竜の国のご都合主義?

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未来に向けて

アカデミーに

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「何かご心配ですか?」

そう言って声をかけて来たのは、僕のスキルで契約している大賢者アルストだった。
今、僕の部屋で寛いでいるのは、サヤカとディアブロ以外だ。
アカリは優雅にお菓子を摘みながらお茶をし、ガラとシェリルはボードゲームで勝負中だった。

「何だか平和だな~って思って。『扉』の脅威や僕の事とかで色々あったんだけど、それらも無事おさまって良かったなって思ってね」
「そうですね。」
「あの時、必死になっていたから、落ち着いたら今後どうしようかなって思ったんだ。まぁ、卒業まで何事も無ければ良いんだけどね。卒業後もそうなんだけど…」

『そうですね…』と、アルストは何故か思案顔をしていた。
僕の考えてる事を察知しているのだろうか?
何となくそんな事を考えた。

「今の所、各国は特に変わったことは無さそうです。」

パチリとボードの駒の音を響かせてガラがそう答えた。
彼は忍者マスターだった英霊だ。隠密活動や情報収集などにも実力を大いに発揮してくれている。
そんな彼がそう言うのなら、大丈夫なんだろうけれども…

「そうですね…教会の方も特に変わった事は無さそうですよ。相変わらずマスターを教会内に留めたいと暗躍している者はいるようですが、そこはきちんと制圧するようにお願いしておきましたから。あら美味しい。」

そう言ってお菓子をほうばる初代聖女アカリ。
彼女もまた、教会内部に入り込み、シレッと奉仕活動にも参加しながら情報を得ているようだ。
向こうの上の方の方々に釘を刺しながら…

「森の方も特に変わった事はないようです。小物の魔物や魔獣も現れますが、その辺りは冒険者や各国の騎士団での討伐で上手くいっているとか。」

ボードの駒をパチリと鳴らしながら、シェリルもそう答えた。
エルフ族である彼は森にも詳しいのだろう。
英霊であるから尚更に…

「北の者達も、今は魔王のお陰で落ち着いているようです。時々不穏分子は居るようですが…」

北の海の向こうの大陸。過去に色々あったし、扉の時にもあったようだけれども、今はこの大陸と一部開かれているからね…

まぁ、悪魔信仰はどうしても…らしいけれども、その辺りは、現在の魔王がうまく押さえ込んでいるみたいなんだとか。
でも、僕としては、あの時の疑問がまだ引っかかっていた。
まるで喉に小魚の骨が引っかかっているような、何とも言えない感じで…

それに、ディアブロのこの所の行動も…

「ディアブロ自身がきっと説明してくるでしょう。もう少し待ちましょう。」

アルストの意味深は声かけに…とりあえず頷いていた。


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