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少し慣れたから…

説得失敗

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食事も終わり、2人に相談がある事だけ伝え時間をもらう。
2人の執務室で話を聞いてもらえることになり、訪れた。

ノックをし、入室許可をもらい中に入る。
2人が嬉しそうに両手を広げて迎え入れてくれたが、話す内容もアレなので、セバスチャンには申し訳ないけれど、席を外してもらった。

「それで、アイリ、話ってなあに?」

クロードとガナードがニコニコしながら、向かい合わせのソファーに座っている。
私の両横に座ろうとしたけど、大事な話だからと向かい合わせに座ってもらったんだ。

少し瞼を閉じて気合を入れる。
よし、頑張るぞ!

「クロード、ガナード。今まで私のような者を屋敷に招き入れ、お世話してくださってありがとうございました。心からお礼を言わせてください。本当にありがとうございました。」

椅子から立ち上がり、そう言って、頭を下げる。

クロードとガナードが目を見開き、動揺する。

「アイリ、どうしたの?そんなに改まって」
「そうだよ。それよりも、頭を上げて座って。ね!」

そう言われて、素直に座る。そして、そのまま言葉を続けた。

「この世界に来て、何もわからない私に、色々教えていただき、又、過ごさせていただき、感謝しています。ですが、何時迄もお世話になったままでは良く無いと日々考えて、この度この屋敷を出て自立しようと考えて………」

バン!!と大きな音と共に、2人が立ち上がり

「「ダメだ!!」」

と一喝された。
これは、想定内とはいえ、う~~~~怖い!!

「ですが、私も子供ではなく、向こうの世界では成人女性。仕事だってこなしてたんです。ここで何時迄も何もせず、守られているだけでは……」

「アイリはまだこの世界に来て、全部を理解しているわけじゃ無い」
「そうだとも、危険が全然無いわけじゃないんだ。」

そう言って、両隣から抱きしめられた。

「はっ………離してください。まだ、お話が……」
「この話は無しだ!」
「そう、却下だ。享受できない!」

2人の腕に力がこもる。

「ですが、2人は身分ある皇族でしょ?貴族でしょ?私なんかがいたら、相手の方に迷惑です!!離して……」

そう、自立したい理由の一つに、2人の結婚問題も実はあった。

たまたま、お部屋の掃除の手伝いをしていた時に見た、釣書とお見合い写真。
セバスチャンいわく、相手から無理やり送られてきた物や、ご両親や親族などから送られてきた物だとか。
私がこの屋敷でお世話になっている事から、女性が苦手では無いのだろうとの事で、多数送られてきたのだとか。
メイド達も、遂に奥方が………なんて噂されている。
噂の中では、すでに好きな相手もいるとか、その相手を振り向かせるために色々やってるとかの話もあった。

そうなると、私って邪魔だと思うんだ。
大切にしてもらってるけど……彼らの邪魔したく無いし、相手にも悪い。
私も…………いや、私のは気の迷い。
見知らぬ場所、世界で助けられて、そう思ってるだけ……

「相手って、どういう事ですか!?」
「アイリ!!」

何とか、2人の腕の中から逃げる。

「とにかく、自立しようと思うので、止めないでください。それじゃ」

慌てて立ち上がり、部屋に向かって逃げ出そうとした。
これ以上の話し合いは無理だから、撤退!!

そう考えたんだけど、ドアを開けようとノブを握った所で捕らえられた。
ドアノブを握る手を掴まれ、ドアで挟むように2人の身体で閉じ込められる。

「逃がしませんよ!」
「逃がさない!」



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