竜の国のご都合主義?

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聖女がやって来るみたいです

聖女がやって来るみたいです(アカリ)

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しばしの間の沈黙。
教会からしたら、彼の方は喉から手が出るほどの欲しい人材でしょう。
この世界は向こうの世界と違って男女問わず子を儲ける事ができる。
教会からしたら、神聖視されている姿の者を上に立たし象徴とし、その伴侶を神官職の誰かから選び方子をもうけさせたいのだろう。そうすれば、神殿の価値はさらに上げられる。

多分、皇室もそれを狙い、皇族の誰かと婚姻を結ばせようと考えているのだろう。
一度自分の懐に入れて仕舞えば、囲って懐柔する手段はいくらでもあるのだから…

それを実際に行うかどうかは…考えたくはない。
だから、私がここに出向いてきたのだ。

「アカリの名を継いでいるのなら、私がどんな事を願い国家やその他と契約したかも継承されているはず。それを考慮して最善の策を尽くしなさい」

一瞬ピクっとした目の前のアカリは、私の足元に跪き、裾をそっと両手に取って口づけし、『承りました』と恭しく答えてくれた。

これでここは大丈夫だろう。次は…

「もう行かれるのですか?」

寂しそうに呟くアカリ。

「えぇ、急ぎ次に赴く必要性が有りますからね。そうだ…」

そう言って、彼女に近づきそっと目の当たりのレースに触れる。
彼女の瞳が見えていない事には気がついていた。
多分白く濁っているのだろう…

そっと呟き癒しの力を発動させる。
彼女が白い光の粒子に包まれて、ひらりと目元のレースが解け落ちた。
ぱらりと落ちたレースをそっと拾い見つめているアカリ…

頬に涙が伝流れていた。

「これからもよろしくね。」

そう言って、もう一度ドアの方に向かう。

背後には履き崩れている気配。
「ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとう…」

そう言っている声を聞きながら、次の目的地に向かった。
多分、すぐに行動してくれるだろう。
あの場には、彼女の護衛の気配もあった。
彼女を助け、身を護っているのだろう。
その者からの感情も伝わってきた。だから、ここはもうあの者達に任せて大丈夫だと…

神の像からあたたかい光も感じられる。

「よし、次」

そう言って、霊道の扉を開けて、次に向かった。
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