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亜希子の呟き
喜びと、呟き(ハルト)
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ふふっ、あまりにも可愛すぎて、愛おしすぎて、愛し過ぎました。
愛しい彼女は、今、私のベッドの中。
多分、目が覚めるのは昼頃だろう。
いつもより遅い時間まで、彼女を抱きしめて、幸せを噛み締めていたが、愛しい者の世話をしたいのが魔族のサガ。
とくに、愛し合った後の世話はどんなにしても、したりない。
密かに食事の準備をし、いつ目覚めてもいいようにした。
彼女の衣類などは全て洗濯もして、乾かしておいた。
彼女が目覚めそうだ……
何となくそんな気がして、寝室に向かう。
「ここどこ?私……」
そういう呟きが聞こえる。
聴力は物凄くいいからね。
ゆっくりと、上半身を起こし、ベットの端から降りようとしてるの?
ベットの軋む音がしたと思ったら、落ちた音もした。
大丈夫なのか?
ベットの下は、毛足の長い絨毯が敷いているから、大丈夫だとは思うが……
ガチャとドアノブを回し、急いで中に入る。
彼女が私を見ている。驚いているようだ……
「大丈夫?怪我は?」
そう言って、両膝に腕を差し込み、抱き上げて、ベットに戻す。
怪我は無いから心配顔で色々触り確認する。
彼女が恥ずかしそうに身動ぐが、関係ない。例え擦り傷一つでも見逃す気がない。
「良かった。怪我ないようですね。お腹空きませんか?簡単に朝食作って来たんですが?」
「いえ、大丈………」
グゥーと彼女のお腹から、可愛らしい音がした。
慌てて、さらに恥ずかしがっている。
クスクス笑いながら、彼女の腰や背中にクッションを敷き詰めて、楽に座れるようにした。
そして、ベット用のオーバーテーブルを差し込んだ。
その上に、持ってきたプレートに乗せた朝食を置いて、すすめる。
「いつもは朝、和食なんですけどね。何となくこちらにしました。」
かなり可愛い声で鳴かせたし、体力も使わせただろうから、あえてリゾットにしてみた。
ほんわかと美味しそうな香りがたち、食欲をそそいでくれると思うが、彼女の口に合うだろうか…
コップに冷たい水を注ぐと、一口飲んでくれる。
レモンと蜂蜜を少しいれておいたのは、わかってくれただろうか……
「可愛く鳴いてくれたので、喉辛いかなと思いまして…」
思わず、昨日のことを思い出したのか、全身真っ赤だ。
『可愛く鳴いた……なんて……恥ずかしい…』
そんな事を思っているのだろう。
「さぁ、一口どうぞ」
そう言って、スプーンにリゾットをひとすくいして、彼女の口元に運ぶ。
世に言う『あ~ん』だ。
彼女には、してあげたくて仕方がない。
スプーンにのるリゾットと、私の顔を見比べている。
ニコニコして、『口をお開け』なんて表情をしてみた。
「自分で……」
「さぁ、どうぞ」
彼女が白旗を上げてくれたようだ。
可愛らしい口を開けて、美味しくパクパク食べてくれる。
食べる姿は愛し合っている時とよく似ていると誰かが言っていた。
誰だかは忘れたが、なるほどな……
「美味しい……」
そう言われ、嬉しくなり、次を促した。
「可愛い。この世界にこんなに可愛く、愛しいものがいたなんて。彼について来て良かった。もう手放しませんけどね」
『はて、可愛いものとは?今目の前にいるのは私だから、私ですか?えっ?私の事言ってます??』そんな心の声が聞こえそうだ。そうだよ、君のことだ。このまま襲ってしまいたいのを我慢する。
「食べたばっかりで、すぐに横になると、吐いてしまうこともありますからね、少しだけ体を起こした状態にしますね」
そう言いながら、差し込んだオーバーテーブルをベットから抜き、壁際に置いてから、彼女の背中に置いてあるクッションを数個抜いていく。
上半身が少し斜めにし、身体がずり落ちないように、抜いたクッションを膝の裏に置いて、少しだけ膝が曲がるようにした。
「身体がずり落ちたら苦痛ですからね。さてと、片付けして来ますので、休んでいてくださいね」
「えっと……」
「番いのお世話は当たり前です。それも、愛しあった後なら、なおさら。まだ辛いでしょ。少しは手加減したのですが、可愛すぎて、手加減するのに苦労しました。これも嬉しい苦労ですね」
『あれで………手加減?嘘でしょ……』そんな思わず悶絶している表情と心の声を聞いた気分だ。
そんな彼女を微笑ましく見て、部屋を出た。
「番いって何よ……可愛いって……手加減て……」
部屋からそんな呟きが聞こえてきた。
少しずつ教えて行きますよ。そのからだにね……
しばらくして、眠りについたようだ。
あどけない表情も、無防備な感じも愛おしすぎて、そっと唇を奪った。
差し込んであったクッションは全て取りはぶき、そのまま寝かせておく。
やっと見つけた愛しい者の。
いかに取り込み、自分の世界に連れて行くか考える。
こんな私に捕まって、かわいそうに……
諦めてくださいね。なにせ、私は魔族のものですから……
この世界での仕事はほぼ終わっているから、帰還することになる。
連れ帰り、時々連れてきてあげますね。
私の本当の姿を見たら、あなたはどう思うのでしょうね……
基本、力の強い魔族は美形だと言われているから、この姿が気に入ってくれたら良いのですがね。
鏡に映る、自分の姿を見る。日頃は隠している角と、牙。
魔力全開で、闘争時の時は恐ろしく感じるかも知れませんがね……
そう、私のこの鬼の姿を……
愛しい彼女は、今、私のベッドの中。
多分、目が覚めるのは昼頃だろう。
いつもより遅い時間まで、彼女を抱きしめて、幸せを噛み締めていたが、愛しい者の世話をしたいのが魔族のサガ。
とくに、愛し合った後の世話はどんなにしても、したりない。
密かに食事の準備をし、いつ目覚めてもいいようにした。
彼女の衣類などは全て洗濯もして、乾かしておいた。
彼女が目覚めそうだ……
何となくそんな気がして、寝室に向かう。
「ここどこ?私……」
そういう呟きが聞こえる。
聴力は物凄くいいからね。
ゆっくりと、上半身を起こし、ベットの端から降りようとしてるの?
ベットの軋む音がしたと思ったら、落ちた音もした。
大丈夫なのか?
ベットの下は、毛足の長い絨毯が敷いているから、大丈夫だとは思うが……
ガチャとドアノブを回し、急いで中に入る。
彼女が私を見ている。驚いているようだ……
「大丈夫?怪我は?」
そう言って、両膝に腕を差し込み、抱き上げて、ベットに戻す。
怪我は無いから心配顔で色々触り確認する。
彼女が恥ずかしそうに身動ぐが、関係ない。例え擦り傷一つでも見逃す気がない。
「良かった。怪我ないようですね。お腹空きませんか?簡単に朝食作って来たんですが?」
「いえ、大丈………」
グゥーと彼女のお腹から、可愛らしい音がした。
慌てて、さらに恥ずかしがっている。
クスクス笑いながら、彼女の腰や背中にクッションを敷き詰めて、楽に座れるようにした。
そして、ベット用のオーバーテーブルを差し込んだ。
その上に、持ってきたプレートに乗せた朝食を置いて、すすめる。
「いつもは朝、和食なんですけどね。何となくこちらにしました。」
かなり可愛い声で鳴かせたし、体力も使わせただろうから、あえてリゾットにしてみた。
ほんわかと美味しそうな香りがたち、食欲をそそいでくれると思うが、彼女の口に合うだろうか…
コップに冷たい水を注ぐと、一口飲んでくれる。
レモンと蜂蜜を少しいれておいたのは、わかってくれただろうか……
「可愛く鳴いてくれたので、喉辛いかなと思いまして…」
思わず、昨日のことを思い出したのか、全身真っ赤だ。
『可愛く鳴いた……なんて……恥ずかしい…』
そんな事を思っているのだろう。
「さぁ、一口どうぞ」
そう言って、スプーンにリゾットをひとすくいして、彼女の口元に運ぶ。
世に言う『あ~ん』だ。
彼女には、してあげたくて仕方がない。
スプーンにのるリゾットと、私の顔を見比べている。
ニコニコして、『口をお開け』なんて表情をしてみた。
「自分で……」
「さぁ、どうぞ」
彼女が白旗を上げてくれたようだ。
可愛らしい口を開けて、美味しくパクパク食べてくれる。
食べる姿は愛し合っている時とよく似ていると誰かが言っていた。
誰だかは忘れたが、なるほどな……
「美味しい……」
そう言われ、嬉しくなり、次を促した。
「可愛い。この世界にこんなに可愛く、愛しいものがいたなんて。彼について来て良かった。もう手放しませんけどね」
『はて、可愛いものとは?今目の前にいるのは私だから、私ですか?えっ?私の事言ってます??』そんな心の声が聞こえそうだ。そうだよ、君のことだ。このまま襲ってしまいたいのを我慢する。
「食べたばっかりで、すぐに横になると、吐いてしまうこともありますからね、少しだけ体を起こした状態にしますね」
そう言いながら、差し込んだオーバーテーブルをベットから抜き、壁際に置いてから、彼女の背中に置いてあるクッションを数個抜いていく。
上半身が少し斜めにし、身体がずり落ちないように、抜いたクッションを膝の裏に置いて、少しだけ膝が曲がるようにした。
「身体がずり落ちたら苦痛ですからね。さてと、片付けして来ますので、休んでいてくださいね」
「えっと……」
「番いのお世話は当たり前です。それも、愛しあった後なら、なおさら。まだ辛いでしょ。少しは手加減したのですが、可愛すぎて、手加減するのに苦労しました。これも嬉しい苦労ですね」
『あれで………手加減?嘘でしょ……』そんな思わず悶絶している表情と心の声を聞いた気分だ。
そんな彼女を微笑ましく見て、部屋を出た。
「番いって何よ……可愛いって……手加減て……」
部屋からそんな呟きが聞こえてきた。
少しずつ教えて行きますよ。そのからだにね……
しばらくして、眠りについたようだ。
あどけない表情も、無防備な感じも愛おしすぎて、そっと唇を奪った。
差し込んであったクッションは全て取りはぶき、そのまま寝かせておく。
やっと見つけた愛しい者の。
いかに取り込み、自分の世界に連れて行くか考える。
こんな私に捕まって、かわいそうに……
諦めてくださいね。なにせ、私は魔族のものですから……
この世界での仕事はほぼ終わっているから、帰還することになる。
連れ帰り、時々連れてきてあげますね。
私の本当の姿を見たら、あなたはどう思うのでしょうね……
基本、力の強い魔族は美形だと言われているから、この姿が気に入ってくれたら良いのですがね。
鏡に映る、自分の姿を見る。日頃は隠している角と、牙。
魔力全開で、闘争時の時は恐ろしく感じるかも知れませんがね……
そう、私のこの鬼の姿を……
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