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学祭

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そうこうしながら、着々と準備は進み、今日は授業という名の狩です。
勿論、学際に使う素材集め。

みんなで森にやってきて、ただ今絶賛狩の途中です。

「ドドーン!!」

「あ~~~っ、向こうで大きな爆音と土煙が~」
「あいつら、綺麗に狩れって言ったのに、大丈夫か?(食材が)」
「多分?」

急いで爆発音の元に走り出す。
ここは、魔獣もいれば、獣もいる森。
さっきの爆発音だと、多分魔獣だろう。

魔獣もいる森だが、学生が実習で使うぐらいだから、物凄い危険な魔獣に遭遇する事はまず無い。
猪の大きい版か、鶏の大きい版。あと、時々大蛇とかもいるけど、そのぐらいなら、一人で立ち向かわない限り、狩る事はできるんだ。
院卒の先生もかなりの実力者ということもあるけどね。
騎士団で大活躍して、怪我が理由で退団した人もいれば、家族に都合という人もいる。
怪我をして退団と言っても、生徒に教えたり、この森の魔獣を狩るぐらいどうとも無い程度だ。
いわゆる、短期戦は出来るけど、長期戦は無理というぐらい。

「ん~~、派手にやってますね。」
「先生?」
「あぁ、僕も少しは食材狩っておきましたよ。美味しそうでしょ。」

和かに笑顔を向けた先生の足元には、オークが転がっていた。

「凍らせておきましたから、日持ちもバッチリ。当日には私も食べさせてくださいね。ふふっ」

楽しそうに笑う先生。

「そうそう、食材にならない狩ばかりしていたら、補習だと伝えておいてくださいね。特訓ですよ~~」

先生の声を背後に聞きながら、爆音元に急ぐ。
補習って……絶対スパルタ特訓だ。下手したら、全員が責任を負うこともある。『全体責任ですね……』なんて言いかねない。それも、かなり嬉しそうに……

「大丈夫か?」

そう言って着いた場所は………大きなクレーターと、バラバラの物体……
思わずガックリしてしまう

「だから、綺麗に狩れって言っただろ!」
「だって、急に出てきたんだから、仕方ないだろう?これでも食えるとこあるから……」
「確かに、集めたら……って、そうそう、先生からの伝言。綺麗に狩らないと補習だってさ」
「ゲッ」
「嘘だろ~~~」
「特訓だって」

「「「ラフィ~~~~」」」
「こんな時に、ラフィに頼るな!」
「とりあえず、計画を!」
「おまえら、爆音小さく出来るか?」
「何とか?」


「なら、それで、追い立てて、俺たちで狩る」
「それ良いかも。で、それは……俺から?」
「補習が嫌ならやれ!!」

そういって、追い立てる者と狩るものに分かれて狩りだした。

「ふふっ、やればできるじゃないですか。騎士団でもチームプレイは大切ですからね。頑張ってくださいね~~」

遠視魔法で狩風景をみながら呟いていたのは、彼らを引率している教師であり、もと騎士団長であるレインだった。
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