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城下に出ます
クロさんとの誓い
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翌日は何故か熱を出して寝込んでしまった。
医師やシロさんが言うには、精神的、肉体的疲労のためだろう……との事。
誘拐事件が応えたのかも……
城出の件は追及されず、城内からの行方不明事件となっていた。
何処をどうやってそんな話になったのかはわからないけど……
「大丈夫か?何か飲むか?」
そう言って、クロさんが冷えたレモン水を渡してくれた。
「ありがとう。うん、美味しい」
そういえば、こんな所に虫刺されがある。何かにかまれた?
お腹と太ももに赤い跡がある。はて?
クロさんに、虫刺されの薬を持って来てもらって、塗っておこう。
「クロさん、医師のところに行って、虫刺されの薬もらってきてくれる?」
「どうした?何処か痒いのか?」
「そうじゃないけど、所々に赤い痕があって、刺されたかな?なんて……」
クロさんに急に服を脱がされた。
「あんのやろう!!!」
「クロさん?」
「あぁ、大丈夫だ。これは自然に消えるから、心配ない。誰かに見られたりは?」
「さぁ?着替えとかは、メイドがしようかと思ったら、シロさんがしてくれてたみたいだし、後は医師ぐらいしか見てないと思うよ。リリィが嫌がって離れなかったらしいから……」
「クロさん、どうしたの?」
コテっと首を傾げてきいてみたが、それに関してはあやふやにされた。
まぁ、クロさんが大丈夫って言うんだから、大丈夫か……
「クロさん、あの子達どうなった?それから、あの屋敷の……」
「あの屋敷は全焼。屋敷のものは火事に巻き込まれて亡くなった者と、犯罪を行った者は個々に処罰されたらしい。助け出した子供達は家族の元もしくは神殿で保護されている。」
そうなんだ……詳しい事は、父上にお伺いしても良いだろう。当事者だから、知る権利があるし……
でも、あの屋敷はあくまで末端。元を叩かないと無理か……
今回のことが大きくなっているから、国が動かないといけないはず。
と言う事は、大臣とかが反発しにくいだろう……
動かなければ、国民が納得しないからね。
ただの火事にするには規模が大きすぎる。
「今回の事件は、警邏と騎士団が、皇帝の命で秘密裏に動いている様ですよ。国民の目もあるしな……だが、大臣関係や貴族などの繋がりも調べて、一挙に片付けたいだろうけど、それは困難な様だ」
秘密裏にこちらで探るか……もう少し探り、証拠がいる。
「クロさん、お願いしても?」
「了解。ただし、ウィルの体調がもう少しマシになったらな」
「え~~~~~~!!」
「文句があるなら、大人しく療養して早く治せ!」
思わずむくれる。
子供だから、この態度は許せるだろう……
「お前は俺の主人だ。皇帝の命だけでお前についてる訳じゃない。お前だから付いたんだ。」
クロさんが、真面目な顔になり、私の前に跪いた。
騎士の礼をとりながら……
「ウィル、いや、ウィルバーン・ルゼリア殿下。我が君、我が身は御身を守る盾であり、敵を切り裂く剣。御身を支える杖。御身の耳と目の代わりに鳥ともなろう。どうか空の果て、地の底までもお供を、永遠の忠誠を捧げる事をお許し頂きたい」
背筋が伸び、身震いする。
王族ではあるが、こんな弱小な子供。しかもモブの私で良いのだろうか……
真剣に見つめられる。誤魔化せない……
「許す。クロ、いや、ノアール。ただし、私より先に死ぬ事は許さない。お前が死ぬ時は私も死ぬ時だ!!」
「御意!しかと心得ました。我が君。」
クロと共に、国を国民を、家族を守り切ろう。幸せのために……
そう改めて誓った。
医師やシロさんが言うには、精神的、肉体的疲労のためだろう……との事。
誘拐事件が応えたのかも……
城出の件は追及されず、城内からの行方不明事件となっていた。
何処をどうやってそんな話になったのかはわからないけど……
「大丈夫か?何か飲むか?」
そう言って、クロさんが冷えたレモン水を渡してくれた。
「ありがとう。うん、美味しい」
そういえば、こんな所に虫刺されがある。何かにかまれた?
お腹と太ももに赤い跡がある。はて?
クロさんに、虫刺されの薬を持って来てもらって、塗っておこう。
「クロさん、医師のところに行って、虫刺されの薬もらってきてくれる?」
「どうした?何処か痒いのか?」
「そうじゃないけど、所々に赤い痕があって、刺されたかな?なんて……」
クロさんに急に服を脱がされた。
「あんのやろう!!!」
「クロさん?」
「あぁ、大丈夫だ。これは自然に消えるから、心配ない。誰かに見られたりは?」
「さぁ?着替えとかは、メイドがしようかと思ったら、シロさんがしてくれてたみたいだし、後は医師ぐらいしか見てないと思うよ。リリィが嫌がって離れなかったらしいから……」
「クロさん、どうしたの?」
コテっと首を傾げてきいてみたが、それに関してはあやふやにされた。
まぁ、クロさんが大丈夫って言うんだから、大丈夫か……
「クロさん、あの子達どうなった?それから、あの屋敷の……」
「あの屋敷は全焼。屋敷のものは火事に巻き込まれて亡くなった者と、犯罪を行った者は個々に処罰されたらしい。助け出した子供達は家族の元もしくは神殿で保護されている。」
そうなんだ……詳しい事は、父上にお伺いしても良いだろう。当事者だから、知る権利があるし……
でも、あの屋敷はあくまで末端。元を叩かないと無理か……
今回のことが大きくなっているから、国が動かないといけないはず。
と言う事は、大臣とかが反発しにくいだろう……
動かなければ、国民が納得しないからね。
ただの火事にするには規模が大きすぎる。
「今回の事件は、警邏と騎士団が、皇帝の命で秘密裏に動いている様ですよ。国民の目もあるしな……だが、大臣関係や貴族などの繋がりも調べて、一挙に片付けたいだろうけど、それは困難な様だ」
秘密裏にこちらで探るか……もう少し探り、証拠がいる。
「クロさん、お願いしても?」
「了解。ただし、ウィルの体調がもう少しマシになったらな」
「え~~~~~~!!」
「文句があるなら、大人しく療養して早く治せ!」
思わずむくれる。
子供だから、この態度は許せるだろう……
「お前は俺の主人だ。皇帝の命だけでお前についてる訳じゃない。お前だから付いたんだ。」
クロさんが、真面目な顔になり、私の前に跪いた。
騎士の礼をとりながら……
「ウィル、いや、ウィルバーン・ルゼリア殿下。我が君、我が身は御身を守る盾であり、敵を切り裂く剣。御身を支える杖。御身の耳と目の代わりに鳥ともなろう。どうか空の果て、地の底までもお供を、永遠の忠誠を捧げる事をお許し頂きたい」
背筋が伸び、身震いする。
王族ではあるが、こんな弱小な子供。しかもモブの私で良いのだろうか……
真剣に見つめられる。誤魔化せない……
「許す。クロ、いや、ノアール。ただし、私より先に死ぬ事は許さない。お前が死ぬ時は私も死ぬ時だ!!」
「御意!しかと心得ました。我が君。」
クロと共に、国を国民を、家族を守り切ろう。幸せのために……
そう改めて誓った。
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