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未来に向けて
友人とのちょっとした旅
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どのくらい時間が経ったのだろうか。あまりにも旅が快適すぎてついつい時間の経過を忘れてしまいそうだ。
季節柄というのもあるのかも知れない。
陽が傾きかけた頃、最初の目的地であるカルバンの自宅に到着した。
「思ったより早く着いたなぁ~。馬車の速度が速すぎて、途中で家族に連絡しておいたから多分大丈夫だと思うが…」
そう言っているうちに、屋敷内敷地内の道を進み、屋敷玄関前に停まった。
カルバンが先に降り、次にシルビィと順番に降りて行く。
屋敷では彼の屋敷の者達であろう人々と、家族が待ってくれていた。
「お帰りカルバン。そしてようこそおいでくださいました。カルバンがいつもお世話になっております。私は…」
そう言って一通りの挨拶を得て、『どうぞ』と案内されて各自客室に案内された。
カルバンの父君は、近衛隊長として城に勤務中で、現在不在されていた。
僕の家族も城に勤務していたりするからなぁ。忙しそうだ。
無理言って申し訳ないとも思ったが、カルバンの家族は彼とよく似た感じで気さくな方々だった。
夕食時にこの地域の伝統料理や、飲み物でもてなされ、カルバンの学園での生活を聴かれた時には、彼が困らない範囲で楽しく話もした。
まぁ、アカデミーでの二人の仲良しぶりはご家族達もよく理解されていたせいか、向こうから『こんな感じで迷惑かけていませんか?もう昔っから…』と、色々暴露して行くもので、彼らが真っ赤になって慌てていたのは面白かったんだけどね。
この二人はそれぞれが伯爵子爵と言う身分であり、家族が治める領土が隣接している事で家族共に仲が良く、二人の関係がいわゆる幼馴染とも言えたのには少しだけ驚いた。ほら、身分差とかを気にする人達もいるからね。後、生まれはカルバンの方が先で、小竜の時からシルビィにベッタリだったらしいのにも驚いたんだ。
余りのベッタリな状態であったから、『この子達は運命の番なんだろう』と、幼いながらも婚約者としての関係を築いたらしい。
ただ、幼少期のシルビィを狙う者がいたらしく、小竜ながらも彼を必死でカルバンが守り通した武勇伝には驚いた。
幼少期のシルビィは、今の姿から想像しても、かなり可愛かったんだろう。
しかもヒト族。竜人族の番から奪おうとは考えていなくても、自分の番にしたいと思う獣人族や他の種族がいてもおかしくないと思った。
「今では笑い話で済むけれど、当時は大変だったんですよ。本当にねぇ~。」
そうしみじみと言われ、シルビィは何とも言えない顔をした。
余り詳しくは覚えていないらしいんだけど、一時期引きこもりになるぐらいだったらしい。
余りにも酷い時には、カルバンの屋敷で一緒に住んでいたらしい。
シルビィの屋敷での生活でも守れただろうけれど、小竜であるカルバンが離さなかったとか。
うん、何となく想像できる。
今も結構過保護だしね…
「もうその話は良いだろう?旅で疲れてるんだ。もう休みたいんだが。」
そう言って話をきったのは勿論カルバンだった。
それもそうかと、お互い挨拶して、明日の計画だけ話して客室に戻った。
でも、この二人が幼少時代からって…うん、すごいな。
まぁ、僕も人の事は言えないけれど…
ディにいつもの声を届けてから、疲れた身体を横にした。
ディアブロ達がさっきの話を聞いて警戒していたとは思わなかったなぁ~
季節柄というのもあるのかも知れない。
陽が傾きかけた頃、最初の目的地であるカルバンの自宅に到着した。
「思ったより早く着いたなぁ~。馬車の速度が速すぎて、途中で家族に連絡しておいたから多分大丈夫だと思うが…」
そう言っているうちに、屋敷内敷地内の道を進み、屋敷玄関前に停まった。
カルバンが先に降り、次にシルビィと順番に降りて行く。
屋敷では彼の屋敷の者達であろう人々と、家族が待ってくれていた。
「お帰りカルバン。そしてようこそおいでくださいました。カルバンがいつもお世話になっております。私は…」
そう言って一通りの挨拶を得て、『どうぞ』と案内されて各自客室に案内された。
カルバンの父君は、近衛隊長として城に勤務中で、現在不在されていた。
僕の家族も城に勤務していたりするからなぁ。忙しそうだ。
無理言って申し訳ないとも思ったが、カルバンの家族は彼とよく似た感じで気さくな方々だった。
夕食時にこの地域の伝統料理や、飲み物でもてなされ、カルバンの学園での生活を聴かれた時には、彼が困らない範囲で楽しく話もした。
まぁ、アカデミーでの二人の仲良しぶりはご家族達もよく理解されていたせいか、向こうから『こんな感じで迷惑かけていませんか?もう昔っから…』と、色々暴露して行くもので、彼らが真っ赤になって慌てていたのは面白かったんだけどね。
この二人はそれぞれが伯爵子爵と言う身分であり、家族が治める領土が隣接している事で家族共に仲が良く、二人の関係がいわゆる幼馴染とも言えたのには少しだけ驚いた。ほら、身分差とかを気にする人達もいるからね。後、生まれはカルバンの方が先で、小竜の時からシルビィにベッタリだったらしいのにも驚いたんだ。
余りのベッタリな状態であったから、『この子達は運命の番なんだろう』と、幼いながらも婚約者としての関係を築いたらしい。
ただ、幼少期のシルビィを狙う者がいたらしく、小竜ながらも彼を必死でカルバンが守り通した武勇伝には驚いた。
幼少期のシルビィは、今の姿から想像しても、かなり可愛かったんだろう。
しかもヒト族。竜人族の番から奪おうとは考えていなくても、自分の番にしたいと思う獣人族や他の種族がいてもおかしくないと思った。
「今では笑い話で済むけれど、当時は大変だったんですよ。本当にねぇ~。」
そうしみじみと言われ、シルビィは何とも言えない顔をした。
余り詳しくは覚えていないらしいんだけど、一時期引きこもりになるぐらいだったらしい。
余りにも酷い時には、カルバンの屋敷で一緒に住んでいたらしい。
シルビィの屋敷での生活でも守れただろうけれど、小竜であるカルバンが離さなかったとか。
うん、何となく想像できる。
今も結構過保護だしね…
「もうその話は良いだろう?旅で疲れてるんだ。もう休みたいんだが。」
そう言って話をきったのは勿論カルバンだった。
それもそうかと、お互い挨拶して、明日の計画だけ話して客室に戻った。
でも、この二人が幼少時代からって…うん、すごいな。
まぁ、僕も人の事は言えないけれど…
ディにいつもの声を届けてから、疲れた身体を横にした。
ディアブロ達がさっきの話を聞いて警戒していたとは思わなかったなぁ~
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