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緊急事態

決意

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「で、ラフィは戦地に行くんだね」
「僕たちを置いて……」
「そう。2人には今まで凄く世話になった。感謝してる。でも、連れて行けない。」
「「なぜ?」」

2人は何か分かっているようだが、私の口から聞きたいようだ。
いつも、私の心配をして、いろんな意味で先回りして、護り助けてくれた2人。
でも、連れて行けない。
行けば、きっと彼等は私を優先する。
甘やかされる。
だから、あえて……

「父上から聞いた通り、今、兄上は消息不明。そして、この国は戦争という窮地に立たされてると思って良いと思う。でなければ、父上は戦地に行くかもしれないが、皇太子であるエド兄様が戦地に赴く事はないでしょう。兄様が出ると言う事は、よほどの事。」
「そうですね……」
「でも、それだからと言って、ラフィが希望する必要性はないんじゃない?下っ端だし、皇女殿下付きの近衛でしょ?」

確かにそうかも知れない。
そう思うのが当たり前だろう。
皇女は普通、戦地には行かない。でも、私は知ってる……
彼女の防御魔法はかなりのもので、絶対に行くだろうって。

従姉妹でもある彼女。
皇女でなければ、自分も騎士になるって言っていた。

兄の件もあるし、国を護りたいと言う気持ちも強い。
そして、この従姉妹である皇女殿下を守る必要性がある事も。

彼女がひた隠しにして来た事……それも理由の一つなんだが……
言っても良いのだろうか……
2人は絶対に、誰にも過言しない。

「私の護衛対象である皇女殿下も行かれると思う。だから、私も勿論参加する。兄上の消息も勿論探す。」
「なら、私達も……」
「2人にはこの地を、この家を護って欲しい。私が帰ってくる場所を。2人なら、守ってくれるよね」

真剣に2人を見つめる。

「ラフィはずるい」
「本当、ずるい。私達がラフィの願いを叶えない訳ないじゃない!!」

「ごめんなさい……」

そう言いながら、俯く。

「確かに、あの皇女殿下なら参加されるだろう。彼女の護りは凄い。ただし、自分以外だ!!」
「えっ………知ってたの??」

「俺達を誰だと思ってるんだろう。ラフィの……」
「ありがとう」

最後まで言わさず、抱きしめる。
2人とも抱きしめ返し、ポンポンと頭を叩かれた。
痛くはない……

「なら、とっておきの物、準備しときますね。持っていかないは、無しですよ!!」
「じゃ、おれも準備しとくか。」

そう言って、2人は部屋を出て行った。
ごめんなさい。心配してくれてるのはわかってる。
甘えてしまってごめん……
でも、私も騎士の1人。
兄様の事も、父や従兄の皇太子殿下や、皇女殿下も護りたい。
無事に帰ってくるから……
家族や、国民が悲しまないように、自分の出来ることを頑張ってくるから……


そう、一人で呟いていた。
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