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この人と
幸せになります
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晴れ渡る青空と風が花の良い香りを運んでくる。
まるで世界から祝福されてるんだ……と思えるぐらいだった。
いつの世界も花嫁は忙しい。
朝の早くから、お風呂にマッサージ。
着替えに髪型を整えたりとかなり忙しくしていた。
時折アルが覗こうとやって来たが、メイド達に撃退されていた。
式でのお楽しみ………ってことらしい。
そうこうしてると、リカルド父様とハワード公爵家の家族みんなが部屋に入ってきた。
「シオン。おめでとう。緊張してる?」
「シオン綺麗だね。もういっそお嫁に行くの辞めませんか?」
「何ばかなこと言ってるの!本当に困った男供だこと!」
そう言って笑ってる。
この世界でも家族だ。
過去の異世界からやって来た方々のおかげで、今の幸せがあると言っても良いと思う。
思わず涙が出そうになる。
「ダメよ。花嫁が今から泣いたらせっかくのお化粧が取れてしまうわよ」
そう言ってハンカチで拭ってくれた。
たわいもない会話を少しして
「それじゃ、神殿で待ってるわね」
と言って出て行った。
本当の世界の家族にはもう会えないけど、私幸せだよって伝えれたらと思う。
あ~、せっかく止めてた涙がまた出そうだ………
そんな事を考えていたら、神殿に向かう時刻がやって来たようだ。皆に促され、廊下を進む。
会場に近づくにつれドキドキ緊張と不安感に見舞われる。脚がもつれそうだ
世の中の花嫁はこんな感じなのだろうか……
本当に、婚礼に関しては、故郷とよく似ている事が多々ある。
懐かしい思いと緊張で胸がいっぱいだ。
真っ白なウエディングドレスに長いベール。
チャペルに似た会場の中心である赤い絨毯が敷かれているバージンロードを歩くために、神殿の入り口で待つアルに近づく。アルは白に金糸銀糸房がついている軍服のような服装だ。
かっこいいな。
私の旦那様になる人……
「シオン」
と呼ばれて、手をとられた。
腕を組み、2人で赤の絨毯を歩いて祭壇に向かう。
パイプオルガンのような楽器で曲を演奏され、それに合わす様に歩いていく。
今までのことが蘇る。苦しかったこと。悲しかった、寂しかったこと……
そして、たくさんの幸せ……
皆んなが見守る中、私はこの人と歩いていく。
覚悟を決めたつもりだけれど……不安がないわけではない。
そっとアルの横顔を見る。
気がついたのか、微笑んで見つめ返して来た。
頬が染る……
祭壇につき、神殿の方々が進行する中、誓いの言葉を述べられた。
まるでみんなの前で再度の求婚をされている様だ…
誓約書にサインし、祝辞を述べられ、2人で塔に登り、鐘を鳴らす。
鐘の音に合わされて、鳩が離され大空に羽ばたいていった。
感動で涙する私を抱きしめて、
「シオン。私の花嫁。この世界に来てくれてありがとう。これから色んなことがあるだろう。でも、全力で護り愛し続けるよ。だからずっと側にいて欲しい。………逃がさないけどね……」
少し不穏なセリフがあっようだけど、幸せで胸いっぱいだった。
「アル。私こそよろしくお願いね。アルを支えれるように頑張るから……」
アルに抱きしめられたまま、唇をかわす。
幸せを噛み締めて
******Fine*******
このお話を読んでくださり、ありがとうございました。
この出会いに感謝いたします。
まるで世界から祝福されてるんだ……と思えるぐらいだった。
いつの世界も花嫁は忙しい。
朝の早くから、お風呂にマッサージ。
着替えに髪型を整えたりとかなり忙しくしていた。
時折アルが覗こうとやって来たが、メイド達に撃退されていた。
式でのお楽しみ………ってことらしい。
そうこうしてると、リカルド父様とハワード公爵家の家族みんなが部屋に入ってきた。
「シオン。おめでとう。緊張してる?」
「シオン綺麗だね。もういっそお嫁に行くの辞めませんか?」
「何ばかなこと言ってるの!本当に困った男供だこと!」
そう言って笑ってる。
この世界でも家族だ。
過去の異世界からやって来た方々のおかげで、今の幸せがあると言っても良いと思う。
思わず涙が出そうになる。
「ダメよ。花嫁が今から泣いたらせっかくのお化粧が取れてしまうわよ」
そう言ってハンカチで拭ってくれた。
たわいもない会話を少しして
「それじゃ、神殿で待ってるわね」
と言って出て行った。
本当の世界の家族にはもう会えないけど、私幸せだよって伝えれたらと思う。
あ~、せっかく止めてた涙がまた出そうだ………
そんな事を考えていたら、神殿に向かう時刻がやって来たようだ。皆に促され、廊下を進む。
会場に近づくにつれドキドキ緊張と不安感に見舞われる。脚がもつれそうだ
世の中の花嫁はこんな感じなのだろうか……
本当に、婚礼に関しては、故郷とよく似ている事が多々ある。
懐かしい思いと緊張で胸がいっぱいだ。
真っ白なウエディングドレスに長いベール。
チャペルに似た会場の中心である赤い絨毯が敷かれているバージンロードを歩くために、神殿の入り口で待つアルに近づく。アルは白に金糸銀糸房がついている軍服のような服装だ。
かっこいいな。
私の旦那様になる人……
「シオン」
と呼ばれて、手をとられた。
腕を組み、2人で赤の絨毯を歩いて祭壇に向かう。
パイプオルガンのような楽器で曲を演奏され、それに合わす様に歩いていく。
今までのことが蘇る。苦しかったこと。悲しかった、寂しかったこと……
そして、たくさんの幸せ……
皆んなが見守る中、私はこの人と歩いていく。
覚悟を決めたつもりだけれど……不安がないわけではない。
そっとアルの横顔を見る。
気がついたのか、微笑んで見つめ返して来た。
頬が染る……
祭壇につき、神殿の方々が進行する中、誓いの言葉を述べられた。
まるでみんなの前で再度の求婚をされている様だ…
誓約書にサインし、祝辞を述べられ、2人で塔に登り、鐘を鳴らす。
鐘の音に合わされて、鳩が離され大空に羽ばたいていった。
感動で涙する私を抱きしめて、
「シオン。私の花嫁。この世界に来てくれてありがとう。これから色んなことがあるだろう。でも、全力で護り愛し続けるよ。だからずっと側にいて欲しい。………逃がさないけどね……」
少し不穏なセリフがあっようだけど、幸せで胸いっぱいだった。
「アル。私こそよろしくお願いね。アルを支えれるように頑張るから……」
アルに抱きしめられたまま、唇をかわす。
幸せを噛み締めて
******Fine*******
このお話を読んでくださり、ありがとうございました。
この出会いに感謝いたします。
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