番になんてなりたくない!

文字の大きさ
上 下
53 / 220
怪しい気配

悪夢の続き

しおりを挟む
横に控える弟と呼ばれた赤髪の男を手招きで呼び、私を支えるように支持する。
身体を支えられて、舌舐めずりしながら見下ろされる。

気持ちが悪い……

散々弄んできた男に、腰を引かれ、蕾に男の欲をあてがられ、そのまま落とされるように突き入れられた。
男の上に座る形で突き入れられ、背中が剃りそうになったが、背後の男の体に密着するだけだ。

「あ………ん……あぁ……」

「兄上……」
「欲しければ、跪き、咥えるがいい。今回だけ味わえ」

そう言いながら、私のものを摩りながら、前の男にそう命じる。
片手で扱かれ、爪で先を突かれる。
自身が立ち上がり、先端から滲むのを感じる。また、蕾から入れられた物がムクムクと大きくなるのも感じた。
苦しい……嫌だ……

自身の先端の液体を指でからめ取り、後ろの男が舐めとっている。

「どうする?」

「いただきます。」

そう言って、私の前に跪き、自身を受け取ると、両手で支えながら咥えてきた。
舌で舐め、突き、そして、扱かれる。

左胸の頂を背後の男にもて遊ばれ、右手で顎を引かれ、無理やり後ろを向かされ口内を蹂躙される。
やめてほしい……
嫌だ……怖い……あぁ……………

両手を誰かに救いを求めるように伸ばす……

助けて…………




「ウィル!ウィル!起きろ!!」

強く握られ、抱き寄せられて、抱きしめられ………目を覚ます。

頬には涙が伝っていた。
夢か……

「ウィル、どうした?」
「クロ…………さん……」

涙を拭われ、膝の上に乗せられて、抱きしめながらあやされる。
主従関係でこの体制は変かもしれないが、今は子供だから許されるか……
背中を摩り、頭を撫でられる。
クロさんの温もりで安心した。

「クロさん、もう……大丈夫……」

落ち着いてきた私をベットに戻して、クロさんが心配そうに覗き込んできた。

「本当に大丈夫か?」
「うん、大丈夫。今何時ごろ?」

外はまだ暗そうだ。

「今、何か持ってきてやるから、少し待ってろ。」

クロさんはそう言うと、寝室から出ていった。

あの夢は何だったんだろうか……
ゲーム内で、他国との紛争のルートがある。
確か、この地の山脈などで攻め込んできていない、裏側の帝国……
あの赤髪の男の背後にあの帝国の紋章が見えた……

そのルートに進めば、あの夢が正夢に変わると言うことか……
身震いがする。
いつもの夢は、多分国内のあの宗教関係だろう……
どうにか回避したいから、今まで頑張ってきたのに……

「ウィル?」

考え事をしていたら、いつの間にか、クロさんがもどってきていた。

「とりあえず飲め。落ち着くから……」

そう言って渡されたのは、ホットミルクに少し蜂蜜が入り甘くされている。
大人なら、アルコールかもしれないけど、まだ子供だから、この甘さが、温もりがホッとする。

飲んでいる私をクロさんが心配そうに見つめている。

いつも、悪夢に襲われている時、クロさんに起こされ、救われる。
もう少し早く起こしてくれたらいいのに……
なんて理不尽んな事も考えてしまうが、感謝している。

「美味しかった。ありがとう。」
「少しだけ、水も飲んでおけ。口の中が気持ち悪いだろ?」

そう言って、水を別のコップに注いでくれて、渡された。
コクコクと飲む。

「少しついててやるから、寝ろ!」

そう言って、布団をかけられる。
この国は少し寒いから、毛布や羽毛布団が外せない。
ぬくぬくの中に身体を預ける。
クロさんが、側に椅子を置いて座ってついてくれた。

大丈夫。もうあの夢は見ないだろう。
クロさんがいるから……

そう思い、まぶたを閉じて、夢の中に旅立った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

婚約破棄された公爵令息は、周囲に溺愛される

白鳩 唯斗
BL
卒業パーティーで皇太子ユーリスの婚約者である公爵令息レインは、皇太子の浮気相手を虐めたとして婚約破棄をされてしまう。平然とした様子で婚約破棄を受け入れるも、ユーリスを好きだったレインは涙を流した。 主人公が老若男女問わず好かれるお話を目標にします。貴族間の難しいお話は正直書きたくないです。主人公は優しすぎて多分復讐とか出来ません。 ※作者の精神が終了したので主人公が救われる話が書きたいだけです。適当に気分で書きます。いつ更新停止してもおかしくありません。お気に入りあまりしないで欲しいですm(_ _)m 減るとダメージ凄いので······。

国王の嫁って意外と面倒ですね。

榎本 ぬこ
BL
 一国の王であり、最愛のリヴィウスと結婚したΩのレイ。  愛しい人のためなら例え側妃の方から疎まれようと頑張ると決めていたのですが、そろそろ我慢の限界です。  他に自分だけを愛してくれる人を見つけようと思います。

主人公に「消えろ」と言われたので

えの
BL
10歳になったある日、前世の記憶というものを思い出した。そして俺が悪役令息である事もだ。この世界は前世でいう小説の中。断罪されるなんてゴメンだ。「消えろ」というなら望み通り消えてやる。そして出会った獣人は…。※地雷あります気をつけて!!タグには入れておりません!何でも大丈夫!!バッチコーイ!!の方のみ閲覧お願いします。 他のサイトで掲載していました。

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

腐男子ですが、お気に入りのBL小説に転移してしまいました

くるむ
BL
芹沢真紀(せりざわまさき)は、大の読書好き(ただし読むのはBLのみ)。 特にお気に入りなのは、『男なのに彼氏が出来ました』だ。 毎日毎日それを舐めるように読み、そして必ず寝る前には自分もその小説の中に入り込み妄想を繰り広げるのが日課だった。 そんなある日、朝目覚めたら世界は一変していて……。 無自覚な腐男子が、小説内一番のイケてる男子に溺愛されるお話し♡

処理中です...