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手放せない

逃がさない(クロード)

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月日はどんどんとたっていった。
2人でアイリを大切に思いながら接していく。
決して怖がられない様に、そして、アイリが自分達を選んでくれる様に心がけて…

アイリ自身も、僕達の気持ちはわかってくれてるだろう。
でも、自分は異分子だからと躊躇しているのも知っている。
気にしなくても良いのに…

でも、そう思わせてしまっている自分たちが歯痒くて、もっと努力が必要なんだろうと考えた。
そして、いざと言うときのために、外堀から埋めていく事も忘れずに…
アイリのいない人生が、もう自分達には考えられなかった。

だから、少し油断した。
屋敷の者達も、アイリの事を認めてくれていたから、もう少しで落ちてくると思っていたから…

確かに、昔から他の貴族から、釣書の様な手紙が届けられ、令嬢達からの視線は受けていたが、鬱陶しいとしか思えず、必要最低限の社交的付き合いだけしてきたんだが、どうも、それを気にしていた様だ。

アイリが密かに何かをしている様な感じがし、気が付いていない素振りをみせ、様子を見ていた。
本来なら今日は2人とも仕事で城に居ないといけなかったが、胸騒ぎがして、早々に屋敷に戻った。

すると、真夜中の屋敷の裏口からそ~っと屋敷から出て行こうとしたアイリの姿が見えた。
思わず、何ともいえない感情が沸き起こる。
逃げる獲物を捕らえる獰猛な獣の様な感情だ。

「こんな夜更けにどこに行くの?」
「その荷物は?」

そう声かけ、アイリを前後に挟まむ。そして、両脇から拘束し、すぐさま寝室に連れ込んだ。
逃がさない。
もう、待たない。
どんな手を使っても引き止める。
例え、泣き叫ぼうとも…

優しくじっくりと、僕たち2人がいないと生きていけないぐらいに…

言うまでもなく、3日間の甘いお仕置きとして、散々翻弄し、味わった。
ぐったりとしても、水分と、食事は2人で世話をした。
それ以外も…
これでもかと、愛を伝え、最後に婚姻の用紙にサインをさせ、閉じ込めた。



「君はもう僕たちのものだよ」
「君は僕たちに必要な愛しい人だ。誰が異分子だからとは言わせない。勿論、君自身にもだ」
「「僕たちの本気を、もっと理解すべきだ。わかるように刻みつけないとね」」

そう言って……
2人の本気は嫌と言うほどわかってくれただろうか…
アイリ自身の気持ちも…愛してくれてるのはわかっている。
あんなとろける様な表情を見せてくれてたんだから…
あれで、拒否は許さない…

アイリとの愛しい繋がりが、彼女の中に芽生えた事は言う事もない。
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