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囚われて
夢で思い出して
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「ママ……パパ………お姉ちゃん……」
泣きながら、森の中を彷徨っている。
あれは……私だ。
家族でキャンプに来て、野ウサギを見つけて、姉に教えてげようと思ったけど、野ウサギが逃げて行きそうで、そのまま追いかけた。
小さな体で、必死に追いかけて、気がつけば野ウサギも見失い、森の中に迷い込んでいた。
倒れていた枝に足を取られて転んでしまい、両膝をすりむいた。
怖くて怖くて仕方がなかった……
「誰か………助けて……ここどこ?怖いよ~~~」
留まると恐怖が襲いかかり、泣きながらさまよう。
グスグスと鼻をすすり、恐怖と闘いながら歩く。
すると、暗闇から、光る物が見えた。
怖い………
ギラギラと光る物……それは、野犬の瞳だった。
ゆっくりと後退するも、足を滑らせて転んでしまった。
立ち上がれない……
数匹の野犬が飛びかかって来た。
もうダメだ……
そう思って、身を縮み込ませた。………が、衝撃は襲ってこなかった。
「大丈夫?」
そう言って、立たせてくれた男の子。
「追い払ったから、大丈夫だよ。あっ、血が出てる。」
そう言って、蹲み込んで傷口を見てくれた男の子。
2人とも綺麗な男の子で、森の妖精さんのように思えた。
「すぐそこに川があったから、傷口を洗おう」
そう言って、1人の男の子に背負わされ、もう1人が支えてくれた。
川辺の岩に座らされ、傷口を洗ってくれた。
転んだ時についた土を洗い落とされた。
「痛いよな。じっとしてろよ。」
そう言って、2人の男の子に傷口を舐められた。
舌を這わされ、一瞬痛みを感じたけど、それはすぐにおさまり、何故か傷口は無くなっていた。
「お前の血は不思議な感じだ。もしかしたら、『番』か?」
「僕もそう思った。じゃ、僕達の『番』だね。双子だと、同じ『番』を持つ事が良くあるって。」
そう言って、2人は嬉しそうに抱きしめて来た。
名前を教えてもらい、きかれたから教えた。
ガラリと場面が変わり、大きな屋敷に綺麗な服を着せられて、2人と遊んでいた。
そこの大人達は微笑ましい物を見ているように優しく接してくれていた。
家族も探してくれて、両親と大人達は何か話していた。
姉は他の人と遊んでいた。
何故一緒に遊んでいないのかは分からないが…
そんな和やかな場面から一転して、怖い顔をした大人に何処かに連れさらわれ、閉じ込められた。
角の生えた大人たち。
泣いて、帰りたいと言えば、蹴飛ばされ、殴られた。
それを冷ややかに見ている女の子。
お腹も空いたが、寒さと痛みで動けなく、部屋の片隅に転がされていた自分。
もう、死ぬんだ……そう思ったら、あの2人に抱きしめられて、数人の男の人たちに守られるようにして、連れ出してもらった。
「見ない方がいいよ。」
そう言って、男の子に目隠しされて
両親の元に返されて、2人と何か約束し、分かれた。
すっかり忘れていた。
「もう少し大人になったら、迎えに行くよ。」
「僕達の事忘れないで。君は僕達の『番』。花嫁なんだよ。」
ゆっくりと瞼を開ける。
夢を見た。過去の夢。
あれは、幼い頃のこと。
迷子になり、助けられて…
いつしか、家族ぐるみで仲良くなった。
でも、何かのトラブルでさらわれて……
そう言っていた……あの男の子達は……
思い出した……………
私は昔、彼らに会った事があったんだ……
泣きながら、森の中を彷徨っている。
あれは……私だ。
家族でキャンプに来て、野ウサギを見つけて、姉に教えてげようと思ったけど、野ウサギが逃げて行きそうで、そのまま追いかけた。
小さな体で、必死に追いかけて、気がつけば野ウサギも見失い、森の中に迷い込んでいた。
倒れていた枝に足を取られて転んでしまい、両膝をすりむいた。
怖くて怖くて仕方がなかった……
「誰か………助けて……ここどこ?怖いよ~~~」
留まると恐怖が襲いかかり、泣きながらさまよう。
グスグスと鼻をすすり、恐怖と闘いながら歩く。
すると、暗闇から、光る物が見えた。
怖い………
ギラギラと光る物……それは、野犬の瞳だった。
ゆっくりと後退するも、足を滑らせて転んでしまった。
立ち上がれない……
数匹の野犬が飛びかかって来た。
もうダメだ……
そう思って、身を縮み込ませた。………が、衝撃は襲ってこなかった。
「大丈夫?」
そう言って、立たせてくれた男の子。
「追い払ったから、大丈夫だよ。あっ、血が出てる。」
そう言って、蹲み込んで傷口を見てくれた男の子。
2人とも綺麗な男の子で、森の妖精さんのように思えた。
「すぐそこに川があったから、傷口を洗おう」
そう言って、1人の男の子に背負わされ、もう1人が支えてくれた。
川辺の岩に座らされ、傷口を洗ってくれた。
転んだ時についた土を洗い落とされた。
「痛いよな。じっとしてろよ。」
そう言って、2人の男の子に傷口を舐められた。
舌を這わされ、一瞬痛みを感じたけど、それはすぐにおさまり、何故か傷口は無くなっていた。
「お前の血は不思議な感じだ。もしかしたら、『番』か?」
「僕もそう思った。じゃ、僕達の『番』だね。双子だと、同じ『番』を持つ事が良くあるって。」
そう言って、2人は嬉しそうに抱きしめて来た。
名前を教えてもらい、きかれたから教えた。
ガラリと場面が変わり、大きな屋敷に綺麗な服を着せられて、2人と遊んでいた。
そこの大人達は微笑ましい物を見ているように優しく接してくれていた。
家族も探してくれて、両親と大人達は何か話していた。
姉は他の人と遊んでいた。
何故一緒に遊んでいないのかは分からないが…
そんな和やかな場面から一転して、怖い顔をした大人に何処かに連れさらわれ、閉じ込められた。
角の生えた大人たち。
泣いて、帰りたいと言えば、蹴飛ばされ、殴られた。
それを冷ややかに見ている女の子。
お腹も空いたが、寒さと痛みで動けなく、部屋の片隅に転がされていた自分。
もう、死ぬんだ……そう思ったら、あの2人に抱きしめられて、数人の男の人たちに守られるようにして、連れ出してもらった。
「見ない方がいいよ。」
そう言って、男の子に目隠しされて
両親の元に返されて、2人と何か約束し、分かれた。
すっかり忘れていた。
「もう少し大人になったら、迎えに行くよ。」
「僕達の事忘れないで。君は僕達の『番』。花嫁なんだよ。」
ゆっくりと瞼を開ける。
夢を見た。過去の夢。
あれは、幼い頃のこと。
迷子になり、助けられて…
いつしか、家族ぐるみで仲良くなった。
でも、何かのトラブルでさらわれて……
そう言っていた……あの男の子達は……
思い出した……………
私は昔、彼らに会った事があったんだ……
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