番になんてなりたくない！

そして…

妊婦？は大変です。

自分自身とリリィの妊娠発覚？で一時期てんわやんわでした。
父上や兄上達は大騒動し、リリィには祝いを贈ると同時に私の事もと大騒動です。

ほら、まだ婚姻を結んでいないから、私生児になりかねないって…
クロさんがそんな事させないのは分かってはいるんだけどね。

で、父上達は近くの領地を…って言ってくれてたんだけど、今までいろんなものに狙われていたから、あえて辺境地にしてもらった。

この国自身は父上も、兄上もいるから、私自身は国境近くで他の国に睨みを効かすのも良いかなって思ったんだ。
犬達もいるから、いろんな情報も手に入れやすいし、国の守りにもなるだろうし…
自然豊かな場所なら、子育てにもいいと思うんだけど。

神殿からの介入も減るだろうしね……

幼少時から、色んなフラグを打破するために、リリィと色々改革やら不穏分子除去に努めてきた功績もあるから、今のこの国は落ち着いてきてると思うんだ。
兄上達の努力もおおいにあるけどね…

安定期に入ったら直ぐに領地に移動できるようにと、ここで出来ることを………
と思って頑張ろうとしたんだけど、思った以上に悪阻が酷くて、結局クロさんに任せてしまった。
よって、ベットの住民よろしく状態が結構続いた。
まぁ、医師が言うには、もう少ししたら落ちつくだろうと、滋養のある物で、食べれる物をとりながら、仕事は休むように……だってさ…


そうそう、妊娠発覚で、クロさんには爵位拝命が速攻決まり、ウイリス侯爵位を賜った。
男爵とか、伯爵とかそんな感じかと思ったんだけど、父上や兄上達が色々調べ上げて決めたみたいだ。
遥か昔途絶えた侯爵位らしいんだけどね…どんな手を使ったのか、復活させたみたいだ。
だから、ノアール・ウイリス侯爵が今のクロさんなのよね。

安定期に入れば、直ぐに挙式できるようにと、妊婦用のウェディングドレスもどきも準備されているのが今の現状だ。
ほら、私は男子だからね、いくら妊娠しても、ドレスは………だよね。
前世なら着たかったと思うけどさ…
式じたいも、大掛かりだと負担になるだろうからと、ホームパーティーぐらいな規模にしてもらった。
これはあくまで、私の希望を通したんだけどね。
皆んなは最初は反対してたんだけど、体調のことも考慮されてこうなった。

うん、よかったよ。
でも、籍だけは先に入れておいた方が良いからって、婚姻誓約書は先に神殿に提出して受理されている。
これは、父上がかなり圧力をかけてくれたおかげだ。
神殿側は、最初拒否しようとしたらしい。
辺境の侯爵位に収まったら、自分達の中に取り込めないから…みたいな感じだったらしい。
諦めが悪いね。
あの時助けてくれた、マティウス・アルーム。彼が父上に協力してくれたのもこの結果に繋がってるんだけどね。
そう、過去に皇族から聖職者になられた者の子孫の彼だ。

あれから、彼は中の腐敗を取り除くべく大いに頑張って今では次期教皇とされてるみたいだ。
ほんと、色々と変わったよ。

これで、もう、不穏フラグ無いよね……

また眠くなってきた………




「ウィル、こんなところでうたた寝して…風邪ひきますよ。お腹の子にも…」

ん…あったかい…ふわふわ…

「困った方ですね。私の愛しい方は…」

そっと抱き上げられた感じがする。
あぁ、クロさんが運んでくれてるんだ。
帰ってきたのか…『おかえり』って言ってあげたいけど、瞼が重いや……
頬に温かく、柔らかいものが触れる。
くすぐったい…

「もう少しだけ、お休みください」

そう言って、抱きしめられた感じがする。
安心できる……あたたかい……

そのまま、夢の中落ちていった…