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お勤め

アイリの初仕事(クロード)

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アイリが城に勤めに行くことになった。
本当は屋敷に閉じ込め、誰にも会わせたくない。
特に男達に……
だが、この世界で生きていくには、必要な事だとも理解している……

「アイリ、本当に行くのか?」
「無理しなくても、生活面とかは……」

そう言って、今朝も朝食時少しだけ揉めた。
わかってはいるのだが、どうしてもそう言ってしまう。
まぁ、最終的には『仕方ないですね』と言って、一緒に出勤した。

アイリから、『お城で使用人用のお部屋を頂いて、仕事をしようと思う』と言われた時は、2人却下したが。
『勝手に出ていくものなら、監禁します』と、脅してしまった。

「アイリ、他の男性には近づいたらダメですからね。」
「アイリ、困ったことがあったら、私達の所に逃げてくるんですよ。」

そういいながら、アイリに2人からと、アクセサリーを付けた。
ブレスレットとネックレス。

「今からお仕事なのに?」

不思議に思い、2人に尋ねる。

「これには、我が家の家紋が彫られていてね。見せるとスムーズに私達に会えるんだよ」
「なら、一つで良いんじゃ?」
「特殊な護りが付いてるんだ。それに、この二つはセットなんだよ」
「そうなんですね」
「うん、似合ってる。そうそう、これ、勝手に外せないから」

アイリが思わず渋面になる。
『外せないとは、どういう事だろう』と言った感じか。
そんな表情も愛おしく感じてしまう。

「無くすと大変だから、特殊なんだ。ここについている石が僕達のピアスと同じ石でね、何か困ったときに通信機としても使える優れものなんだ。だから、安心だろ?」
「触ったら使えるんですか?」
「念じたら使えるよ。危機的なら、触る事もできないかもしれないしね。」
「なるほど……使わないに越したことありませんね」

そう言って、笑顔で頷いて見せる。
まぁ、それだけではないんだけどね。それは内緒だ。

「「そうだね」」

そう言って笑った。
アイリが怪しく感じているようだが、それは素知らぬ顔をする。

そうこうしたら、城につき、アイリと別れて職場に向かう。
侍女頭の後をついていくアイリを見送った。

「仕事するか」
「そうだね。じゃ、また。」

そう言って別れた。

アイリが『渡り人』である事は、侍女頭には通知してある。
大丈夫だろう。
一部の管理職にも通知済みだと言っていたし。

初日はお城の中の案内と、仕事内容の説明のはず。そして、アルテーシア様のお話相手で終わりだ。

お城の中はまるで迷路のようで、迷子になりそうだけど、必要な場所だけはなんとか覚えるだろうし、少しずつ他の場所も覚えていく必要がある。知らず知らずに立ち入り禁止の場所に入り込んだらダメだしな。まぁ、いざと言う時は、アイリが付けてあるアクセサリーを探知して、迎えにいけば良い。

そう考えて、仕事をこなしていった。
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