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ただ今、修行中
出会い
しおりを挟むとある日、叔父である国王の誕生日ということもあり、王宮では誕生祭の宴が催された。
父や母、兄達に連れられて参加する。と言っても、年齢的に私と弟は別室です。
まだ社交界デビューしていないから。
お城の一室で叔父夫婦である王様夫妻とお話しして、皇太子である従兄のお兄様に抱き上げられたりして可愛がられました。
宴が始まるからと、弟と残され、執事や侍女にお世話されています。
中庭は散策しに行っていいと許可をもらい、ずっとお部屋にいるのも退屈なので、外に飛び出していった。
季節柄少し肌寒いので、マフラーと帽子、手袋も着けてます。
マフラーだけでいいと言ったら、兄達に外に出るなら着けるように念押しされたから……
過保護なんです。うちの家族。
お外は日が暮れているけど、色んな所に松明が灯されて明るいです。
そんな時間にで歩いて危ない……と思うかもしれないけど、魔法とかで護られているし、離れた所で護衛もいるから安心です。お守りのネックレスも持たされてるしね。
そうこうして、薔薇の生け垣に沿って歩いていると………噴水の辺りに銀髪の天使様が………と思ったら、男の子でした。私より年上です。(精神年齢は確実に私が上だけど)
空の星を見上げている男の子。どうしたんだろう?
近づいて声をかける。
「お兄ちゃん?どうしたの?」
ふと私の方を見る。目が合うと、あれ?泣いてたの?
パタパタとかけていく。
「何でもない」
ボソッとぶっきらぼうに答えられた。
寒さで唇が少し青い。何時間ここにいたんだろう。
「お兄ちゃん寒い?」
そう言って、手を握ってみる。
払い退けられるかな………と思ったけど、それはなかった。
風邪ひいたら困るな……この国の人とは少し違うみたいだし……
そう思って、首に巻いていたマフラーを巻いてあげる。
一瞬ビクッとしてたけど、拒否られることはなかった。
「お星様見えてるね。お兄ちゃんのお目々にもお星様見えてるね綺麗ね。」
そう言って、隣に座る。
「ひっついてたら、寒くないよね」
「暖かいな………お前、寒くないのか?」
そうボソッと声かけてきた。
もし危険な相手なら護衛が側に来るだろうが、それもないから大丈夫だろう。
「大丈夫だよ。」
そう言って2人で眺めていたら、チラホラと雪が舞い出した。
少し身震いしそうになる。
「お兄ちゃん、こっに行こう!」
そう言って手を引っ張ってお部屋に戻る。
抵抗されることもなく、ついてきてくれた。
部屋では護衛から連絡があったのか、2人分ミルクココアを入れて待っていてくれた。
ソファーに手を繋いだまま座る。
執事や侍女はおやおやと微笑ましいものをみるような表情だ。
手を離して、カップを受け取り2人で飲む。
「美味しいね。あったかいね」
ニコニコして声をかけると微笑んで「そうだね」と答えてくれた。
ん~~~やっぱり天使様だ。まぶしいよ……
そう思ってしまったのは内緒です。
しばらくたわいもないお話をしていたら、彼のお迎えが来たみたいだ。
優秀な執事はきちんと連絡していたみたい。
「お兄ちゃんまたね。」
「ハイル」
「ん??」
「僕はハインリッヒ。だから、ハイルと呼んで。」
「私はラフレシア。みんなラフィって呼んでるの。だから、ラフィって呼んで。」
「ラフィ、またね」
そう言って、抱きしめてくれた。身体は温もっているから、もう冷たくはない。
「またね、ハイル」
頬に触れるだけの口づけをされて、別れた。
迎えに来ていた者は『おやおや』という表情をしていたが、優しく微笑んで部屋を出た。
しばらくして、ウトウトと少し眠たくなって、ソファーで寝てしまった。
兄達が帰ってきて、父に抱き上げられて屋敷に帰ったのは言うまでもなかった。
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