異世界から来た華と守護する者

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豊穣祭

兄と

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兄との再会後、ディと部屋に戻った。

兄の話は衝撃的だった。

兄も私の話を聞いて驚いていたが、母も妹も亡くした事には涙した。

「亜希子が無事で良かった。母上やサチが亡くなったのは悲しいけど、それは亜希子のせいじゃない。あの戦争が悪いんだから。亜希子、今   幸せ?」
「兄様?」
「この国の『番』に対しての執着心はかなり強いよ。亜希子を困らせる事も多いかもしれない。彼らは物凄く大切にしてくれる。大切にされ過ぎて、逃げ出したい事も起こると思う。逃げる事は出来ないけどね………」

少しおどけてみせる。

「兄様………」
「亜希子、私には何の力も無い。だけど、兄として守るよ。だから、困った事は相談して。」

コクッと頷いて兄にしがみつく。

「兄様、もう側にはいてくれないの??」

捨てられた子猫の様に寂しそうに俯く。

「亜希子。君の番である彼が君の側を離れないだろう。離してもくれないと思う。でも、喧嘩したなら、庇って匿ってあげるよ。私の使えるものを使ってね。」

兄はいたずらっ子の様な表情をした。
昔の兄のままだ………

「使えるもの??」
「そう、カイルも魔力が強いんだ。私のお願いもある程度はきいてくれる。だから、カイルも巻き込んで庇ってあげるからね。」
「カイル殿下は兄様が大好きなんですね。」
「そうみたいだよ。男同士でどうかと思うんだけどね………」
「兄様は幸せですか???」
「あぁ、今では幸せだと言い切れるよ。昔はかなり逃げたり暴れたりしたけどね……」
遠い目をする兄。
それとは別に、頬を染めて話す兄を微笑ましく思った。

「兄様、その時は、全力で助けくださいね」

ニコリと笑う。

「了解」

2人で笑った。
笑い出して、抱き合って………してたら、剥がされた。
いつの間に来たの?お二人さん!?

「アキ、充分話ができたでしょう?」
「アキコ、充分話ができたろ?」

そんな彼らをみて、笑う。
久しぶりの大笑いだったかも知れない。

「亜希子、またね」

兄はカイル殿下と共に部屋を後にした。

「ディ?」
「よかったね。」

そう言って抱きしめられた。

「うん……」

ディの腕の中で泣いた。嬉し泣きだ。
涙を唇で拭ってくれる。
ありがとう。
感謝の気持ちでいっぱいになった。
そのまま、ディに抱き上げられて、今に至る。

幸せ………
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