番になんてなりたくない!

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儀式

希望

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カルが言っていた。


『ウィル。我が主人。気がついていると思うが、この建物は特殊な魔法陣の上にある。そのせいで、我とウィルとは少し隔たれていて入れない。声は届けれるが。聖獣も、何とか入り込めたようだが、力を吸収されるようで、動けないようだ。』

と…という事は、ウィリスは何処かにいるんだ。
動けないと言ってたけど、聖獣契約しているから、もしかしたら……

昔読んだ本に、聖獣契約している場合。契約者の魔力を分け与えれるとか。
確か、側にいなくても可能だが、お勧めしないともあった。
魔力を分け与えるという事は、契約者の魔力量にもよるし、聖獣にもよるが、どうしても疲弊する。やり過ぎると死に至るとか……

でも、動くぐらいなら……魔力を使って戦う訳でもないから、大丈夫なのでは……

そう考えて、心の中でウィリスを呼ぶ。心話だ。

微かに繋がった感じがする。
聖獣と言っても、ウィリスはまだ幼い。実年齢は知らないが…

『ウィリス。私の声を聴いて。魔力を送るからこの場を離れて、救助を呼んで。』
『ヤダ!僕が助ける!!』
『力を吸収されて、動けないんだろ?例え私が魔力を送っても、一時的に動けるだけで、また動けなくなるかもしれない。ウィリス。お前は聖獣だけど、まだ幼く、ここで私を助け出す程ではないよね。この場の結界というか、魔法陣が強力なせいだろうとは思うけど…だから、助けを呼んで。でないと、共倒れになる。頼むよ……』
『………わかった』

良かった。このまま拒否されたらどうしようかと思った。
助けを呼んでも、助からないかもしれないけど、とにかく助かる可能性があれば、行動しないという選択はない。

一途の望みを託して、魔力を送る。

ウィリスが離れていくのが感じられた。
ガタッと身体が崩れる。
思ったより持っていかれた。
でも、大丈夫。
ウィリス、頼むよ……

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