33 / 42
極秘プラン
兄が亜紀と……
しおりを挟む
部屋に入ってきたのは…………
黒髪に黒い瞳の…………、魔術師団長さん??
さっき別れたけど何故ここに??もしかしてこの方が?
思わずキョトンとしてしまった。
魔術師団長さんはニコニコしながら軽く礼をとって私の側に来た。
「先程ぶりです…アキコ様。この前のトーナメント戦と先程の紹介以来ですね。トーナメント戦見にこられてましたよね?食事時には話せませんでしたが…」
確かに観てた。ディと一緒だったけど………
「アキコ、食事の時にも会いましたが、改めて…彼は私の息子です。さっき話した養子として育てた兄妹の長男で……」
「グレイスと言います。父から話を聞いたと思いますが、今日から私の娘になりませんか?」
「今日から!?魔術師団長さんの??」
「えぇ、私の妻も喜んでますし、父からも聞いたとは思いますが、決定事項なので。」
「…………………」
「今からは、アキコと呼ばせていただきますね。娘ですから……私の事は父上でも、ダディでもパパでもいいですよ。」
「あの~~~~」
「こんな可愛らしい娘を手に入れ………ではなく、迎えれて我が家は幸せです。」
今、手に入れって言った………大丈夫かなぁ……
兄はため息をつき、カイル殿下はクスクスと笑っている。
「亜希子。グレイスは心の優しい、面倒見のいい子です。亜希子の味方にもなるし、グレイスが是非父親になりたいと言ってきたんです。グレイスの妻も良い娘で、娘ができると喜んでいましたよ。グレイスには2人子供がいて、どちらも騎士団に入っているから、何かの時には守ってくれるでしょう。」
「兄様……では、兄様は……兄様でなくなるのですか?」
悲しくなる。涙が出そうだ。
私の事を考えてだと思うけど……でも……
兄様は私の側に来て、そっと抱きしめた。
そして、諭すように私の顔を覗き込んで話す。
「亜希子……私はいつまでも君の兄だよ。でも、世間体を考えたらそれでは君が辛い思いをする。だから亜紀と呼んで。お爺様でも良いよ。出来たら 亜紀が良いけどね。亜希子は特別だ。皆んなにもそう伝えておく。私があえてそう呼ばしていると……だから安心して。」
「兄様………」
「亜紀だよ」
「亜紀……」
兄は頷いて笑った。泣きそうな笑顔で……
この時から兄は『亜紀』と、カイル殿下は『カイル』。
そして、新し魔術師団長さんは父となった。
全ては私の為………受け入れるしかなかった。
話がとりあえず終わり、また明日と部屋へ促された。
亜紀、カイルそして父様と今後の事を簡単に話し、明日詳しく教えてくれるとのことで……
私は寂しさから、亜紀の服の裾を引っ張ってしまった。
昔、よくしていた仕草で……
亜紀はそんな私の心情を悟って、抱きしめてくれた。
「仕方ないね……」
そう言って、カイルにそっと断りをいれて、私と部屋を出た。
亜紀に背中をさすられ、抱きしめられて眠った。
昔を思い出しながら………
黒髪に黒い瞳の…………、魔術師団長さん??
さっき別れたけど何故ここに??もしかしてこの方が?
思わずキョトンとしてしまった。
魔術師団長さんはニコニコしながら軽く礼をとって私の側に来た。
「先程ぶりです…アキコ様。この前のトーナメント戦と先程の紹介以来ですね。トーナメント戦見にこられてましたよね?食事時には話せませんでしたが…」
確かに観てた。ディと一緒だったけど………
「アキコ、食事の時にも会いましたが、改めて…彼は私の息子です。さっき話した養子として育てた兄妹の長男で……」
「グレイスと言います。父から話を聞いたと思いますが、今日から私の娘になりませんか?」
「今日から!?魔術師団長さんの??」
「えぇ、私の妻も喜んでますし、父からも聞いたとは思いますが、決定事項なので。」
「…………………」
「今からは、アキコと呼ばせていただきますね。娘ですから……私の事は父上でも、ダディでもパパでもいいですよ。」
「あの~~~~」
「こんな可愛らしい娘を手に入れ………ではなく、迎えれて我が家は幸せです。」
今、手に入れって言った………大丈夫かなぁ……
兄はため息をつき、カイル殿下はクスクスと笑っている。
「亜希子。グレイスは心の優しい、面倒見のいい子です。亜希子の味方にもなるし、グレイスが是非父親になりたいと言ってきたんです。グレイスの妻も良い娘で、娘ができると喜んでいましたよ。グレイスには2人子供がいて、どちらも騎士団に入っているから、何かの時には守ってくれるでしょう。」
「兄様……では、兄様は……兄様でなくなるのですか?」
悲しくなる。涙が出そうだ。
私の事を考えてだと思うけど……でも……
兄様は私の側に来て、そっと抱きしめた。
そして、諭すように私の顔を覗き込んで話す。
「亜希子……私はいつまでも君の兄だよ。でも、世間体を考えたらそれでは君が辛い思いをする。だから亜紀と呼んで。お爺様でも良いよ。出来たら 亜紀が良いけどね。亜希子は特別だ。皆んなにもそう伝えておく。私があえてそう呼ばしていると……だから安心して。」
「兄様………」
「亜紀だよ」
「亜紀……」
兄は頷いて笑った。泣きそうな笑顔で……
この時から兄は『亜紀』と、カイル殿下は『カイル』。
そして、新し魔術師団長さんは父となった。
全ては私の為………受け入れるしかなかった。
話がとりあえず終わり、また明日と部屋へ促された。
亜紀、カイルそして父様と今後の事を簡単に話し、明日詳しく教えてくれるとのことで……
私は寂しさから、亜紀の服の裾を引っ張ってしまった。
昔、よくしていた仕草で……
亜紀はそんな私の心情を悟って、抱きしめてくれた。
「仕方ないね……」
そう言って、カイルにそっと断りをいれて、私と部屋を出た。
亜紀に背中をさすられ、抱きしめられて眠った。
昔を思い出しながら………
0
お気に入りに追加
94
あなたにおすすめの小説
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
母と妹が出来て婚約者が義理の家族になった伯爵令嬢は・・
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
全てを失った伯爵令嬢の再生と逆転劇の物語
母を早くに亡くした19歳の美しく、心優しい伯爵令嬢スカーレットには2歳年上の婚約者がいた。2人は間もなく結婚するはずだったが、ある日突然単身赴任中だった父から再婚の知らせが届いた。やがて屋敷にやって来たのは義理の母と2歳年下の義理の妹。肝心の父は旅の途中で不慮の死を遂げていた。そして始まるスカーレットの受難の日々。持っているものを全て奪われ、ついには婚約者と屋敷まで奪われ、住む場所を失ったスカーレットの行く末は・・・?
※ カクヨム、小説家になろうにも投稿しています
キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
それは報われない恋のはずだった
ララ
恋愛
異母妹に全てを奪われた。‥‥ついには命までもーー。どうせ死ぬのなら最期くらい好きにしたっていいでしょう?
私には大好きな人がいる。幼いころの初恋。決して叶うことのない無謀な恋。
それはわかっていたから恐れ多くもこの気持ちを誰にも話すことはなかった。けれど‥‥死ぬと分かった今ならばもう何も怖いものなんてないわ。
忘れてくれたってかまわない。身勝手でしょう。でも許してね。これが最初で最後だから。あなたにこれ以上迷惑をかけることはないわ。
「幼き頃からあなたのことが好きでした。私の初恋です。本当に‥‥本当に大好きでした。ありがとう。そして‥‥さよなら。」
主人公 カミラ・フォーテール
異母妹 リリア・フォーテール
【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる