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極秘プラン
兄とカイル殿下から
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兄の子供との対面を終え、食事をし一旦部屋に戻る。
暫くして、メイドがノックして入ってきた。
兄が呼んでいるとのこと。
再度着替えてメイドさんの案内で兄様の元に向かった先は兄の執務室だった。
兄様とカイル殿下の執務室は別にあるらしい。
仕事が上手くすすまないから………との事。
カイル殿下は一緒でも良いのにね……と呟いていた。
兄様に促され、ソファに座る。
兄様とカイル殿下の向かい側。
「アキコは私の妹でもあるし、今後のこともあるから、殿下呼びはやめようか。」
カイル殿下が声をかけてくる。
「でも……」
確か高貴の方なんだよね…良いのかなぁ…
「カイル、その話は少し待ってくれますか?」
兄様はそう言うと、メイドにお茶を運ばせ、退出させた。
大事な話だからと……
何だろう??緊張する。
「亜希子。」
「はい。」
「亜希子は、ナディル・シュナイゼル……彼のこと好きなんだよね?結婚しても良いと思えるほど…」
ボン!!と大きな効果音が上がりそうだ。
いきなりの兄の言葉に頬が染まる。
俯いて、頷く。恥ずかしい……
「彼から求婚されている。そうだよね?」
頷いて返事する。
兄とカイル殿下に見つめられて恥ずかしい……
「亜希子と彼が番だからそうなるのは当たり前かも知れない。皇族の者達は理解しているんだけど、この『番』という事実と過去の出来事を知っているのはごく一部なんだ。だから、一般に知られていない分、身分がと言って来る者もいる。私たちがいた世界でも『身分違い』なんて話あっただろ?」
俯いていた顔を上げて兄を見る。
そう……ディに求婚されて嬉しかったんだけど、その事が頭にあり、頷けなかった……
異分子である自分。
何の身分もない普通の自分がそばにいて良いのだろうか?
例え必要だから……と言われても……
クスクスと笑いながら「気にしなくて良いのに……」と呟くカイル殿下。
兄様がカイル殿下に「黙って!」と言っている。
「亜希子の悩もわかるよ。私も悩んだ事あるから……だから、亜希子に提案したいんだ。」
「兄様?」
「私と亜希子は兄妹だ。でも、見た目は兄妹に見えない。」
兄は苦笑いしている。
同じ時代に生きてきたのに、なぜか同じように異世界に来たのに…来た時代……年代が違う。
よって、兄を祖父と言ってもおかしくないのだ。
「私たちは同性だから子供を儲けることは出来ない。よって、その場合、養子縁組をしたりするんだけど……」
「アキ、そこからは、私が言おう。」
少し悲しげな表情の兄にかわり、カイル殿下が話し出す。
「私とアキの時にも色々あってね、養子をもらったんだ。さっき会ったよね。彼らを実の子のように兄妹を育てたんだよ。」
カイル殿下が兄に微笑んでいる。
「アキコと私たちは家族だが、世間ではまだ認められていない。アキと兄妹だが、それは世間では衝撃だろう。歳が離れすぎているようになるからね。」
ウインクして見せてくれる。
緊張感をほぐしてくれようとしてるんだ……
「だから、私の子供の養子として迎えようと思う。ほぼ決定だから、却下はないよ。」
「でも……良いのですか?その方にも家庭があって迷惑なんでは?」
「それは大丈夫だよ。」
カイル殿下が笑いながら、念話で誰かを呼んでいるようだ。
「アキコ、君にもう一度会ってもらいたい者を呼んだから、少しまってね。」
ドアのノックの音の後、入室してきた男性がいた。
暫くして、メイドがノックして入ってきた。
兄が呼んでいるとのこと。
再度着替えてメイドさんの案内で兄様の元に向かった先は兄の執務室だった。
兄様とカイル殿下の執務室は別にあるらしい。
仕事が上手くすすまないから………との事。
カイル殿下は一緒でも良いのにね……と呟いていた。
兄様に促され、ソファに座る。
兄様とカイル殿下の向かい側。
「アキコは私の妹でもあるし、今後のこともあるから、殿下呼びはやめようか。」
カイル殿下が声をかけてくる。
「でも……」
確か高貴の方なんだよね…良いのかなぁ…
「カイル、その話は少し待ってくれますか?」
兄様はそう言うと、メイドにお茶を運ばせ、退出させた。
大事な話だからと……
何だろう??緊張する。
「亜希子。」
「はい。」
「亜希子は、ナディル・シュナイゼル……彼のこと好きなんだよね?結婚しても良いと思えるほど…」
ボン!!と大きな効果音が上がりそうだ。
いきなりの兄の言葉に頬が染まる。
俯いて、頷く。恥ずかしい……
「彼から求婚されている。そうだよね?」
頷いて返事する。
兄とカイル殿下に見つめられて恥ずかしい……
「亜希子と彼が番だからそうなるのは当たり前かも知れない。皇族の者達は理解しているんだけど、この『番』という事実と過去の出来事を知っているのはごく一部なんだ。だから、一般に知られていない分、身分がと言って来る者もいる。私たちがいた世界でも『身分違い』なんて話あっただろ?」
俯いていた顔を上げて兄を見る。
そう……ディに求婚されて嬉しかったんだけど、その事が頭にあり、頷けなかった……
異分子である自分。
何の身分もない普通の自分がそばにいて良いのだろうか?
例え必要だから……と言われても……
クスクスと笑いながら「気にしなくて良いのに……」と呟くカイル殿下。
兄様がカイル殿下に「黙って!」と言っている。
「亜希子の悩もわかるよ。私も悩んだ事あるから……だから、亜希子に提案したいんだ。」
「兄様?」
「私と亜希子は兄妹だ。でも、見た目は兄妹に見えない。」
兄は苦笑いしている。
同じ時代に生きてきたのに、なぜか同じように異世界に来たのに…来た時代……年代が違う。
よって、兄を祖父と言ってもおかしくないのだ。
「私たちは同性だから子供を儲けることは出来ない。よって、その場合、養子縁組をしたりするんだけど……」
「アキ、そこからは、私が言おう。」
少し悲しげな表情の兄にかわり、カイル殿下が話し出す。
「私とアキの時にも色々あってね、養子をもらったんだ。さっき会ったよね。彼らを実の子のように兄妹を育てたんだよ。」
カイル殿下が兄に微笑んでいる。
「アキコと私たちは家族だが、世間ではまだ認められていない。アキと兄妹だが、それは世間では衝撃だろう。歳が離れすぎているようになるからね。」
ウインクして見せてくれる。
緊張感をほぐしてくれようとしてるんだ……
「だから、私の子供の養子として迎えようと思う。ほぼ決定だから、却下はないよ。」
「でも……良いのですか?その方にも家庭があって迷惑なんでは?」
「それは大丈夫だよ。」
カイル殿下が笑いながら、念話で誰かを呼んでいるようだ。
「アキコ、君にもう一度会ってもらいたい者を呼んだから、少しまってね。」
ドアのノックの音の後、入室してきた男性がいた。
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