207 / 266
扉
反撃?
しおりを挟む
「遥か昔の話です。しかも別の世界ですが…かつての自分は、神に使える騎士でした。神の御心のまま、神が邪悪とした物を滅失し、神を守る者。神の剣であり、盾としてお側に付いておりました。当時の私は神のお側に仕え、その栄光に酔いしれていたのかも知れません。」
そう言って夜空を見続けている。この世界とは違う、別の場所から来たと言うのには驚いたけれど…
「既に神々にお会いしたと思いますが、神の世界にも色んな方々がおられます。当時、我が神を陥れようとする神が実在していました。神は基本自己中心的な存在です。自分がその世界を創り上げているのだから、それは当たり前なのかも知れませんけどね。創りがげる神もいれば、また反対に破壊する神も存在する。他の神が創り上げたものを、必要以上に破壊する神もまた存在しています。ただ破壊される事を受け入れられないから、抵抗もする。理にかなった破壊なら受け入れられるが、そうでない場合…」
じっと見つめて先を促す。
「我が神が悲しまれるから、自分は敵わないとわかっていても、その力を振るい、結果、私はスライムの姿になっておりました。敵視した神からの呪いでスライムの姿になり、私の持っていた魔力と属性で、分裂させられて…主が水属性の青いスライムです。それから、土属性や火属性といった様に多くのスライムとして…ある物を護ためにそこで生かされていたのです。それも何百年も何千年も…我が神が今どうしているのかはわかりません。」
えっと?シルバーが神に仕える騎士で、スライムの姿にさせられていた?
驚きだ。神が世界を作り上げ、破壊する事は知っていたけれど…
実際の当事者の話に驚いた。
「神にも寿命のようなものはあります。神力が落ちれば身体が朽ち果て、新たな身体に再生される。完全消滅させられない限りは、それを繰り返すと我が神から聞き及んでおります。」
そう言えば、ディアブロからそんな事を教えてもらっていた。力の無い騎士などの従順する者達は、神の消滅とともに消え去るが、力あるものは取り残さるとも…神の意思も関係しているようだけれど…
「だから、我が神がどうなってしまったのかは、自分にはわかりません。当時の私は、自分には力が有ると自惚れ過信した。ただ、神を守り護りたかったから…挑んだ神に呪いをかけられました。自分の魔力属性分の種類に分けられ、更に分離されて…握りしめていた剣は、封印の鍵として…どんどんと寂れていく自分の剣を守る存在でした。思考が途絶えそうになった時、衝撃が走り、自分の見知ったものを感じ取ったのです。急いでそれを辿って行きましたが、かつての身体のように駆けていけないのが歯がゆくも思えました。人の姿ではなく、スライムですからね。」
そう言って惚けて見せた。
辛かったと思う…想像方だけれど…
「やっと辿り着けば、そこには一人の少女がいました。見た目と実際の色が違うのが瞬時に理解できました。この少女は、我が神と同じ黒を纏いし者だ。今は金色の髪に蒼い瞳であるが、実際は黒い髪に黒い瞳の…何らかの理由で元の姿には戻れないだろう。そして、その少女には、彼の方の欠片が…彼の方は、もう…だが、それでも、ここに来られた。この私の目の前にと。その少女が貴方様の母君です。『その者を支え仕えよ。』そう頭の中で鳴り響く声は、あの時の…と。封印を解いていただけなければ、お仕えすることはできないと思い、目的地まで案内しなければと、必死でアピールすると、母君、ユウリ様は微笑んでついて来て下さった。そして、変えられてしまった私の今の現状の姿と行動に驚かれたが、嫌がられず封印の鍵となる剣に手を伸ばされた。初めはぎこちなく。そして更に…びくともしない剣に悩んでおられたが、頑張ってくださり、その身から流れ出る血液を通して魔力を注いでくださった。剣の封印が解け、力を取り戻した時、ユウリ様のお力が抜けて、意識が朦朧とされ、慌ててお支し、自分の名前をお伝えしようと思ったが、その名前がもう過去のものとなってしまった事を思い出しまして…新たな名前が必要だ。そして、この方のお名前を教えていただかなく必要性があり、『我が君。お名前を教えてください。そして、私めに名を与えてください。』とお願いしたのです。そうして私はこの髪の色を見られてでしょうが『シルバー』の名を頂きました。」
母とこの侍女がそんな事に…
「ちなみに私には特に性別はございませんので、どちらの姿も取れるのです。出会った時は男性体でしたが、お相手の方から嫌がられまして、女性体をとらさせていただいております。」
「ふぇ??」
変な声が出たのは許してほしい。それだけ驚いたんだ。
「当初の剣が短剣となり、前回の扉の鍵として消失しましたが…」
そう言うと、側の何も無いところから何かを取り出している。
「それは??」
「封印されていた地を去る前に持ち寄ってきた我が神より授かりし物。守ってきた物です。これをどうぞお持ちになり、お使いください。きっと役にたつと思います。」
それは、ゲームで見たレア•アイテムだった。
そう言って夜空を見続けている。この世界とは違う、別の場所から来たと言うのには驚いたけれど…
「既に神々にお会いしたと思いますが、神の世界にも色んな方々がおられます。当時、我が神を陥れようとする神が実在していました。神は基本自己中心的な存在です。自分がその世界を創り上げているのだから、それは当たり前なのかも知れませんけどね。創りがげる神もいれば、また反対に破壊する神も存在する。他の神が創り上げたものを、必要以上に破壊する神もまた存在しています。ただ破壊される事を受け入れられないから、抵抗もする。理にかなった破壊なら受け入れられるが、そうでない場合…」
じっと見つめて先を促す。
「我が神が悲しまれるから、自分は敵わないとわかっていても、その力を振るい、結果、私はスライムの姿になっておりました。敵視した神からの呪いでスライムの姿になり、私の持っていた魔力と属性で、分裂させられて…主が水属性の青いスライムです。それから、土属性や火属性といった様に多くのスライムとして…ある物を護ためにそこで生かされていたのです。それも何百年も何千年も…我が神が今どうしているのかはわかりません。」
えっと?シルバーが神に仕える騎士で、スライムの姿にさせられていた?
驚きだ。神が世界を作り上げ、破壊する事は知っていたけれど…
実際の当事者の話に驚いた。
「神にも寿命のようなものはあります。神力が落ちれば身体が朽ち果て、新たな身体に再生される。完全消滅させられない限りは、それを繰り返すと我が神から聞き及んでおります。」
そう言えば、ディアブロからそんな事を教えてもらっていた。力の無い騎士などの従順する者達は、神の消滅とともに消え去るが、力あるものは取り残さるとも…神の意思も関係しているようだけれど…
「だから、我が神がどうなってしまったのかは、自分にはわかりません。当時の私は、自分には力が有ると自惚れ過信した。ただ、神を守り護りたかったから…挑んだ神に呪いをかけられました。自分の魔力属性分の種類に分けられ、更に分離されて…握りしめていた剣は、封印の鍵として…どんどんと寂れていく自分の剣を守る存在でした。思考が途絶えそうになった時、衝撃が走り、自分の見知ったものを感じ取ったのです。急いでそれを辿って行きましたが、かつての身体のように駆けていけないのが歯がゆくも思えました。人の姿ではなく、スライムですからね。」
そう言って惚けて見せた。
辛かったと思う…想像方だけれど…
「やっと辿り着けば、そこには一人の少女がいました。見た目と実際の色が違うのが瞬時に理解できました。この少女は、我が神と同じ黒を纏いし者だ。今は金色の髪に蒼い瞳であるが、実際は黒い髪に黒い瞳の…何らかの理由で元の姿には戻れないだろう。そして、その少女には、彼の方の欠片が…彼の方は、もう…だが、それでも、ここに来られた。この私の目の前にと。その少女が貴方様の母君です。『その者を支え仕えよ。』そう頭の中で鳴り響く声は、あの時の…と。封印を解いていただけなければ、お仕えすることはできないと思い、目的地まで案内しなければと、必死でアピールすると、母君、ユウリ様は微笑んでついて来て下さった。そして、変えられてしまった私の今の現状の姿と行動に驚かれたが、嫌がられず封印の鍵となる剣に手を伸ばされた。初めはぎこちなく。そして更に…びくともしない剣に悩んでおられたが、頑張ってくださり、その身から流れ出る血液を通して魔力を注いでくださった。剣の封印が解け、力を取り戻した時、ユウリ様のお力が抜けて、意識が朦朧とされ、慌ててお支し、自分の名前をお伝えしようと思ったが、その名前がもう過去のものとなってしまった事を思い出しまして…新たな名前が必要だ。そして、この方のお名前を教えていただかなく必要性があり、『我が君。お名前を教えてください。そして、私めに名を与えてください。』とお願いしたのです。そうして私はこの髪の色を見られてでしょうが『シルバー』の名を頂きました。」
母とこの侍女がそんな事に…
「ちなみに私には特に性別はございませんので、どちらの姿も取れるのです。出会った時は男性体でしたが、お相手の方から嫌がられまして、女性体をとらさせていただいております。」
「ふぇ??」
変な声が出たのは許してほしい。それだけ驚いたんだ。
「当初の剣が短剣となり、前回の扉の鍵として消失しましたが…」
そう言うと、側の何も無いところから何かを取り出している。
「それは??」
「封印されていた地を去る前に持ち寄ってきた我が神より授かりし物。守ってきた物です。これをどうぞお持ちになり、お使いください。きっと役にたつと思います。」
それは、ゲームで見たレア•アイテムだった。
21
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
お嬢様の身代わりで冷酷公爵閣下とのお見合いに参加した僕だけど、公爵閣下は僕を離しません
八神紫音
BL
やりたい放題のわがままお嬢様。そんなお嬢様の付き人……いや、下僕をしている僕は、毎日お嬢様に虐げられる日々。
そんなお嬢様のために、旦那様は王族である公爵閣下との縁談を持ってくるが、それは初めから叶わない縁談。それに気付いたプライドの高いお嬢様は、振られるくらいなら、と僕に女装をしてお嬢様の代わりを果たすよう命令を下す。
ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません
柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。
父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。
あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない?
前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。
そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。
「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」
今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。
「おはようミーシャ、今日も元気だね」
あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない?
義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け
9/2以降不定期更新
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる