異世界から来た華と守護する者

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極秘プラン

兄が亜紀と……

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部屋に入ってきたのは…………
黒髪に黒い瞳の…………、魔術師団長さん??
さっき別れたけど何故ここに??もしかしてこの方が?

思わずキョトンとしてしまった。
魔術師団長さんはニコニコしながら軽く礼をとって私の側に来た。

「先程ぶりです…アキコ様。この前のトーナメント戦と先程の紹介以来ですね。トーナメント戦見にこられてましたよね?食事時には話せませんでしたが…」
確かに観てた。ディと一緒だったけど………

「アキコ、食事の時にも会いましたが、改めて…彼は私の息子です。さっき話した養子として育てた兄妹の長男で……」
「グレイスと言います。父から話を聞いたと思いますが、今日から私の娘になりませんか?」
「今日から!?魔術師団長さんの??」
「えぇ、私の妻も喜んでますし、父からも聞いたとは思いますが、決定事項なので。」
「…………………」
「今からは、アキコと呼ばせていただきますね。娘ですから……私の事は父上でも、ダディでもパパでもいいですよ。」
「あの~~~~」
「こんな可愛らしい娘を手に入れ………ではなく、迎えれて我が家は幸せです。」
今、手に入れって言った………大丈夫かなぁ……

兄はため息をつき、カイル殿下はクスクスと笑っている。

「亜希子。グレイスは心の優しい、面倒見のいい子です。亜希子の味方にもなるし、グレイスが是非父親になりたいと言ってきたんです。グレイスの妻も良い娘で、娘ができると喜んでいましたよ。グレイスには2人子供がいて、どちらも騎士団に入っているから、何かの時には守ってくれるでしょう。」

「兄様……では、兄様は……兄様でなくなるのですか?」

悲しくなる。涙が出そうだ。

私の事を考えてだと思うけど……でも……

兄様は私の側に来て、そっと抱きしめた。
そして、諭すように私の顔を覗き込んで話す。

「亜希子……私はいつまでも君の兄だよ。でも、世間体を考えたらそれでは君が辛い思いをする。だから亜紀と呼んで。お爺様でも良いよ。出来たら  亜紀が良いけどね。亜希子は特別だ。皆んなにもそう伝えておく。私があえてそう呼ばしていると……だから安心して。」
「兄様………」
「亜紀だよ」
「亜紀……」

兄は頷いて笑った。泣きそうな笑顔で……

この時から兄は『亜紀』と、カイル殿下は『カイル』。
そして、新し魔術師団長さんは父となった。

全ては私の為………受け入れるしかなかった。

話がとりあえず終わり、また明日と部屋へ促された。
亜紀、カイルそして父様と今後の事を簡単に話し、明日詳しく教えてくれるとのことで……

私は寂しさから、亜紀の服の裾を引っ張ってしまった。
昔、よくしていた仕草で……
亜紀はそんな私の心情を悟って、抱きしめてくれた。

「仕方ないね……」

そう言って、カイルにそっと断りをいれて、私と部屋を出た。

亜紀に背中をさすられ、抱きしめられて眠った。
昔を思い出しながら………
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