番になんてなりたくない!

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城下に出ます

捕まり

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目が覚めたところは薄暗い室内に鉄格子だった。
部屋の隅には数人の子供達。
男の子ばかりをさらってる?

みすぼらしい服装の子供から、貴族か商人の子供のような服装まで色々だ。
ただ言えることは、皆綺麗な顔立ちだと言うこと………
自分は別として……

エリスさん達が言っていた人攫いなのか……
さて、この子達をどうする………
連れさわれたとき、意識を失っていたから、ここがどこかもわからない
しかも、どんな目的でさらわれたかもわからない……

誰か現状をわかる者でもいたら……

しばらくして、黒いマントを羽織った男と、法衣を纏った男がやってきた。
「ほう、今回は上物揃いのようですね」
「……………」
「我らが神も喜ばれることでしょう」
「……………」
「そうそう、神を信望する者達にも神からの喜びを分け与えなければいけませんね。」
「………」
「次の満月は明後日だったか……それまでに、数名は……分かっていますね」
「………」
「ふふっ、可愛い子羊達。もう少しそこで大人しくしていてくださいね。」

そう言って、折を覗き込む。

「ふむ。あの赤茶の髪のものをいつもの所に」

そう言って出て行った。

黒いマントの男だけ残り、鍵を開け、1人の少年を捕らえる。

「嫌だ、やめて……離し……助けて………」

そう言いながら、暴れるも、引きずられて行った。
誰もが恐怖で動けなかった………


密かに物陰にいた私はただ同然と見るしか出来なかった……

しばらくして、悲痛の声が鳴り響いた。

「嫌だ………やめ………あっ………あ~~~」

何がおこっているのかわからない。
次第に声は聞こえなくなった。
それまでに、どのくらいの声が聞こえていただろうか……
喘ぎ声のようにも聞こえるし、悲鳴のようにも聞こえた……

ふと、自分自身を抱きしめていたら、懐の中に懐中時計がある事が確認できた。
ここを逃げ出すしかない。でもどうやって……

これを使えば、3分は時間が止まる。
その間に脱出したとして、自分だけ逃げ出すのはどうなのか……
他の子達を運び出し、隠すにしても、どこに隠したら……
それ以上に、自分に運べるのだろうか……

ぐるぐるといろんな考えが駆け巡り、消えていく。
こんな時、リリィがいれば……シロさんが……
そんな事も考えてしまった。
いないものは仕方がない。自分で切り抜けるしか……

そうだ、とりあえず、この部屋の人数を確認される事が無かったから、食事などで鍵を開けられた時に抜け出そう。そして、隠れながらこの場所内の確認を行い、数人ずつでも助けだそう!そうこうしていたら、きっとリリィ達も動いてくれているはずだから、連絡が取れるかもしれない。そうなると助かる見込みが上がる。

よし、これに賭けよう。
そう考えをまとめ、物陰に潜んでおく。
時間をまとう。きっとチャンスがくるはずだから……




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