〝オンナとしてのプライド〟は、今再び粉砕されようとしていた……。


(第6章 完)
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