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聖女がやって来るみたいです
聖女がやって来るみたいです
しおりを挟む連れて来られたのは…
こんな場所が??
父のが治めている地域とはまた違った感じの場所だった。
アステード王国はこの広大な大陸の南側に位置していて、北側には山脈が南側は海に面している。
父の治めるセイクリオン領は辺境地ではあるが、妖精の国オリクサ王国と接している事もあるせいか緑豊かな土地であった。森も湖もあり、一部は癒しを求めてリゾート地の様にしている場所もある。
アステード王国の首都は王国中央部。
で、ここは…
「ここは?この国の地図は…」
この世界、地図は貴重な物とされているが、ない事はない。
主に国が管理し、一部を冒険者ギルドを通して流通させていた。
だから、我が家にもあったし、アカデミーでも見たことがある。
授業でも大まかにではあるが教えていた。
「向こうは…火山?」
噴煙をあげているであろう山が遠くで目視された。
一部砂漠の様になっているこの場所。
「ここはアステード王国とエステバン王国国境近くです。向こうに見えるのがカルル砂漠。そしてあの噴煙をあげているのが…」
「マシュー火山。」
「ご名答です。」
そう言って、嬉しそうにニコニコとアルストが応じてくれた。
ディアブロは、『流石我が主人』と悶絶している。
ディアブロはいつも僕に対してこんな感じだから、『大丈夫か?』って思ってしまう。
戦闘執事であるディアブロ。
彼の執事服の下には暗器が多数潜ませているらしいけれど、見た目にはそうは見えない。
見えたらいけないのだろうけどね…
黒髪で紅の瞳が時に金色にも見える不思議な感じの彼もまた美丈夫だ。
種族は魔人族?って思っているんだけれど、よくは分かっていない。
聞いてもいつも上手くかわされていた。
「では…」
そう言うと、アルストが結界を展開し出した。
訓練で訪れたといえど、環境破壊は好まない。
ただ、練習に他の人たちに見られず、広い場所が希望で…
だから、アルストの結界はありがたい。
この結界内で多少破壊が見られても、後で修復出来るらしい。
どれだけの力をお持ちでしょうか…
だから大賢者なのでしょうか??
「さて、では我が君。私がお相手を…」
そう言うと、ディアブロが綺麗な所作でお辞儀をして来た。
取り敢えずどれから…
「何処からでもかかって来てください。そう、マスターなら双剣でしょうか?」
父や兄から剣技を習ったけれど、どうも僕には長剣は苦手だった。
身長や体格の問題かもしれない。
そこで、双子の兄から以前誕生日プレゼントとして贈られたのが双剣。
アイテムボックスから取り出して、構える。
ディアブロも…
えっと………
横の空間を操作できるのか?右手で空間から長剣を取り出した。
しかも、手に持っているのは黒の刀身?
彼には似合いすぎるけれど…
「ほぉ~~~っ」
アルストがその剣を見て『なかなかなものですな…』と言っていた。
名刀なのかも知れない。
「では、我が君、何処からでもどうぞ」
そう言われて、胸を借りるつもりで構えて向かった。
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